syria32015年3月19日:3枚の写真は、シリアの首都ガマスカスDamascus, Syria東部で実戦参加している女性兵士だが、記事を読むまでは、てっきりクルド軍の女性兵士YGPと思ったが、写真の彼女たちはアサド政権軍に志願兵として2014年夏から戦闘に参加している約800人のシリア女性の一部だ。彼女たちは連日熾烈な戦闘の続くダマスカス東部、東グータ地区Eastern Ghoutaで戦闘に就いている。この地域を含め、シリア軍空軍は、居住地域に塩素ガス弾入りのたる爆弾を投下し、無差別殺戮は今も行われている。ブログ:誤解招いたケリー氏発言 シリア を書いた後で、アサドが和平協議の用意があると発言したと報道され、英国は即座に、彼には政権維持の能力は無いと真っ向からそれを拒否した。
syria2syria1そんな大統領のもとで、消耗戦と化した戦場の一員で活躍する彼女たちは気の毒だが、戦争そのものが不条理で論理的で無い以上、世界はこんな悲しい現実も容認しなければならない。シリアの紛争は5年目に入り、犠牲者の総数は21万人以上といわれる。参照記事

131b50762015年3月17日のイラン紙は、アサド大統領が、16日月曜、シリアの首都ダマスカスで、イランのタイエブニヤー経済・財政大臣と会談し、アメリカのケリー国務長官の最近の発言に対し、「シリアは、決定を下すために、アメリカの具体的な行動を待っている」と強調したと報じた。アサドはイランに仲介を求めたが、イランは、「シリアとその国民を支持し続けるべきだと考えている。なぜならシリアは、地域におけるシオニストの計画に抵抗する上で、中心となっている国であるからだ」と述べ、イランはシリアに協力的な態度を見せつつも、シリアをイスラエルの防波堤に見立たてるしたたかさも見せている。地図は以前のもので、a127e3f786c59eb7e767d0acbb103d83_XL薄緑色の地域が反政府組織が抵抗している地域で、塩素ガス弾の投下が頻繁に起きていると指摘されている。ピンク色のダマスカスの周りにも反政府側が迫っている。今のアサドは待っている立場ではなく、積極的に多くの妥協をしなければ無視されるだけだろう。彼は、残虐なアサド政権を恐怖して国外へ避難した500万近い難民のことなど気にもしていないようだ。このことを見ても、彼の政権続投などは受け入れられないもので、すでにアサドが一人でもがいても、簡単に可決できる状況ではなく、さらに彼は、戦争裁判にかかってもおかしくないほどの残虐の責任者である。 参照記事 過去ブログ:2013年10月ダマスカスの弱点 ガスパイプライン炎上と電力 シリア

c7902c72シリアと全長370キロの国境を接する隣国ヨルダンは2015年1月現在、約80万人のシリア難民を受け入れている。これはレバノン(約180万人)、トルコ(160万人)に次ぐ規模で、ヨルダンも現在、シリア社会のすべてのグループに国家再建への参加の機会を与える形での調停を模索する一方で、シリアの「穏健な反体制派」の教練だけでなく、イラク人やクルド人の部隊を教練することで、「テロ(IS)との戦い」への関与を強めようとしている。また、エジプトが提案した、アラブ合同軍創設構想への協議も継続しているといわれる。日本政府は2015年3月10日午前の閣議で、シリア難民を受け入れているヨルダンに20億円の無償資金協力を行うことを決めている。過去ブログ:2015年2月ISが住民に避難勧告 ヨルダンは3日間で56回空爆 シリア

alalam_635626545342238944_25f_4x32015年3月23日;3月19日にこの上のブログを書いたとき、タイトルは「シリア軍の女性志願兵士とアサドの模索」だったが、今日は模索を「もがき」に書き換えた。

アサドSyrian President Bashar al-Assadは3月22日、すでに失敗に終わったモスクワでの和平交渉(2015年1月26日~29日)再開を呼び掛けている。絵に描いたような予想通りの展開だが、未だに解決の方向が見えないのは、西側の妨害によるものだとの発言を繰り返すアサドの「上から目線」の態度が問題で、彼の希望する進展は困難だろう。5年目に入ったシリア紛争(規模は間違いなく戦争だが、宣戦布告が無く、国同士ではないので紛争とされている)の経過で、幾度となくあった交渉のチャンスを無視し、妨害したのはアサドであり、国連で拒否権を連発した中露だった。アサドは無視どころか、さらに攻撃を過激化し、今では無差別な爆弾投下は日常化し、国連もシリア空軍の化学兵器塩素ガス使用の疑いを表明している。すでに犠牲者は21万人以上で難民は300万人以上とされる。恐らくロシアでさえ、アサドに国を再建する能力が無いのはわかっていて、イランが今だに付き合うのも、シリアが崩壊すれば、ゴラン高原からイスラエルが侵攻するのを懸念するからという、イランの都合からの判断だろう。 過去ブログ:2015年2月米国、限定的地上部隊の投入策を議会提出 イラク シリア 2013年11月シリア紛争を振り返る 2013年11月末 2013年9月脅しと責任転嫁のプーチン論文 シリア 2012年12月反政府組織、ロシアとの和平協議拒否 シリア 2012年3月歴史は「中ロの失策」と書くだろう シリア内戦 シリア問題で「卑劣」とまで言われた中国 3月:シリア政府軍がホムスの一部制圧か? 懸念される虐殺 2月:無差別砲撃を止めないシリア、内戦に突入か、、。 2月:中国の特使派遣に成果なし シリア  2月:中国に調停は無理



nappi11 at 01:52│Comments(1)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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コメント

1. Posted by くすのきのこ   2015年03月21日 13:28
やはり、シオニストの目的はシリア陥落でしょうねえ。端っからね。
ISILのバックの一つはイスラエルであろうし、他にも複数の役割を
になっていそうですね。ムスリムの貶め。アメリカの派兵への民意高揚。
欧州のイスラム勢への煽りと、平行する抑制作用。また民衆はISIL
を悪と決め付ける事ができ、その点で一致した行動をとり始め、内輪もめ
の減少効果。つまり一神教ならではの、善悪二元論に縛られているので、
民衆は操りやすくなるという・・。多神論の日本はやはり別の範疇で・
・・クソコラ祭りとなったわけで・・アメリカに好評価されてましたね。
世界のいらな~い必要悪アイドルISIL・・謀略の目隠しもしまっす。

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