2016年10月31日  商業 経済 環境 自然
rea2次世代の燃料電池や合金への利用が見込まれるレアアース(希土類)の一種 スカンジウムSuが小笠原諸島・南鳥島沖の海底から採取した泥に豊富に含まれる ことを、東京大の加藤泰浩教授らの研究グループが確かめた。 2016年10月28日午後に同大で開かれた報告会で公表された。推計資源量(酸化物量)は 約15万トンで、現在の世界の年間需要の約9900倍に相当するという。 スカンジウムは中国やロシアなどの限られた鉱山でしか採掘していない。価 格水準は1キロ・グラムあたり約5100ドル(約54万円)と高価で、安定した供給が課題となっており、日本企業が新たな陸の採掘事業に乗り出したり、 米国の資源会社が太平洋の深海から回収する計画を打ち出したりしている。参照記事 参照記事
reaimg_1_m同地域での発見は2012年に遡り、2013年3月に東京大学大学院工学系研究科 エネルギー・資源フロンティアセンターの加藤泰浩教授と(独)海洋研究開発機構(JAMSTEC)の共同研究チームにより調査結果が公表されていたが、今回その後の新たな分析、調査結果が報告され、南鳥島沖のレアアース泥が、重要な重レアアースであるジスプロシウムDy、テルビウムTb、ユウロピウムEu、イットリウムY、軽レアアースのネオジムNdを加えた5元素の他に、貴重なスカンジウムSc :Scandiumを豊富に含んでいることが強調されている。2014年の時点で、5年以内の開発が可能として6000m前後の海底からの具体的な採掘プランも公表されていたが、具体的な開発が加速されれば確実に日本がレアアース資源の価格をコントロールできるだけでなく、深海での開発、採掘技術を世界に売り込むことも可能になる。加藤教授はハイテク素材に欠かせないレアアース泥を約5年前、太平洋のタヒチ沖やハワイ沖の海底で世界で初めて発見している。参照記事1 参照記事2
131107_kato_01最近の報道では、日本などによる、レアアースを使わない代替技術の開発による需要の減少、最大供給国中国国内の乱獲、闇開発で過剰在庫を抱えた中国のレアアース価格は37%も下落していると言われ、レアアース産出トップの位置を維持したい中国の通信社、新華社は2015年6月《中国 インド洋で埋蔵量が豊富なレアアース鉱を初発見》と報じたが、実はこれも加藤教授らがその2年前に国際学術誌に発表済みのものだった。発見の手柄の既成事実化は、日本の領土である尖閣諸島を自国領と主張し続ける手法と同じだと産経が書いている。参照記事 参照記事

img_1_m南鳥島沖の海底資源を知った中国は2014年、南鳥島から南側延長線上にある550キロ四方の公海で、コバルトやプラチナを含む海底鉱物資源「コバルトリッチクラスト」を探査する契約を国際海底機構と締結した。これにより15年間の排他的権利を確保し、開発に向けた探査が可能になった。中国に定められた鉱区探査範囲最北の海山と南鳥島との距離は約820キロ。
鉱物としてのレアアースには、その必要に応じた高度で精密な精製、加工が必要で、日本にはその技術があり、現在も日本は製品化したレアアースの輸出国として世界でもトップクラスの位置にいる。 *二次電池用の需要の高いリチウムは南米のチリが最大の産出国で、少数の企業による供給と世界的需要の急増で価格は上昇傾向にあり、豊富に含む海水からの抽出が期待される一方、日本はリチウムに変わる技術の研究で実用化にかなり近づいている。過去ブログ:2016年10月リチウムに変わる夢の“次世代蓄電池に実用化のメド ほか


nappi11 at 00:19│Comments(2)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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コメント

1. Posted by 九州の案山子   2016年10月31日 10:57
お早う御座います
レヤー九アース 中国 買って 綺麗にして  売ってるの ほーーーー

有る 話は聞きますが 使うほど 上がると良いですね
2. Posted by くすのきのこ   2016年10月31日 23:57
海洋汚染の元。レアアースの精錬で放射性物質が出る。

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