2014年11月24日  商業 経済 環境 自然
148110629_80793_990x742_600x450世界の食料ムダ捨て事情(Waste: Uncovering the Global Food Scandal)』(NHK出版、2010年)の著者で、イギリス人の活動家トリストラム・スチュアート(Tristram Stuart)氏:右 はこのほど、世界の食料廃棄の削減に取り組んできた功績を認められ、新たにナショナル ジオグラフィック協会のエマージング探検家の1人に任命された。スチュアート氏の計算によると、西洋諸国で廃棄される食料の4分の1以下があれば、地球上 の10億人の飢餓に苦しむ人々を養うことができるという。
食料廃棄問題への注意を喚起すべく、スチュアート氏は数多くのキャンペーンを立ち上げてきた。「Feeding the 5000(5000人へ食料を)」は廃棄されることになっていた食材を使った食事を無料で公共に振舞い、「Gleaning Network(落穂拾いネットワーク)」のボランティアたちは、余剰農作物が腐って捨てられる前に刈り取って集めている。 、、

(廃棄は)農場からすでに始まっています。見映えのよい新鮮な野菜や果物をそろえるために、店は高い基準を設けています。大きなスーパーマーケットになればなるほ ど、その基準は厳しくなります。そうすると、見映えのよくない、基準に満たない農作物は廃棄されます。農場から出荷すらされないことも多いです。
 工場も毎日のように食料を廃棄しています。サンドイッチ工場ではパンの耳が捨てられ、パイ工場ではパイ皿の外に出た生地が切り取られて捨てられます。販売 店では、豊作とか豊かさといったイメージを演出するため、棚に商品を過剰に並べます。消費者がそれを求めていると考えているからです。
多くの場合、解決法は規制の強化ではなく、緩和にあります。欧州連合は、農作物の見た目の基準を定める法律を緩和しようとしています。欧州の農業助成金制度も、余剰生産を助成する今までの流れから転換しようとしています。
しかし、規制を強化することで改善へつながっているケースもあります。ベルギーの法律は、スーパーマーケットが余剰食料を捨てる前にチャリティ団体へ寄 付することを義務付け、アメリカには『良きサマリア人法』といって、善意を持って食料を寄付した企業を保護する法律があります。その法律によって、企業は 訴訟を恐れることなく安心して食料を寄付できるようになりました。 参照記事より抜粋

日本の社会も、メディアもこの事にもっと注目してもらいたい。TVのCMや番組は、「もっと食べろ!」「もっとおしいものをたらふく食べろ!」のオンパレードで、挙句は「大食い」を競う番組まである。
同じ局が、途上国の食糧危機や健康問題を報じるのだから倫理矛盾であろう。
残念だが、日本の「もったいない文化」は食糧にまでは行きわたっていないようだ。
CI0002教育の中にこう言う概念を織り込むことも必要だと思う。自分は親から常に「食べれるだけでも感謝しなさい。満腹やおいしさを求めるな」と言われて育ち、「おいしいものを食べたい」と発言することに未だに抵抗があり、食べ物に多少の好みはあるにしろ、その言葉を言ったことはない。自分の親の世代は、戦中戦後の、道端の雑草まで食べた時期を経験しているので、このようなことを自分に言い続けたのだろう。そばを食べるにも、自分には、上に海苔を乗せるのが精一杯の贅沢である。写真は、終戦時の国会議事堂前も畑になった様子。
毎日来るキツネのセイヤに上げている餌も、レストランから出る廃棄物の鳥の皮や、蕎麦屋さんの揚げかすや出汁を取った後の削り節で、一匹の、野生のキツネの成長の役に立っている。日本の社会通念に仏教があるなら、もう少し、全ての生命に対しての配慮や、食糧危機や飽食についての議論がされるべきだろう。そして、忘れがちだが、亡くなった兵士の多くが餓死だった事実も再認識すべきだろう。




nappi11 at 08:47│Comments(1)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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コメント

1. Posted by kabaoyaji   2014年11月26日 08:56
幕内秀夫著【粗食のすすめ】(東洋経済新報社)全6巻 と言う良書がある。
読んでみると、身体に優しい食べ物のレシピが沢山紹介されている。 だがこの食材を揃えるとなると決して粗食などとは言えず、高級料理になってしまうのだ。 身近で安く手に入る食材が、如何に身体に良くない食材で満ち満ちているか愕然とする。

戦前戦後を通じ物のない時代を体験した我が身には、食べ物を粗末に扱う現代の有様に苦々しい目を向けのみ、せめて自分の家族だけでも食べ物を大切に考えようと日々過ごしている。

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