
ブルガリアBulgariaからの報道によると、トルコTurkeyとの国境に近い同国南東部の同国最大のハルマンリ難民施設Harmanlı refugee campで2016年11月24日、1500~2千人の収容者が外出禁止措置に抗議して暴動を起こし、警官隊と衝突した。AFP通信は、警官数人が負傷し、40人が逮捕されたとしている。
欧州連合(EU)とトルコは2016年3月、ギリシャGreeceに密航船で渡った難民や移民をトルコ側に送還することで合意。このためギリシャを避けてトルコと陸続きのブルガリアに迂回(うかい)し、隣国セルビア経由で欧州を目指す人が増えた。しかし、夏以降はセルビアSerbiaがEU加盟国の協力で対ブルガリア国境の警備を強化したため、多くがブルガリア国内にとどまるようになっていた。また、アフリカからの密航移民はギリシャを避けてイタリアを目指すようになった。
現在ハルマンリの難民施設に滞在するのは、アフガニスタン人を中心に約3千人。人数が増えるにつれ、地元との緊張も高まっている。同国難民局によると、先週「伝染性皮膚病communicable skin diseasesが起きている」などとのうわさが広がって住民らが施設の閉鎖を求め抗議したという。その後出入り自由だった収容者を一時的に施設から出さないようにする措置がとられ、暴動につながった。難民や移民は家具やタイヤに火をつけて抗議。警官隊に投石するなどした。警察は放水車を出動させた。ブルガリア国内の民族主義者からも、キャンプを閉鎖してトルコ、または難民の自国への送還を求める発言やEUの中でも最貧国のブルガリアには、難民を維持する余裕は無いとの声も出ている。 参照記事 英文記事 英文記事 過去ブログ:2015年9月難民の墓場と化したエーゲ海 ギリシャ

欧州の入り口、ギリシャや」ブルガリアが受け入れや通過をいくら制限しても、シリアやイラン、アフガニスタンなどを逃れてトルコへ入った難民たちは、更にゴムボートでエーゲ海を渡り、今も多くが欧州を渡ろうとする。去年1年間で10万人以上がエーゲ海を渡ろうとしてギリシャ領サモス島Samosに到着した。違法入国と出国を制限するため、難民は頑丈なフェンスで囲まれたキャンプに収容されされ:写真下、キャンプの定員は850人だが、今は3倍近い2450人が住んでいる。アフガニスタンからの難民の一人はすでに7ヶ月、出国できずにキャンプに住んでいる。
世界的な人の移動、移住の問題を専門に扱う国際機関「国際移住機関」(IOM、本部ジュネーブ)は11月17日、2016年に欧州を目指して(多くはアフリカから)地中海を渡り、途中で遭難して死亡した難民がすでに4500人を超え、過去最悪になったと発表している。参照記事
EU各国は去年9月、ギリシャとイタリアにいる難民16万人を各国が分担して引き取ることを決定したが、各国の態勢が整わないことや、受け入れに否定的な国が出ていることなどから、11月時点で受け入れ先が確定してキャンプを出たのはわずか6925人だけだった。アフリカなどからギリシャへとたどり着いた難民の多くは足止めされ、先の見えないまま日々を過ごしている。ドイツには去年、約100万人が流入したが、受け入れに積極的だったメルケル首相への国民の不満が相次ぎ、極右政党の支持が拡大し、オーストリアでも移民排斥を訴える極右政党が支持を拡大中で12月4日に行われる大統領選挙の決選投票では、極右の大統領が誕生する可能性も指摘されている。映像:摘発されたトルコから徒歩でブルガリアへの違法入国者 参照記事
閉塞状態の難民問題に、トルコからさらに悪いニュースが届いた。EU加盟を熱望するトルコは、難民を受け入れる代わりにトルコ人の合法的労働移民をEU各国が認めることを要求し、各国はそれを承認した。しかし、トルコ国内で起きたクーデター未遂後、エルドアン政権は人権や言論を武力弾圧した為、EU各国が反発し、加盟が遠のきそうな状況にある。これに激怒したエルドアン政権は、国境を開いて国内の難民を欧州へ解き放つと脅し文句を吐いている。参照記事
パキスタンには、登録、未登録あわせて約200万人のアフガン難民がいるといわれるが、厳しい冬を前に、難民は自発的にアフガンに戻るか、パキスタンから追放されるかの選択を迫られている。アフガンに戻っても、多くの地域にソビエト侵攻時代の地雷が残っており、また、イスラム国やタリバンの活動が活発化していることもあり、戻るにしても、これほど最悪の時期は無いと、国連の難民機関UNHCRは帰国後の彼らの生活を憂慮している。参照記事
ドイツやスウェーデンなど、欧州各国は2016年初頭から、違法入国やとりあえず入国させた難民の、その後の難民申請の審査を厳格化しており、多くが滞在許可を得られず本国送還になるケースが多発している。

