2AE6F38C00000578-3177048-image-a-4_1438083305486リビアの最高指導者だった故カダフィ大佐Colonel Gaddafiの次男、セイフ・イスラム・カダフィ(Seif al-Islam Kadhafi)氏 45歳 が、6年ぶりに釈放さgaddafiれた。同氏を2011年以来拘束していた民兵組織が2017年6月12日までに明らかにした。リビアの裁判所は2015年7月28日、2011年に反政府の平和的デモを弾圧した罪で銃殺刑による死刑判決を言い渡していた。今回の次男の釈放Releasedで、カダフィ一家の子供やそれぞれの状況は左の図のようだ。リビアから逃げた者Fled、殺害された者Killed,不明な者Unknownと、それぞれ数奇な運命をたどっている。図は一部筆者編集 参照記事

西部ジンタン(Zintan)を拠点にする民兵組織アブバクル・アルサディク旅団(Abu Bakr al-Sadiq Brigade):紛争時、政府軍の武器を奪って頑強に抵抗し、紛争末期にセイフ・イスラムを捕獲したの 6月10日の Facebookの発表によると、サイフ氏はリビアの国民議会(GNC: General National Congress)下院が通過させた恩赦法適用採決後、北西部の都市ジンタンで9日夕方、東部の議会が制定していた恩赦法に基づいて釈放され、ジンタンを離れたという。これまでのところ、公の場に姿は見せていない。

ec605708リビアはカダフィ大佐が6年前に死亡して以来、3つの政府と複数の議会、対立する民族や民兵組織の間で勢力争いが続き、トブルクTobrukの東部政府(代表議会、HoR:House of Representatives )がトリポリTripoliを拠点とする統一政府(国民合意政府、 GNA:Government of National Accord)の承認を拒否しており、国家の分断が今も続いている。一旦制圧されたが、過激派組織「イスラム国(IS)」もリビアを活動拠点としている。

20161018Libya恩赦法を通過させた、イスラム色が強いとされる*国民議会(GNC)は、国際社会には承認されていない。また、国連(UN)が支援しているトリポリ統一政府(GNA)は、人道に対する罪の疑いが指摘されているセイフイスラム氏に恩赦法を適用できないとの判断を示し、国際刑事裁判所(ICC)は彼を、人道に対する罪の容疑で指名手配している。過去ブログ:2017年1月混乱が混乱を招くリビア 2015年7月カダフィ次男に死刑判決 

*暫定政府だったGNCは2016年4月に米、国連支援の統一政府GNAを一度は承認したが、2016年10月、クーデターを起こし、東の代表議会HoRに両議会による統一政府樹立を呼びかけるが拒否された状態にある。大きな理由の一つが、GNAの要請として、2016年8月、米軍がIS掃討で軍事介入したことが上げられる。これに、イスラム色、ムスリム同胞団の影響が強いとされるGNCが反発したと見られる。

更に複雑なのは、東部政府(代表議会、HoR)代理とも言われ、ブレガBregaを拠点に、エジプト、ロシア、UAE,フランスが支援するとされるハリファ・ハフタル(Khalifa Haftar)退役将校率いる民兵組織が「リビア国民軍:Libyan National Army LNA」を名乗り、活発に活動している事で、この組織が同盟や軍事力を背景に、将来統一政府になる可能性が高いと言われる。

2017年5月に、リビア東部ダルナ(デルナ)Dernaにあるイスラム・アルカイダ系反政府組織がエジプトでテロ行なった際には、リビア国民軍がエジプトのダルナへの越境報復空爆を支援し、地上で攻撃も行った。ハリファ・ハフタル氏はリビア国民軍総司令官として、2016年6月には2度目のモスクワ訪問をし、RussianBasesLibya480軍事支援を取り付けたと言われている。ロシア側は、リビア国民軍支援に対し、イスラム過激派(非IS)、IS排除を名目に、シリアのロシア基地からの軍事支援も約束したとされる。リビア国民軍は2014年5月以来、ベンガジBenghaziに居るイスラム系組織の合同組織「革命シューラー評議会 革命評議会 The Shura Council of Benghazi Revolutionaries」への空爆を含めた攻撃を行ない、今はリビア東部のイスラム武装組織をほぼ制圧したと言われる。米国はこれまでGNAを支持し、ここでも米露の対立が浮上しつつある。カダフィ時代リビアへは、ロシアが最大の武器供給国だった。 参照記事 参照記事 過去ブログ:2017年5月キリスト教徒虐殺で、エジプトがリビア北東部へ空爆 2016年7月まったく統一の気配が見えないリビア 米は統一政府支援

