_91407709_0c057fdf-295e-4428-8836-9450e9253e90_86101898_mh17_impact_location_624v2国連安保理での国際法廷設置案に、拒否権まで発動して真相究明に抵抗したロシアだが、2014年7月のマレー航空MH17便墜落原因を究明するオランダ主導の国際委員会( Australia, Belgium, Malaysia, the Netherlands and Ukraine 五カ国が参加 )は、撃墜に使用された地対空ミサイルシステム「ブーク」Buk missileはロシア領内からウクライナのロシアが支援していた反政府側支配地へと運ばれ、ミサイル使用後、発射装置などは翌18日、再びロシアへと戻されたという帰結に達したと合同調査チームJoint Investigation Team (JIT) が2016年9月28日報告した。
4dbd3e58 _91411105_mh17mapロシア側は、ロシアからミサイルは持ち込まれていないと報告内容を否定したが、委員会の原因究明報告は、これまでの中間報告とほぼ同じで、今後も調査は2018年初めまで行なわれる予定。今回委員会は左のように、持ち込まれた経路(緑色)や装置が戻された経路(赤色)、ロシア派民兵側pro-Russian fightersに引き渡され、発射された地点(ペルヴォマイスコエPervomaiskyi村近くの農地)も特定して公表し、他に、人工衛星の撮影資料、「ブーク」がミサイル発射の場所へと移動する様子をとらえたSNS上の写真、通話内容の解読、目撃者の証言を挙げている。委員会はまた、ミサイル発射に関与した約100人を把握しており、今後も命令の出所などを調査するようだ。 ロシア側は以前の中間報告後も、ミサイルの使用自体を否定していたが、現在は、ミサイルがロシアから供給されたことへこだわり、全面否定している。英王立防衛安全保障研究所(RUSI)のジャスティン・ブロンクJustin Bronk研究員は、ロシアの主張を「まったくばかばかしい」と一蹴し「ウクライナ軍は紛争において、地対空ミサイルを1発も発射したことがない。(ウクライナ軍が戦っている)親ロシア派が空軍をもっていないからだ」と指摘した。報告内容映像(英語、ロシア語)参照記事  参照記事 参照記事 参照記事
13A6380C-55FC-4E3A-8244-7123EAEA7E9E_cx0_cy4_cw0_w1000_r1_s_r1マレーシア航空MH17便(ボーイング777型機)は、2014年7月17日にウクライナ東部ドネツク州で墜落し乗員乗客298人全員が死亡した。ウクライナは墜落について、ドンバス(ウクライナ東部・南部)の義勇軍(親ロシア派民兵pro-Russian fighters)に責任があるとして非難したが、義勇軍側は非難を否定した。写真は、A Russian Buk-2M missile launcher 参照記事 英文記事 過去ブログ:2015年7月ロシア、マレーシア機撃墜の国際法廷開設に反対 経済低迷 2014年7月ミサイル発射の場所特定か?ウクライナ

