トルコのエルドアン大統領Turkish President Recep Tayyip Erdoganは2016年7月20日夜(日本時間21日朝)の、トルコ空軍主導のクーデター未遂事件を受けて3カ月間の非常事態宣言と同時に、クーデター直後から、ギュレン派軍人によるクーデターという筋書きを声高に言い出し、トルコ全土でギュレン派狩りが始まった。トルコは戦後、3度のクーデターのあった国で、1960年、1971年、1980年とクーデターが続き、1997年には軍部がイスラム化した首相を解任させるという動きもあった。即ち、10余年ごとに政変が起きていることになる。トルコは政教分離された国で、軍部も基本的に世俗主義を信条としている。国の政治がイスラム教条主義に走ると軍部がクーデターを起こして、議会制政治の軌道修正を計るというパターンになっている。過去ブログ:2016年7月トルコで吹き荒れるギュレンパージ(ギュレン粛清)
そんな中、トルコのクーデターに参加した人々の中にはSu-24を撃墜したパイロットがいたと、アンカラのメリフ・ギョクチェクİbrahim Melih Gökçek市長が述べた。市長によると、パイロットは「ギュレン教団」という結社のメンバーで、同結社の活動は「国家に平行するもの」であるという。同結社はこの非難を否定しているが、市長の言いたいのはつまり、この結社は、トルコを影で操る「闇の政府」という意味だろう。
市長は「まさにこの<平行国家>こそが我が国とロシアとの関係を損ねたのだ。この構造に属するパイロットの一人が参加した、Su-24(トルコ機による2015年11月末のロシア機撃墜)の一件の ことを言っている。、、彼はクーデターに参加していた。この日まで我々はこのことを公開せず、内に秘めていた。しかし私、メリフ・ギョク チェクは言う。我が国とロシアとの関係を損ねたのは、このろくでなしどもなのだ」とCNNトルコの放送で市長が述べ、「ギュレン教団(Gulen religious community、ギュレン運動:Gulen Movement)」の狙いはトルコを国際社会から孤立させることだった、と市長は付け加えたとロシア紙が報じている。
この撃墜事件後、ロシアはトルコに対する報復的経済制裁を発動したが、2016年6月末、エルドアン大統領はプーチン大統領にメッセージを送り、謝罪と哀悼の意を表明し、その後、ロシア大統領は、トルコとの関係正常化の開始を発表した。
全てはギュレン運動に感化された、反エルドアン政権の軍人らが仕組んだことで、このことをロシアに証明するためにも、エルドアンは猛烈にギュレンパージ(ギュレン粛清Gulen purge)を遂行しているとの説明で、これが事実なら、今のトルコの状況説明のひとつにはなっている。参照記事
それにしても疑問は残る。軍人らが国家転覆を狙ったにしては規模が小さく、計画がずさんで大統領の居場所さえ把握していなかった可能性がある。そんなことから、事件直後、エルドアンのヤラセ説も噂されていた。トルコでは、3カ月間にわたる非常事態宣言後、米国へ亡命しているイスラム教指導者、ギュレン師とつながりを持つ2000以上の施設が当局によって閉鎖され、約6000人の軍人が逮捕、数千人の警察官や検察官、裁判官が解任され、拘束や解職処分が少なくとも6万人に及んだといわれる。この規模と徹底さは治安安定をはるかに超え、まるで「エルドアン革命」のようだが、ロシア側は肯定的に見ているようだ。

市長は「まさにこの<平行国家>こそが我が国とロシアとの関係を損ねたのだ。この構造に属するパイロットの一人が参加した、Su-24(トルコ機による2015年11月末のロシア機撃墜)の一件の ことを言っている。、、彼はクーデターに参加していた。この日まで我々はこのことを公開せず、内に秘めていた。しかし私、メリフ・ギョク チェクは言う。我が国とロシアとの関係を損ねたのは、このろくでなしどもなのだ」とCNNトルコの放送で市長が述べ、「ギュレン教団(Gulen religious community、ギュレン運動:Gulen Movement)」の狙いはトルコを国際社会から孤立させることだった、と市長は付け加えたとロシア紙が報じている。

