2014年3月29日の、アサド政権支持のイランの記事から、「アメリカの政府高官が、同国のオバマ大統領はシリアのテロリストに携帯戦車兵器RPGの供与を決定したことを明らかにした。AP通信によると、アメリカがシリアのテロリストに引き渡そうとしているRPGは、射程距離が長く、低空飛行のヘリコプターや戦闘機を打ち落とす能力を備えている。シリア反体制派のテロリストが、この数ヶ月で同国軍に大きな敗北を喫し、多くの戦略的な拠点を撤退したことを受け、アメリカは、シリアの反体制派を強化するための多くの方法を模索しようとしています。」
記事の内容から、ジャベリン (対戦車ミサイル)の供与だと推定できる。すでにシリアの反政府勢力は、ダマスカス近郊、ハマー周辺で劣勢になっているといわれ、現在東部の港町ラタキアLatakiaへ攻撃を仕掛けているといわれている。ここは、反政府側を支援するトルコに近く、過去にはイスラエルが洋上から潜水艦で付近の武器庫を攻撃したとも報じられている。ここは、港の少ないシリアにとっては重要な地域で、アサド大統領の支持母体、アラウィー派の拠点でもある。
すでにラタキア北部、トルコに近いカッサブKassab(Kasab)が反戦府勢力の支配下になったとの報道や、暫定反アサド政府が、ラタキア方面へ攻撃するFSA主流の反政府組織へ支援を決定したとの報道もあり、この地域では反政府側が優勢に立っているようだ。ここでの3月21日からの戦闘で、アサドのいとこで、シリア防衛隊のHilal al-Assadが戦死したと3月24日報じられている。反政府側は、カッサブから3月23日カスタル・マーフQastal Maaf制圧と、着々とラタキアへ向け南進し、トルコ側からの補給路の確保と港湾都市ラタキアの確保に攻撃を集中しているようだ。
反政府側は、3月25日には、カッサブの西部サムラSamraという地中海に面した小さな漁村を制圧しており、一時的にここから物資を陸揚げするようだと言われている。
これにはトルコ海軍が協力すると想像でき、最近は、トルコ、イスラエルの、国境付近へのシリア軍に対する直接空爆も目立っている。このまま反政府側が南下すれば、近々ラタキア近くで大きな軍事対決が起きるのでは?ラタキアには、多数の熱烈なアサド支持アラウィー派民兵が活動している。イスラエルの報道では、反政府側は、ラタキア、イドリブ、ハマの補給線を確保したとも報じられているが、ハマ付近では反政府側が劣勢との報道もある。 写真は、サムラを制圧し、地中海を背にする反政府側 参照記事 参照記事 参照記事 参照記事 過去ブログ:2014年3月イスラエル、ヒズボラ?からの挑発にシリア軍施設を空爆 2013年10月反政府側は分裂か再編成か?シリア 7月イスラエル潜水艦がシリア軍武器庫を海上から攻撃 シリア