o-TALIBAN-5702016年5月27日:アフガニスタンの反武装勢力タリバンTalibanは2016年5月25日、最高指導者マンスール師(Mullah Akhtar Mohammad Mansour、またはMullah Akhtar Mansoor)がアメリカ軍の空爆で死亡したことを公式に認め、後継者として、2015年7月に死亡したタリバンの創設者ムラー・オマール師Mullah Mohammad Omarの側近だったハイバトゥラ・アクンザダ 師Haibatullah Akhundzada:右 が新しい指導者になると発表した。ロイターなどが報じた。珍しく、新指導者の写真が公表されたが、タリバン組織からではなく、不明な筋からのウェブへの投稿とされる。しかし、普通の個人や組織がこんな写真を所有しているはずもない。写真についてタリバンは、12年以上前にアクンザダ師がイスラム教の大巡礼「ハッジ(Hajj)」でサウジアラビアを訪問した際に撮影されたものだと指摘している。参照記事 過去ブログ:2016年5月アフガンタリバンの指導者、米軍無人機攻撃で死亡
クンザダ師は2015年に発表された国連報告書の中で、1996年から2001年にかけて、タリバン政権がアフガニスタンを実効支配していた5年間、シャリーア(イスラム法)に基づく司法制度sharia-based justice systemの長官を務めていた人物として名前が登場していると説明され、アクンザダ師は60歳くらいとみられ、アフガニスタン主要民族パシュトゥン人の中でもタリバンへ傾倒しているヌールザイ氏族 Noorzai tribeで、以前タリバンの中枢があったアフガン南部の都市カンダハルの出身。
Th23-Afghanistan-H_2864347fアフガニスタンの首都カブールでここ数年起きている爆弾テロ事件の首謀者とみられるシラジュディン・ハッカニ師Sirajuddin Haqqani(アフガン東部を拠点にし自爆テロ攻撃で知られているHaqqani networkを率いる。マンスール師のNo,2だったとも):右下 と、タリバンの創設者で2015年7月に死亡が発表された最高指導者ムラー・オマル師の息子ヤクーブ師Mullah Mohammad YaqoobがNo.2の地位にあたる副官に就任し、タリバンの諮問評議会(シューラーshura)のメンバー全員が、新しいアミール・ア・ムウミニーン new Emir-al-Momineen(信徒の長commander of the faithful)クンザダ師に忠誠を求められたとある。今回死亡したマンスール師とオマール師の息子ヤクーブ師とは、これまで内部で後継者選びで対立があったとも言われていた。
新しいリーダーにより、もし今後新体制が、これまでの方向を変えてアフガン政府との和平交渉に前向きな場合、これまで過激さで知られ、アフガン政府との交渉に異論を唱えていたハッカニ師が副官で甘んじるのか、個人的な疑問もある。和平交渉に反対し、死亡した最高指導者マンスール師はこれまで、アフガン政府には、タリバンを代表する相手とはされていなかった。 参照記事 英文記事

 アフガニスタンの反政府勢力タリバーンの新たな最高指導者に選出されたハイバトゥラ・アクンザダ幹部が、配下の司令官や最高意思決定機関「シューラ(評議会)」のメンバーに対し、アフガン政府との和平協議はないと宣言していたことが26日までにわかったとCNNが報じた。
同筋は、アクンザダ幹部の選出は今後のタリバーンが質素な生活、忠誠や敵勢力へのテロ攻撃を重視していた組織の創始者オマール師が率いた時代への回帰を目指すことを意味すると述べた。参照記事
アフガン政府は、新指導者の決まった25日の時点で和平協議への参加を促したとされる。


nappi11 at 01:58│Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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