img_3e77bd1d2f796bcd62705ca1258ccb442159482018年5月24日:ウクライナ東部ドネツクDonetskの東およそ80キロの地点で2014年7月17日17時15分頃(現地時刻)に発生したマレーシア航空機撃墜事件で、オランダやウクライナなど5カ国の合同捜査チームは5月24日、ロシア部隊所有の地対空ミサイルで同機が撃墜されたとの調査結果を発表した。内容は、これまで公表された調査結果とほとんど同じで、事件ではアムステルダム発クアラルンプール行きマレーシア航空機が高度1万メートルを飛行中に撃墜され、17カ国の乗客乗員全298人が死亡した。大半はオランダ人だった。
mh17-potential-suspects-and-witnesseオランダで記者会見した捜査チームは、衛星写真の分析などからロシア南西部クルスクKurskを拠点とする露軍「第53対空ミサイル旅団:The 53rd anti-aircraft missile brigade」がウクライナ東部の親露派支配地域に持ち込んだミサイルで旅客機は撃墜されたと断定。回収した機体などの破片や通信記録から導いた中間報告では、ロシア製の地対空ミサイル「ブク、またはブークBUK」の使用と発射地域を特定していたが、ミサイルを所有していた組織までは指摘していなかった。ただ、捜査チーム33CA378A00000578-3571466-image-m-3_1462292502831はこの日、発射に直接露軍が関与したかは明言せず捜査を継続する方針を明らかにした。参照記事
イン クワイアラー紙The inquiryによれば、2014年6月23日、クルスクから6台のブーク搬送車を含む約50台の混成車輌about 50 assorted vehicles, including six Buk transportersの一団が旅団を発って南部へ向かったとされている。写真やビデオに写っていた車両ナンバーなどから部隊が特定された。英文記事 英文記事
20221118at25S_p2022年11月18日:2014年にウクライナ東部ドネツク州上空でマレーシア航空機が撃墜され、乗客乗員298人全員が死亡した事件で、オランダの裁判所は17日、プーチン政権の影響下にある親ロシア派支配地域から「ブク(ブーク):Buk missile」地対空ミサイルが発射されたと認定した。長引く紛争が今年、ロシアによる全面侵攻に変わる中、8年前の「戦争犯罪」に結論が下された形だ。
 殺人罪などに問われた4人のうち、ロシアの元情報機関員ら3人は求刑通り終身刑、1人は無罪となったが、被告人不在での判決。プーチン政権が関与を認めず、身柄の引き渡しに応じないためだ。首都キーウ(キエフ)近郊の民間人殺害などの戦争犯罪を裁けるか否かという問題に前例を示したと言える。、、参照記事
ウクライナ東部で2014年7月に発生したマレーシア航空機撃墜事件で、オランダやウクライナなど5カ国の合同捜査チームは24日、ロシア部隊所有の地対空ミサイルで同機が撃墜されたとの調査結果を発表した。
ウクライナ東部で2014年7月に発生したマレーシア航空機撃墜事件で、オランダやウクライナなど5カ国の合同捜査チームは24日、ロシア部隊所有の地対空ミサイルで同機が撃墜されたとの調査結果を発表した。


nappi11 at 08:16│Comments(3) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

コメント

1. Posted by 甲東   2016年09月30日 17:17
まあーまず間違いなく、ロシアか親ロ派のあんぽんたん数人、数十人が犯人なんでしょうね。裁判沙汰になった場合、どこまでの責任が問われるのだろう。せいぜい現地司令官だろうか・・・東京都ですら責任者不明で終わりそうだし。
飛行機の利用者から見ると、せめて“本機は紛争地上空を飛びます”と事前に言って欲しい。マレーシア航空は、まともな部類の会社と思っていたが・・・行方不明機も不明のまま・・・国全体が下降線か。
ところでオランダは、何故今の時期に発表したのだろう。また、首謀者は分かっているが今は言えないとか。ロシアがアレッポ攻撃を続けたら言う、という意味か。
この手の話しはいつも中途半端・・・昨日までギャーギャー騒いでいた日本の中東ウォッチャー達は、今日は静かなような・・・
2. Posted by POPPO   2016年09月30日 17:43
エドワード・ルトワックなるメリケンの国防アドバイザー&元CSIS上級顧問が曰く「露助は戦略を除いてすべてダメだが、支那は戦略以外はすべてうまい」だから「露助は戦争にほぼすべて勝ち、支那は連戦連敗」と断定した。w
戦略の誤りは戦術ではカバーできず、戦術の誤りは戦略でカバーできるというテーゼそのまんまの見事な事例だとか。w

この旅客機撃墜事件はものの見事な戦術の失敗例。これをしらを切り続ける戦略でカバー可能なのか見もの。たしかオホーツクで大韓航空機を撃墜した事件も何かウヤムヤだった様な気が・・・・・。
3. Posted by hanka   2016年10月01日 10:17
>ウクライナ軍は紛争において、地対空ミサイルを1発も発射したことがない。

ウクライナ軍は1発もBukを「保有していない」と言えば手っ取り早いのにさ
もし保有してるなら、その時間帯にミサイルはどこどこにあることが確認されてるからマレーシア機撃墜に使われてないことは明らかだ、とかね
その方がロシアの反論に対する直接的な反証になるのだけれど、まどるっこしいやね

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