eggarticle-2583809-1C645EAE00000578-800_634x669米国中西部の男性が骨董市で1万4000ドル(約143万円)で購入した、高さ8.2cm,ダイヤやサファイアで飾られ、中に時計(スイス製Vacheron Constantin watch)の入った小さな金の装飾品が、実際はロシア皇帝が宝石師ファベルジェに作らせたイースター・エッグであることが分かった。実際の価値は2000万ドル(約20億円~34億円)程度とみられる。キリストの復活を祝うイースター(復活祭)では、卵は生命の象徴とされている。

egg_2856134b米中西部に住むくず鉄業者の男性は骨董市でこの装飾品を購入し、金と装飾品の価値でくず鉄として売ろうとしたが、良い価格の買い手は見つからず、長くキッチンに置かれていた。その後2012年、インターネットで調べたところ、時計に残るメーカー名などで、ロシア第13代皇帝アレクサンドル3世Tsar Alexander IIIが1887年にファベルジェに制作させ、皇后Tsarinaマリア・フョードロヴナMaria Fedorovna (アレクサンドル3世皇后):写真左 に贈ったイースター・エッグの一つである可能性のあることが分かったという。ファベルジェは1885年から1916年にかけて、ロシア皇帝のために約50個のイースター・エッグを制作したと確認されている。男性はエッグに詳しい英国ロンドンの骨董品取引会社ウォルツスキー Mayfair jeweller Wartskiに鑑定を依頼し、その後同社が顧客のためにエッグを買い取った。同社は男性や、現在の所有者である顧客の身元、取引価格などは明らかにできないとしている。参照記事 参照記事 参照記事 

egg_2855547carticle-2583809-1C645EC100000578-830_634x663当時鑑定依頼を受けたウォルツスキーのマッカーシー氏Kieran McCarthyは、届いた写真を見ると、確認のためすぐに米国へ飛んだが、これは、彼が初めて欧州を離れた旅だった。キッチンカウンターのケーキの横に置かれたそれを見るなり、彼はそれが「皇帝のイースターエッグ」と確信し、非常に驚いたと語り、ウォルツスキーは後日、顧客コレクターのためにこれを購入した。当時、価値ある「皇帝のイースターエッグ」と言われた方も非常に驚き、床に倒れんばかりで、マッカーシー氏が鑑定に座っていたキッチンのカウンター椅子に、人生が変わるかもしれないその日の日付と鑑定したマッカーシー氏の名前を刻んだそうです。エッグには細かな傷もあったが、新しい購入者の希望で、歴史としてそのままにされている。

エッグは、1922年のロシア革命のころ接収され売却された記録があり、その後1964年、ニューヨークの競売会社サザビーズのカタログに、単なる工芸品“Gold Watch in Egg-Form Case”として登場し、£875で南部の女性に売却された。女性が2000年初頭に死亡し、財産が売却された際に、その価値が不明なまま闇市場に流れたと推測されている。新オーナーはエッグを Wartskiに貸出し、2014年4月14~17日まで本社(Grafton Street, Mayfair.)で一般公開される予定。

tgtree15919288_115947868983これを皇后に贈った第13代ロシア皇帝の長男が、ロシア最後の皇帝、第14代皇帝ニコライ2世で、スターリン時代に一家は惨殺されている。13代皇帝アレクサンドル3世は1891年3月29日、世界最長、約1万キロのシベリア鉄道の建設を命ずる勅令に署名しているが、積極的な改革は行わない保守的な人物で、世界一裕福な皇帝と言われたが、非常に倹約家だったとされ、49歳でクリミヤの黒海に面したリヴァディア宮殿Livadia Palace で病気のため1894年に崩御している。皇后は1928年、故郷のデンマークで、デンマーク王室の保護のもと80歳で亡くなっている。エッグは当初毎年1個制作されたが、皇帝を引き継いだニコライ2世は、自分の妻と母親(皇后)へのイースターの贈り物として、毎年2個作らせたと記録されている。参照記事行方不明のエッグについて報じた2011年8月の英国紙の記事 と掲載された1902年のエッグの写真、晩年の皇后Maria Fedorovna Romanov 彼女の棺は、死後78年後の2006年にロシアの13代皇帝の墓の横に安置された。



nappi11 at 00:10│Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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