米国は2014年9月12日、「米国は新たな戦争に突入した」と公言し、9月13日で、すでに160回の空爆を行っている。米国務省高官は14日、中東の複数の国がイ
スラム教スンニ派の過激派「イスラム国」に対する米軍主導の空爆に参加する意向を伝えてきたと明らかにした。具体的な国名は挙げなかったとされるが、中東のメディア アルジャジーラは、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦Saudi Arabia and Qatar.UAEを含む湾岸諸国6カ国、及びエジプト、イラク、ヨルダン、レバノン、Egypt, Iraq, Jordan, Lebanon,の計10カ国からの可能性を指摘している。これに対し、イラクのマスーム大統領は同日、AP通信に、アラブ諸国が空爆に加わる必要はないとの見解を示した。
一方、ケリー国務長官 US Secretary of State John Kerryは14日放映の米CBSテレビのインタビューで、中東やそれ以外の複数国が地上部隊の派遣を申し出たことも明らかにし、シリアに空爆を拡大する場合、敵対するアサド政権と調整するつもりはなく、シリアの反政府勢力と協力していく意向を示した。長官は「イスラム国」に対処するため、中東諸国を歴訪したあと、15日にはフランス パリで各国の外相級が参加する対策会議に出席し、参加国は、ロシア、中国を含む29カ国だったとされる。イラク問題を討議する国連安保理事会UN Security Councilは9月19日開催予定で、国連総会United Nations General Assemblyは9月末の予定。米国は有志連合(Coalition of the willing:この表現は過去にブッシュがイラク戦争で使用、オバマ大統領は先のTV演説でBroad coalition:広域連合を使用)を今月下旬の国連総会中に発足させる方針だ。参照記事 記事と映像
会議から離れて、長官とレバノンLebanonの Gebran Bassil外相は25分の話し合いを行い、シリアからレバノンに侵入するイスラム過激派との軍事衝突に対し、米国が何らかの支援をする意向を伝えたとされる。これは、ISではなく、シリアのイスラム組織がレバノンにまで支配地を拡大しようとしているためで、間接的に米国が武器支援している可能性もあり、米国は新たな問題を抱えたようだ。レバノンは会議で、急増するシリア難民に対する国連や各国からの支援を要請したとされる。
同じような事態は、イスラエルが実効支配するゴラン高原の国連監視区域側(地図の青い部分)でも起きていて、国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)は9月15日、シリア側から撤退した。国連は声明で、部隊の拠点が武装勢力の攻撃を受けるなど「非常に厳しい環境」になったためと説明した。ゴラン高原では先月末、フィジーから派遣されたUNDOF要員45人が国際テロ組織アルカイダ系武装勢力の「ヌスラ戦線」に拘束されたが、先週無事に解放された。フィリピンの部隊も攻撃を受けて包囲され、交戦の末に脱出した。この地域では、シリア軍とイスラム組織の戦闘がたびたび起きていた。過去ブログ:2014年4月敵の敵は味方 ゴラン高原でイスラエルがシリアを攻撃 参照記事 参照記事
フランスは空爆に参加するが、現在のところイラクに限定し、仏国防省は15日、ラファール2戦闘機2機を動員してイラク上空での偵察飛行を開始したと発表した。英国のキャメロン首相British Prime Minister David Cameronは、英国人の処刑;写真右 に対し、いかなる手段をとっても容疑者を裁判にかけると言っている事から、特殊部隊をシリアへ派遣する可能性が高いが、すでに行動しているとも言われ、ISとの戦いで大きな役割を果たしているイラク北部のクルド人民兵やイラク政府を支援し、人道物資の提供を継続すると表明している。オーストラリアのアボット首相 Prime Minister Tony Abbott.は14日、イラクやシリアで勢力を広げる過激派組織「イスラム国」への攻撃を準備するため、豪国軍から計600人の人員や8機のF18戦闘機などをアラブ首長国連邦(UAE)へ派遣すると発表している。アボット首相は、対象となるのはイラクでの作戦で、「現時点ではシリアは含まれない」と述べた。イランはISISへの対応で米国との協力を拒んでいる。同国の最高指導者ハメネイ師は15日、米国はISIS掃討を口実に中東地域の支配をたくらんでいると非難し、「米国からの協力要請を断った」と言明した。トルコ側は慎重で、米国の動きは「必要だが、(地域の)秩序をもたらすには十分ではない。私は政治的安定を達成するつもりだ」とダウトオール首相 Ahmet Davutoğluは述べ、米軍による国内の基地の使用を拒否し米国主導の軍事行動とは一定の距離を置く姿勢をにじませている。イスラム過激派の拡大は中東での資源開発の邪魔と見たのか、イスラム組織の、中国の新疆ウィグル人への迫害批判を嫌ったのか、中国は今回米国の空爆に賛同している。シリアを軍事上の要衝と見るロシアは、恐らく国連でシリアへの空爆拡大に反対を表明するだろう。 参照記事 参照記事 参照記事 参照記事 過去ブログ:2012年9月消えゆく世界遺産 中国の資源開発 アフガン
2014年9月16日;ロシア外相Russian Foreign Minister Sergei Lavrovは16日パリで、米国によるシリア空爆に反対を表明した。シリアとイランはISと戦闘中であり、パリの会議にこの2カ国が参加を許されなかったことへの不満を述べた。参照記事
また、米国国防省筋は16日、作戦は短期間では困難で難しいと述べ、空爆が失敗に終われば、地上軍投入もあり得るとの発言もしている。参照記事
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