trtworld-nid-342889-fid-3807522017年6月14日:14日の記事によれば、国連は6月9日、国連が決議したリビアへの武器禁輸を含む国際制裁を無視して、UAEアラブ首長国連邦が、リビアのハリファ・ハフタル(Khalifa Haftar)総司令官:右 率いる「リビア国民軍LNA」へ攻撃ヘリや軍用飛行機を幾度も供給している事が明らかになったと非難した。国連関係者は、LNAは2016年から、リビア東部、中央部の重要な軍事基地、石油施設を手中にしており、空軍力がそれらの為に利用されていると語っている。LNAは、国連承認のトリポリの統一政府GNAを認めていない。リビア側有識者は、UAEの活動は、サウジなど湾岸諸国の協力無しではできないと語り、GNAに同調するリビアの組織は、UAEの行いは、リビアに対し「危険な役目dangerous role」を行なっていると非難している。 参照記事

fd15280eb1334de785cad39611648876_6右図は、アルジャジーラが参照記事で使用した勢力図で、元図は2016年3月作成で、シルトSirte付近にISの占拠地域が残っていたが、その後地域のISが制圧されたので、筆者の判断で図から削除した。赤い部分が、ハリファ・ハフタル(Khalifa Haftar)総司令官率いる「リビア国民軍LNA」と同盟組織の支配地域とされている。LNAが攻撃している、イスラム系「革命シューラー評議会 革命評議会 The Shura Council of Benghazi Revolutionaries:ISとは非同盟」は図にそのまま残してある。西南部、南部あたりの色分けは、地域部族が支配権を主pic1-current-territorial-control-in-Libya張している地域で、政治的というよりは、カダフィ時代に自治権が認められていた名残りと見ていいだろう。各メディアの解釈で支配地域はかなり違うので、あくまでも参考図で、図中の日本語等は筆者の加筆。GNCの勢力範囲は資料が無く不明だが、議会は2012年からトリポリTripoliに置いている。

非常に大雑把だが、2016年8月の資料では左のような図もある。ここでも、対立関係にあるとも言われるGNCとGNAの勢力範囲は明確になっていない。参照記事

2017年6月25日:ベンガジBenghaziのイスラム系反政府組織、ベンガジ防衛隊Benghazi Defense Brigades (BDB)へ攻撃中の「リビア国民軍:LNA」は24日、街の最後に残った2箇所の陣地うち1ヶ所を制圧し、市をほぼ制圧したと公表した。参照記事

2017年10月30日:ハリファ・ハフタル(Khalifa Haftar)総司令官率いる「リビア国民軍LNA」が支配するベンガジ東部で、身元不明の36人の拷問や撃たれた痕跡のある遺体が発見され、ハリファ・ハフタル氏が調査を命じたと報道された。数が月前に殺害された遺体は、反ハリファ・ハフタル派の可能性が高く、国連や国連承認のトリポリの統一政府GNAは、凶悪な犯罪行為としてLNAを非難している。参照記事



nappi11 at 00:15│Comments(3) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

コメント

1. Posted by まこと   2017年06月14日 18:44
この記事の図入りなのがありがたいです
2. Posted by 甲東   2017年06月15日 12:09
よく分からないこと。Abu Bakr al-Sadiq Brigadeは、Abu-Bakr al-Siddiq Battalionとも呼ばれているようです。Abu-Bakr al-Siddiqは初代正統カリフの名前のはず。スンニ派か・・・Who controls whatというタイトルの地図の黄色の部分は、ほぼほぼイバード派の地域と重なります。主要都市はジンタンと海岸沿いのズワーラ。
イバード派は1000年以上前にイラク南部で発生し、その後、オマーン方面と、マグレブ方面に蹴散らされた。両者の連携は無さそう。オマーンでは国教ですが、リビア等ではどういう活動をしているのやら・・・きっと宗教的には穏健なんでしょう。ベルベル人の血が濃い人達に信仰されているような。リビアではせいぜい20、30万人程度か。アルジェ、チュニジアのイバード派とはつながりがあるかも。
ジンタン周辺は、宗派の争いは余り無く、宗教的には穏健なのでしょうね。だから、世俗派が多いトブルクとつながるのでしょう。
3. Posted by 甲東   2017年06月16日 07:19
サウジ等がカタールと断交と聞いた当初は、リビアへの対応で意見が分かれ、喧嘩になったのだろうと想像しました。しかし、依然としてリビアでも大きな動きはありませんね。エジプトがすくんでしまったのかも・・・トランプは節操もなく、カタールとも戦闘機供与の追加契約を結んだ。カタール海軍と合同軍事演習をやるという話しも。あほやなー

火曜日にパキスタンのシャリフ首相がサウジに行ったはずです。怒られに行ったか、許しを請いに行ったか。これも何も動きがありませんので、カタールとはLNGの取引を続けるのでしょう・・・
思いの外、カタールは強かったか、サウジが嫌われているか・・・モロッコがカタールに食糧支援をするという話しもある。公正発展党PJDの突き上げか。

来週、トランプがウクライナと打ち合わせをするとか。乗せられるなよ。笑い事では済まないよ。

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