2012 年10月にカナダで開かれた会合Council for Northeast Historical Archaeologyで、カナダの考古学者のパトリシア・サザーランド（Patricia Sutherland：当時63歳：写真下右）氏が、カナダ・バフィン島Baffin Island、タンフィールド・バレーTanfield Valleyで、西暦1000～1300年 （1000–1300 AD）頃のものと思われる新たなバイキング:Vikingの開拓地の強力な証拠を発見したと発表した。チームは、13年かけてカナダ北極圏
のバフィン島で何世紀も前の石の建物遺跡（グリーンランドにあるバイキングの建物と驚くほど似ている）を発掘しているとき、非常に興味深い砥石を発見した。刃物を研いで刻まれた溝には、青銅などの銅合金の痕跡が残っていた。バイキングの鍛冶職人は銅合金を材料としていたが、北極圏の先住民には広まっていない。この事は、当時、東はロシア、南はフランスまで大航海していたノルウェーのバイキングが、交易のための貴重な毛皮と青銅の器具などを原住民と物々交換するために北米大陸にまで進出していた可能性を示している。地図の黒丸は、北米東部でバイキングの足跡が確認された主な場所 参照記事 参照記事
2016年５月16日の記事では、アマチュアの考古学研究グループが、北米ミシガン州MichiganのCheboyganの遺跡から、194個の、銅、鉄、銀、スズなどを使った刀やオノ、ボタン、英国からの物と思われるハカリやクシ、アイスランド製と思われるナイフ、グリーンランドかアイスランドからのセイウチの牙等、バイキングの交易品と思われるものを発見している。これらのものは、当時すでに効率的な、広範囲な交易ルートが出来上がっていたことを証明している。
北欧人 Norsemen（
8～11世紀に活動した初期スカンジナビア語を話す人種）と呼ばれる航海に長けた彼らの北米での交易ルートの研究は、まだ1960年代に始まったばかりで未知な部分が多いが、地球温暖化でカナダ沿岸部の永久凍土や氷河が溶けて、遺跡や遺物の発見が加速するのではと期待されている。ちなみに、それまで未知だ
った北米大陸の発見は、コロンブスによる15世紀末、1492年とされている。地中海側と東方中国との国際交易は、13世紀のマルコポーロがシルクロード：右 で元に着
いた事に代表されるが、欧州での国際交易はバイキングがゴクスタ船に乗って開拓したと言ってもいいだろう。右下は、シルクロードと東方への海上交易ルート 参照記事 過去ブログ：2014年10月スコットランドでバイキングの財宝発見 2013年11月フィンランドで見つかった剣の謎 2010年3月今も昔も争いは絶えぬ、、ブリテン島がほしかったバイキング（ノルマン人） 船や武器等参考映像：What Made Viking Weaponry So Effective? | Vikings | Absolute History 