全てはギュレン運動に感化された、反エルドアン政権の軍人らが仕組んだことで、このことをロシアに証明するためにも、エルドアンは猛烈にギュレンパージ(ギュレン粛清Gulen purge)を遂行しているとの説明で、これが事実なら、今のトルコの状況説明のひとつにはなっている。参照記事
それにしても疑問は残る。軍人らが国家転覆を狙ったにしては規模が小さく、計画がずさんで大統領の居場所さえ把握していなかった可能性がある。そんなことから、事件直後、エルドアンのヤラセ説も噂されていた。トルコでは、3カ月間にわたる非常事態宣言後、米国へ亡命しているイスラム教指導者、ギュレン師とつながりを持つ2000以上の施設が当局によって閉鎖され、約6000人の軍人が逮捕、数千人の警察官や検察官、裁判官が解任され、拘束や解職処分が少なくとも6万人に及んだといわれる。この規模と徹底さは治安安定をはるかに超え、まるで「エルドアン革命」のようだが、ロシア側は肯定的に見ているようだ。
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コメント
1. Posted by 甲東 2016年07月27日 12:09
当面の注目は、エルドアンが訪ロした間に、トルコ国内で何が起こるか、起こらないか・・・次は、エルドアンがアサドを認めるかどうか・・・
2. Posted by POPPO 2016年07月27日 17:23
エルドアンとプーチン大帝の写真。
「邪魔者は消せ」を日々実行中の両巨頭、闇夜に絶対遭いたくないと私は思った。w
「邪魔者は消せ」を日々実行中の両巨頭、闇夜に絶対遭いたくないと私は思った。w
3. Posted by ん 2016年07月27日 23:29
>次は、エルドアンがアサドを認めるかどうか・・・
そうそう。前々から思ってた(書いてた)のですが、今後の中東情勢のキモはその点だと思うんですよ。
そうそう。前々から思ってた(書いてた)のですが、今後の中東情勢のキモはその点だと思うんですよ。
4. Posted by くすのきのこ 2016年07月28日 04:10
エルドアンはとりあえず露と近づきたいのか・・つまり一応世俗派続行か・・
シリアはアサド続行でしょう。中東の蓋をあけたら欧州のイスラム化に拍車が
かかったから。それをキリスト教勢力が許すはずもなく・・エルドアンは、原
理主義に傾き欧米資本で動くクルドによる局地戦がトルコ国内で続発という図か、世俗派続行で欧州の最終防波堤としてイスラムの波を抑え、その代わりを
いただくかの図の選択だったろ~な~・・。世俗派続行だとISもたいした事を
しないのではないかなw・・イスラエルやアメともお近づきになってるらしい
からw露はシリアの英米の精鋭部隊の基地とCIA関連施設を空爆したが騒がれ
ていない・・シリア、トルコの管理は露か。露の武器が中東で売れているとw
いつもながら露はウマイ。情報戦に長けている。中東の難民爆弾を作ったソロ
スの動きの意図は・・やはり英国を動かす事だったか・・信用経済の砦だし。
シリアはアサド続行でしょう。中東の蓋をあけたら欧州のイスラム化に拍車が
かかったから。それをキリスト教勢力が許すはずもなく・・エルドアンは、原
理主義に傾き欧米資本で動くクルドによる局地戦がトルコ国内で続発という図か、世俗派続行で欧州の最終防波堤としてイスラムの波を抑え、その代わりを
いただくかの図の選択だったろ~な~・・。世俗派続行だとISもたいした事を
しないのではないかなw・・イスラエルやアメともお近づきになってるらしい
からw露はシリアの英米の精鋭部隊の基地とCIA関連施設を空爆したが騒がれ
ていない・・シリア、トルコの管理は露か。露の武器が中東で売れているとw
いつもながら露はウマイ。情報戦に長けている。中東の難民爆弾を作ったソロ
スの動きの意図は・・やはり英国を動かす事だったか・・信用経済の砦だし。
5. Posted by POPPO 2016年07月28日 09:27
トルコのクーデターは”独裁者”の自作自演だったのか?
