1993年、金融危機とこのビルの所有者で投資家のダビド・ブリレンブルグ(David Brillembourg)氏の死去によって建設は中断された。2007年にウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領(当時)が許可したことから、ギャングやホームレスの人たちが住み着き、武装した警備員が見守る一時しのぎの住宅として他者を寄せ付けない現在の姿に変貌していった。
住民たちはビル内の秩序を守る自治組織を作って交代で床の清掃や共用部の維持管理をしているほか、計画を立てて文化活動、スポーツイベント、宗教行事を行っている。
ここで住まいを見つける前はホームレスだったというイダルゴさんは、いずれ自分たちも退去しなければならないのは分かっていると話し、涙をこらえ ながら「いつまでここで暮らせるのか、次はどこに行くのか分からない」と語った。「でも、私たちの大統領はきっときちんとした家を与えてくれるよ」
エルネスト・ビジェガス(Ernesto Villegas)首都区再建相は、住民の退去は強制的な立ち退きではなくビル住民のコミュニティーと協力して行っているもので、退去する人たちは自発的にカラカス郊外のシウダーサモラ(Ciudad Zamora)の公営住宅に引っ越しているところだと述べた。参照記事
2018年8月27日:8月22日のマグニチュード7.3の地震で、老朽化した高層ビル「ダビドの塔(Tower of David)」は上階で25%傾斜し地上の歩行者に危険な状況だと報告された。参照記事 参照記事 参照記事