045645-031過去のブログ:中国がパキスタンへ歴史的大型投資と国境、民族、宗教問題 で、中国の5兆円規模以上のパキスタンへの大型投資を、アラビア海から中国へ抜ける「経済回廊」の視点から記事をまとめたが、下記に、パキスタン国内へのエネルギー、インフラ開発の視点からまとめてみた。同じ内容は先のブログ内にも加筆したが下記にその部分を再編集し抜粋する。

すでに公開された中国側のパキスタンでの事業投資には、石炭などの資源開発、火力、水力、太陽光、風力発電の発電所建設、鉄道、道路整備などの大型投資が 計画されている。この計画では、パキスタンからヒマラヤ山脈を抜ける道路整備が必要になり、すでに環境破壊が懸念されている。急速な経済発展で、とくに国 全体で67%台の電力供給率は深刻な問題で、一部で天然ガスは産出するがパキスタンは資源輸入国で、インダス川を利用した水力発電の充実が期待されてい る。現在インダス川 Indus River(インダス川本流の93%はパキスタン領内であり、5%がインド、p2_img32%が中国領を流れる)上 流のガジ・バロータ水力発電所Ghazi-Barotha Hydropowerは日本の国際協力のもと、約349億円の円借款で1994年に着工、2005年から稼働しているが、パキスタンの電力供給の 63%を火力発電に依存しており、巨大な投資と時間のかかる水力発電は3割に留まっている。この視点で見れば、中国はかなりアジア圏での日本の経済支援を 意識し、巨額投資で日本を振り切ろうとする姿が見えてくる。また、2009年以来の米国のパキスタンへの経済援助は50億ドル規模で、必然的に今後中国のパキスタンへの影響力が増大すると想像できる。中国が、国際投資銀行を準備中の最中に、この歴史的大型投資を調印したことの意味は大きくアジア圏に影響し、それが狙い目でもあるのだろう。 参照記事 参照記事

nappi11 at 11:03│Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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