イラクのクルド人自治区政府は2015年10月25日、イスラム過激派組織「イスラム国（IS）」の収容施設で米特殊部隊と共同で実施した大胆な急襲作戦の様子とするヘルメットカメラの映像を公開した。記事付き映像の中では、人質にＩＳが紛れ込んでいないか、自爆ベストをつけていないか一人ずつチェックされている。クルド自治区安全保障会議は声明を発表。今回の作戦で69人の人質が解放されたことを確認し、加えてＩＳの戦闘員20人が死亡し、５人を拘束したと伝えた。記事と映像米軍の特殊部隊「デルタ・フォース（Delta Force）」に支援されたクルド人先鋭部隊は22日未明、イラク・ キルクー
ク州Kirkuk province ハウィジャ（Hawijaj）近郊にあるISの収容施設から約70人を救出した。 映像は、クルド人自治区治安委員会（KRSC）が公開したもの。映像：IS収容所急襲の瞬間、米・クルド部隊がイラクで実施 Iraq Kurds release footage of US commando raid 
2014年8月に米軍がイラク支援を開催して以来、米軍兵士30名前後とヘリ5機が初めて直接参加したこの作戦では、米国オクラホマ州出身のジョシア・ウィーラー曹長 Master Sgt. Joshua L. Wheeler 39歳が銃撃戦で死亡したと米国国防省が公表している。この作戦では、現地で米国特殊部隊員数名が地上攻撃の主力である十数名のクルド人部隊のアドバイスをする任務だったが、曹長は急なＩＳからの反撃に自ら応戦して被弾し死亡した。この襲撃の前日には人質数名が処刑されており、処刑所と化した施設の外には巨大な埋葬場所が掘られ、22日の礼拝後に大量処刑が行われる予定だったとされている。参照記事 英文記事 英文記事 参照記事 戦死した曹長の出身地では半旗が掲げられ、英雄の死を惜しんでいると報じられている。戦闘はバイジBaijiの北Makhoul(Makhmur)付近でも発生し、26人のＩＳを殺害したと26日報道されている。参照記事 過去ブログ：2015年2月IS撃退に奮闘するクルド軍 米、トルコが訓練強化 2月イラク北部解放の作戦の流れとクルドの思惑2015年10月28日：アシュトン・カーター（Ashton Carter）米国防長官は27日、シリアとイラクで実施するイスラム過激派組織「イスラム国（IS）」掃討作戦を強化し、さらなる空爆や、地上での「直接行動」も辞さないとする方針を明らかにした。バラク・オバマ（Barack Obam
a）政権は、シリアへ地上部隊を派遣することに反対の姿勢を示している。一方で、IS戦闘員らと戦う地元部隊を支援する目的で、「訓練と助言」を行う部隊約3500人がイラク入りしている。参照記事米国の意思に反し、28日イラク首相Haider al-Abadi：右 の報道官は、米国の重要性は認めた上で、これまで米国に地上軍を求めたことも打診された事もなく、必要なのは武器などの支援であるとの談話を公表した。参照記事
