2015年10月18日:最近のイラク合同軍、クルドぺシュメルガPeshmerga、米国、有志国軍の空爆などをまとめると、図のように大きく南のアンバル県Anbar provinceと北のサラフッディーン県Salahuddin provinceで作戦が同時進行している。赤い点が、最近比較的大きな戦闘や空爆のあった地域で、空白になったバグダッド周辺でISの爆弾テロ、自爆テロが多発している。
2015年10月16日の報告では、Hit(Heet)への空爆でIS35人を殺害。ロシア政府はすでに、イラクの国内状況が困難なことと関連して、スホイ-25攻撃機、ヘリコプター「ミル28НЭ」及び「ミル35」,大型火炎放射システム
ТОС-1А「ソンツェピョーク」、地対空ミサイル・システム「パンツィリ-
С1」、移動型地対空ミサイル・システム「ジギト」、各種砲撃システム及び付属弾薬、地雷撤去装甲車БРМ-3М「ヴェプリ」をイラク側へ緊急供与し、すでに実践で使用されているとロシア紙は報じている。イラク当局者らは以前から、米軍による対「イスラム国」作戦に不満を募らせており、ロシアとの協力を強める考えを示していたが、イラク内の空爆作戦向けにロシアからはすでに軍幹部2人が派遣され、イラク側組織内で情報活動などで活動しているという。一方米国は、シリアのクルド軍へ武器弾薬を投下し支援している。
参照記事 参照地図 参照記事 参照記事
北部ティクリートTikrit周辺、ハウィジャHawijaでイラク合同軍がIS掃討開始、ISの南下をこのラインで止める作戦のようだ。ISがモースル南部にこだわるのには、この辺に石油精製施設があるのが大きな理由と思われ、最近 石油施設Qayyarah Oil Refineryを空爆している映像が流れた。交通の要衝にあり石油施設のあるサラフッディーン県Salahuddin province(県都ティクリート)のバイジBaijiでも戦闘が継続しているが、すでにイラク側が16日制圧したともいわれる。18日にはディヤーラ県Diyala provinceのHawija周辺もイラク側が制圧したと、シーア派義勇兵組織
ハシド・アル‐シャービAl-Hashed al-Shaabi forces(人民動員隊People's Mobilization Forces)から報告されている。北部のBaiiji~Wawijaの戦線ラインはモースルMosul方面に北上中のようだ。モー

スル周辺北部、西部はすでに夏前からクルドのぺシュメルガPeshmerga軍;右 が包囲陣地で固めつつあり、ISの東へのシリア方面への退路は断たれたようだ。 下の地図は油田の分布と精製施設、油送パイプライン,道路地図。
バイジでの戦闘 バイジでISが自爆テロに失敗する映像 映像 過去ブログ:2015年10月
イラク北部でISのテロ活発化 ラマディへ総攻撃開始か?イラク 6月
ISはイラク各地で孤立、敗走、支援部隊壊滅か? 5月
ラマディ奪還作戦開始と「人民動員隊」イラク 参照記事 参照記事 参照記事2015年10月22日:アンバル作戦の司令官は22日、ラマディ北部に大規模な増援部隊を配備したと公表した。戦車、大砲、ロケットなどを含みバグダッドから派遣された。バグダッド南部Dawra(Daura)地区で22日午後、爆弾テロで警官2名死亡、3人が負傷した。水色の円の地域
参照記事
2015年10月25日:イラクの合同作戦司令官は24日、アンバル県西部アル・カイムal-Qaimへの空爆で、司令官を含むIS12人を殺害したと報じた。ファルージャFallujah南部で

の地上戦、イラク空軍によるラマディから西へ70キロ(Hit付近か?)のKabisaへの空爆も報告されている。
参照記事 参照記事イラク北西部シンジャルSinjarでは、イラク軍、クルド・ぺシュメルガPeshmerga軍に合同するため、シリア側のクルド人部隊YPG:Kurdish People’s Protection Units 約1000名が到着したと報じられた。残存するIS掃討作戦のためとみられる。この地域では、
ヤジーディー(ヤジディ)族Yazidi(Yezidi、Izadis) 1280人以上が2014年6月に侵攻してきたISに異教徒として殺害され、女性は奴隷として売買され、55万人と言われる住民のうち40万人が避難を余儀なくされた。
参照記事 過去ブログ:2014年8月
ISのヤジディ教徒虐殺続く イラク北西部