atロシアが北欧周辺で偵察活動や演習を強化し、軍事的圧力を強めていることから北欧5カ国の国防相・外相が防衛面での協力強化をうたう共同声明を発表、ロシアが2015年4月12日、「憂慮」を表明する事態になっていた。フィンランドのストゥッブ(Alexander Stubb)前首相(現在はユハ・シピラJuha Sipila首相)が北大西洋条約機構(NATO)加盟の意思を表明しており、ロシアはフィンランドやスウェーデンのNATOへの接近に警戒感を示している。5カ国でNATO非加盟はスウェーデンとフィンランドだが、両国はアフガニスタンなどでNATOの作戦に参加するなど、強いパートナー関係にある。ロシア外務省はノルウェー紙の取材に「特別な憂慮」を示し、特にスウェーデン、フィンランドのNATO加盟に警戒感を表していた。図の水色がNATO加盟国 参照記事 英文記事  フィンランド語記事 過去ブログ:2015年4月フィンランドの新首相はITエンジニア出身

BN-ID059_finlan_M_20150428085124そんな矢先、フィンランド国防省は2015年4月28日、同国海軍が首都ヘルシンキ(Helsinki)沖で潜水艦とみられる物体を発見し、警告したことを明らかにした。国防省発表によると、ヘルシンキ沖の領海内の領海線近くで巡視活動を行っていた海軍艦艇が27日正午(日本時間同日午後6時)ごろ海中に不審な物 体があるのを探知した。夜になって再び不審な物体を発見したため翌28日午前3時(日本時間同日午前9時)ごろ、水中爆雷を発射した。2014年10月にはスウェーデンの首都ストックホルム(Stockholm)近海で外国のものとみられる「謎の潜水艦」が目撃され、同国海軍が大規模な情報収集活動を展開したが、その正体は特定できなかった。写真はフィンランドの沿岸警備艇
フィンランド側は調査結果待ちとしているが、北大西洋条約機構(NATO)に加盟していない両国に、NATOとの距離を置くよう促すロシアの警告メッセージなのは歴然としている。現在世界で、こんな行動を取る、あるいは取れるのは、核保有国のロシアと中国、米国くらいしかいない。特に中露の「憂慮」は自身の軍事行動を正当化し、チンピラまがいの威嚇行動に出るのは過去の事例が多く物語っている。フィンランドのスポークスマンが、あえてどこの国の潜水艦か分からないと発言することで、フィンランドの政治的立場の複雑さが分かる。
1305951542420もしこの不明な潜水艦がロシアのキロ級潜水艦Venäläinen Kilo-luokan sukellusveneだとすれば、全長約70m、高さ15mで、ロシアはこのクラスを2隻バルト海に配備しているといわれる。
フィンランド政府はロシア潜水艦とは公表していないが、写真はフィンランドの記事から、ヘルシンキのマンネルヘイム通り Helsingin Mannerheimintieにこの潜水艦を置いた場合の合成写真。発見場所は浅い海域といわれるが、それでも深さは40~80mあるとされる。 参照記事

nappi11 at 11:19│Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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