ITmedia ビジネスニュース7月28日
前略
エルドアンは「独裁者」らしく、自宅である大統領官邸も多額の税金をかけて豪華絢爛な建物をつくっている。2014年に完成した新大統領官邸は米ホワイトハウスの30倍以上の広さを誇り、分かっているだけで1150室もある(メディアが1000室であると報じたら、エルドアン自ら1150室だ、と訂正した)。総工費は6億1500万ドルに達するという(実際には部屋数ももっと多く、費用ももっと高いと言われている)。
またその隣に、大統領と家族が住む住居部分を工事中で、そちらは250室と4000人が入れるモスクがある。トルコは政教分離を標榜して世俗主義を国是としているにもかかわらず、だ。野党議員はあきれて、「あんな宮殿に住みたいのは独裁者だけだ。常識ある国家元首なら、もう少し控えめな住まいで生活するだろう」とメディアで酷評している。
さらに官邸にはエルドアンのために「毒味係」が5人いる。彼らは1日14時間体制で官邸のラボに詰め、大統領の食事の安全性をチェックしているという。とはいえ、実際に食べてみて安全かどうかを確かめるのではなく、ラボの中で食料の安全性から、放射性物質や毒物、細菌などの有無までを検査機器などで調べている。またこの5人は、大統領の栄養管理も行っている。もちろん世界中の指導者が食事の安全性には注意を払っているが、彼の場合は常軌を逸している感がある。以下略
毒殺を恐れる独裁者、ご自身も政敵を消すためにいろいろな「ドク」を使って画策中なのかもしれない。w
ITmedia ビジネスニュース7月28日
前略
エルドアンは「独裁者」らしく、自宅である大統領官邸も多額の税金をかけて豪華絢爛な建物をつくっている。2014年に完成した新大統領官邸は米ホワイトハウスの30倍以上の広さを誇り、分かっているだけで1150室もある(メディアが1000室であると報じたら、エルドアン自ら1150室だ、と訂正した)。総工費は6億1500万ドルに達するという(実際には部屋数ももっと多く、費用ももっと高いと言われている)。
またその隣に、大統領と家族が住む住居部分を工事中で、そちらは250室と4000人が入れるモスクがある。トルコは政教分離を標榜して世俗主義を国是としているにもかかわらず、だ。野党議員はあきれて、「あんな宮殿に住みたいのは独裁者だけだ。常識ある国家元首なら、もう少し控えめな住まいで生活するだろう」とメディアで酷評している。
さらに官邸にはエルドアンのために「毒味係」が5人いる。彼らは1日14時間体制で官邸のラボに詰め、大統領の食事の安全性をチェックしているという。とはいえ、実際に食べてみて安全かどうかを確かめるのではなく、ラボの中で食料の安全性から、放射性物質や毒物、細菌などの有無までを検査機器などで調べている。またこの5人は、大統領の栄養管理も行っている。もちろん世界中の指導者が食事の安全性には注意を払っているが、彼の場合は常軌を逸している感がある。以下略
毒殺を恐れる独裁者、ご自身も政敵を消すためにいろいろな「ドク」を使って画策中なのかもしれない。w
6. Posted by 甲東 2016年07月30日 08:33
本当に笑ってしまうほど立派な宮殿です。トルコの歴史に残る。
テュルク系ムスリムが幅をきかすようになって巨大建造物ばかり作り、イスラム科学がヨーロッパに負けるようになったと言ってる人がいました。
シャーマニズムの影響が強かったテュルクにとって、科学は悪魔の仕業だったか・・・
テュルク系ムスリムが幅をきかすようになって巨大建造物ばかり作り、イスラム科学がヨーロッパに負けるようになったと言ってる人がいました。
シャーマニズムの影響が強かったテュルクにとって、科学は悪魔の仕業だったか・・・