―金融機関のトップが、政治的発言をするのが極めてまれだ。
「金融は、政治にかかわるべきではなないという意見がある。それは本来、権力にかかわることで金融が求めるべき理想がねじ曲げられ、利用されてしまう懸念が生じるために生まれた考えだ」
「しかし、金融に限らず企業の目標は、より良い国や社会を構築することだ。すべての企業は、理想の実現のためにある。経営者は、金儲けだけ考えればいいというのはおかしいのではないか」
―国論を二分する1つの側に付くことで、顧客からの不評を買わないか。
「消費者のニーズに応えることが企業、つまり消費者主権という考えは間違えていないか。例えば当社は、投機のためのゴルフ会員権購入のための融資はお断りする。そういう資金使途には貸せない。健全性とは何かを考え、顧客にも説明していく。それが金融マンの役割だ」
「福島第1原子力発電所の事故で分かったことは、将来の世代に責任を持てないエネルギーということだ。もはや原発は反社会的存在だ。原発を造る金を貸せと言われたら、お断りする」
―電力債は、金融機関の運用手段としても重要だ。
「東電の株式と社債は、事故後に売却した。金融機関は公共的な存在だ。東電の株式や社債に投資をするわけにはいかない」
―経済界の中には、コストの安い原発を稼働しないと、日本経済が立ち行かないという意見が多い。
「原発のコストの方が低いという人で、いやしくもビジネスマンや経済に携わる者ならば、会計の原則ぐらい勉強していただきたい。コスト計算には、直接原価と間接原価があり、そこで総合原価計算が行われる。原発は、今あるウランを使うだけならば直接原価は低い」
「では、その結果の間接原価はどうなのか。将来の廃炉費用や、使用済み核燃料の保管料や処理費用、工事費や人件費、地代がカウントされ
ているのか。カウントされていない。われわれは今、時価会計で、将来に発生するキャッシュフローをすべて現在価値化し、負債計上している。原発にはそれが
入っていない」
「1回事故が発生したら、天文学的なコストがかかる。貸し倒れ引当金の積み立ての考え方を入れれば、とんでもない引き当てを積まなければならない。これは、不採算というのではないか。国家ぐるみの壮大な粉飾決算だ」
「まず、原発の将来に発生する未計上のコストをちゃんと計上しなければならない。その上で、原発を再稼働させたら、もっと値上げをしなければならない」
「新しい電力産業が勃興してくれば、新産業としてモノづくりの復活にもつながる。例えば、石炭ガス化コンバインド発電やソーラーパネル、さまざまサービスも増える。工事やモノづくりに携わるわれわれの顧客たちにも恩恵がある。原発の再稼働では、新産業は生まれない」
――経常赤字を懸念する指摘もある。
「燃料の輸入によって、貿易収支が悪化し、経常収支が赤字に陥るのは日本経済にとってマイナスだという指摘は、本当に正しいのか。経常 収支が赤字でも成長している国はたくさんある。日本は、黒字を溜め込み、結果的に円高になり、デフレから抜け出せなかった。輸出入のインバランスは、為替 で調整される」
――大手銀行は、福島第1原発の事故後に、東電に対して巨額融資を行った。どのように評価する。
「第2の住専問題だという気がする。当時も、政府が保証するからとみんなが貸して、最後は損失となった。1980年代のバブル時も金融機関は公共性という考えを放棄し、その後、大きなツケを払わさられることになった。金融機関は、引き返す勇気を持つ必要があると思う」
――大手行は公共性を考えて貸しているのではないか。
「それは、公共性を勘違いしている。東京電力を生かすことが公共性ではない。安全でコストの安い電力サービスを継続的に安定的に保証することが公共性なのではないか。もっと見識を持たなければならない」
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コメント
が、今廃炉中の「ふげん」でさえ、750億円と以下の年数を要する。
2003年(平成15年) 運転終了
2008年(平成20年)~2012年(平成24年) 使用済燃料搬出
2013年(平成25年)~2017年(平成29年) 原子炉周辺設備解体撤去
平成40年度に解体・撤去の26年間の工程を終了させる予定になっている。
しかし、高レベル放射性廃棄物の恒久処理・隔離・管理は
2029年(平成41年)~9999年(何百・何千から数万年間必要という事)
でその収納施設さえない!
しかも、低レベルとみなされた撤去物は、リサイクルという美名のもとに市中に出回るのです。中には高濃度汚染も紛れ込む危険性もあると思います。
公共工事のバラスや生コンにも! 公園のベンチにも!
原発廃炉の際のこのリサイクルという美名も止めないといけないと思います。
自殺は三万人、自動車事故は五千人
自然放射線やCTスキャンやレントゲン被爆は?
晴れの日に傘を貸し、雨に日に傘を奪うのが、お前様方の生態。w
住宅融資も大勢が住宅金融公庫から金融機関等に移ってから極めて不明朗になったと感ずる今日この頃。預金金利の無茶苦茶な低減で金融機関が庶民の富を収奪している。そんなハゲタカが何を偉そうに・・・・と私はいつも思う。w
事故後に方向転換してる訳であって、巷で騒いでる手のひら返して反原発を唱えてる人たちと同じでしょ。
事故前まで東電の株式と社債で運営してた事の釈明は?
東電の株式と社債で運営してるのなら経営の内部情報は知ってるだろうし
今更「当行はほかとは違うんですよ。ふふふふ」って言われてもね。