2014年09月30日  環境 自然 欧州 EU
5179663987_cf85ce46ff_o2014年9月30日:1986年4月26日に発生したチェルノブイリ原子力発電所事故では、爆発によって飛散した放射性物質が近隣諸国はもとより全世界規模で被害を及ぼしたが、ドイツ東部のザクセン州(Freistaat Sachsen 州都はドレスデンで実施された調査の結果、同地域に生息するイノシシの3分の1以上が放射能汚染されていることが分かった。

  ドイツの森にはまだ野生のイノシシが生息しており、イノシシ肉は珍味とされているため、狩猟されている。一方で、イノシシは食用には適さないレベルにまで汚染されていることが分かった。 専門家たちは、イノシシの放射能汚染について、今から28年前に発生したチェルノブイリ原発事故の負の遺産であると考えている。

snap7557_m   ザクセン州はウクライナのチェルノブイリChernobylから1126キロ離れた場所に位置しているが、風や雨で西ヨーロッパ全体に放射性物質が広がり、フランスでも土壌汚染が確認された。イノシシは、土壌から有害物質を吸収したキノコなどを食糧にしているため、放射性物質が蓄積されたと考えられている。2012年、ドイツでは狩猟したイノシシの放射線検査の実施が義務付けられた。基準値(1kgあたり600ベクレルの安全基準)を超えた放射線が検出されたイノシシは、処分しなければならない。ザ クセン州では1年間で、752頭のイノシシのうち297頭が処分された(捕獲したイノシシを廃棄することになった場合には政府から一定の額が補填される。)基準値の10倍を超えるイノシシも確認されたという。 専門家たちは、今後50年間はこの問題が続くとの見方を表している。参照記事
110703backstage_map_smallo0640040211228289745総放出量から見てセシウムだけで広島原爆168個分の福島は、チェルノブイリ(広島原爆90個分)を軽く超えており、チェルノブイリで最も汚染された地域はセシウム137で1㎡あたり380万ベクレルだが、福島の大熊町からは同元素が1㎡1545万ベクレル出ている。下の左はヨーロッパセシウム汚染度マップ(IAEAによる調査 2000年7月作成とある)どちらの地図も1kbq=1000ベクレル単位で表示で、例えば6万ベクレルは60kbqとなる。 下右地図の参照記事(2014年9月29日の記事より)どちらも大体同じ汚染状況を示し、遠く離れた北欧で汚染が深刻なのが分かる。個人的にはやはり、長年住んだフィンランドの汚染が気になるところ。 参考:東京江戸川放射線 過去ブログ:2011年4月ヒラノ・レポート チェルノブイリから見るフクシマ 歪んだ日本 「日本は官僚的過ぎる!」とロシアに言われた! 東京電力の清水社長の人を食った返答内容



nappi11 at 00:31│Comments(2)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

トラックバックURL

コメント

1. Posted by 九州の案山子   2014年10月01日 06:16
危ない物ほど役に 立つ  ですが
間違うと大変 ですね 予測外 の 事 起きます 

田舎 免停 30日 違反 講習 受けて 来ました
2. Posted by よりばば   2014年10月03日 21:32
 福島でも、イノシシはキノコや土中の生物を食べるから 特に影響を受けやすく体重1キロあたり2万ベクレル超の放射能セシウムが検出されていたらしい。
イノシシなどの生息数は増えている。それを安全だと錯覚させるのに利用させてはいけない。
食べられないから、猟をする人が減り、結果として一時的に頭数が増えているだけ。
天敵の人間がいなくなり、動物たちはのびのびしているが、その後の彼らを想像するとかわいそう。
ツバメも帰巣本能で戻ってくるのだが、途中で死ぬのか、10%しか戻らない地域もあるらしい。
 又、シーベルトで誤魔化されているが、核種ごとの線量を知らせるべきだと思います。

コメントする

名前
メール
URL
絵文字