
ロシアが軍事行使の準備を進めるウクライナUkraine(首都キエフ 南部のクリミア自治共和国(首都シンフェローポリ: Simferopol)は、両国が帰属を巡り綱引きを繰り広げてきた係争の地だ。
同共和国が位置するクリミア半島は、黒海に突き出た半島で、面積は約2万6000平方キロ・メートル。15世紀に建設 されたタタール人(クリミア・タタール人:イスラム系 スターリンに、対独協力の嫌疑でクリミヤから中央アジアに追放された歴史を持つ 現在クリミヤの人口200万のうち、ロシア系60%、タタール系15% 現在の自治共和国政府は非合法だとし、欧州統合を支持の立場)国家を経て、18世紀に帝政ロシアに併合された。帝国の崩壊後、半島は引き続きソ連に編入され、第2次大戦末期に米英ソが戦後秩序を協議 したヤルタなどの保養地はロシア人に人気となった。ロシア系住民が多いのは、長いロシア領の歴史があるためだ。
対立の契機となるのが、1954年、ソ連のフルシチョフ党第1書記(当時)が、クリミアの帰属をロシア領からウクライナ領に変更したことだ。フルシチョフが、青年時代を過ごしたウクライナ(東部ドネツィク州:ドネツク 炭鉱の街)に強い愛着を持ったことが一因と言われる。
この決断は、1991年末ソ連が崩壊し、混乱の中1991年8月にウクライナが独立すると、ロシアとウクライナの対立に発展する。クリミアは90年代、ウクライナからの「独 立」を宣言したり、自治権拡大を要求したりし、ロシアはこれを支持し、ウクライナは反発した。だが、ロシアは、自国内のチェチェン共和国の独立を阻止する 一方で、クリミアの独立を認めるとの「二重基準」を批判されたこともあり、やがてクリミアをウクライナ領と認めた。過去ブログ:2013年4月ロシアで「イスラム教徒狩り」始まる 2011年3月イスラム過激テロ ロシア全土に拡大か、、。
クリミアは、1996年のウクライナ憲法で、ウクライナ唯一の自治共和国となった。ウクライナが、クリミアの独立要求の高まりを抑えるため、「国家並み」の権限を与えたとの見方が有力だ。ウクライナ憲法は、条文に矛盾しない範囲内で、クリミアに独自の憲法制定や、政府や議会の設置を認めているが、ウクライナの一行政体(unitary)だ。ロシアが今回、強硬姿勢に出るのは、クリミア半島南部のセバストポリを黒海艦隊の母港としているためでもある。セバストポリは軍事的拠点としての 重要性などから、自治共和国に編入されず、ウクライナ政府が直接管轄してきた。今回の政変で、欧米寄りのウクライナ政府が誕生したことは、艦隊基地の駐留 継続を望むロシアには脅威となる。
いかに自国艦隊に脅威であろうが、一国の独立国家の混乱期に、一方的な電撃的行動で、ロシアの軍事的優位を誇示する圧力をかけたことに欧米は怒り、ロシアへの制裁も検討されている。このことが、旧ソ連時代のチェコ侵攻などの暗い過去を思い出させるからだ。主要7カ国(G7)は3月2日、ロシアによる ウクライナへの主権侵害を非難し、6月にソチで開催予定のG8サミットの
準備を中止することを決定している。
クリミヤのロシア言語系が6割であろうとも、歴史的に反ロシアの国民も多数存在する中、ロシアの行動がクリミヤ内部の民族問題を浮き彫りにし、民族問題にロシア自ら火をつけた結果にならないか?ここにも、力(軍事力)の誇示で、既成事実を積み上げ、自国を優位に導く大国の放漫な論理が横たわっている。参照記事
2014年3月4日:クリミア半島駐留のロシア黒海艦隊司令部は、ウクライナ軍に、投降しなければ攻撃すると最後通告。参照記事 すでにこの前後から、クリミヤのウクライナ兵、ウクライナ海軍司令官クラスの投降が相次いでいる。国連でロシア代表Vitaly Churkinは3月2日、ウクライナへの軍事介入は、亡命したヤヌコビッチ大統領の、ウクライナを市民戦争の危機から回避させる必要があるとの要請によるものだと主張している。写真は、国連で、ヤヌコビッチ大統領のサインのある書類を掲げるロシア代表。参照記事 参照記事
米ソ関係は1979年のソ連のアフガン侵攻以来緊張が高まり、1983年3月8日、当時のレーガン大統領はソ連に対し「悪の帝国(evil empire)」と表現し、中距離核ミサイルを配備。ソ連の核攻撃を無力化するスターウォーズ計画も立ち上げた。世界はいっとき、第3次世界大戦を覚悟した。
当時のソ連は1979年には現在に至る混乱の元である「アフガニスタン侵攻」を引き起こし、さらに遡れば1968年の社会主義国家チェコに於ける民主化運動「プラハの春」に伴う「ソ連軍侵攻:写真」と占領、「民主化運動の弾圧」を引き起こしている。この時も進攻の最初は、ソ連が率いるワルシャワ条約軍の合同演習が名目だった。当時のブレジネフが今プーチンに変わっただけで、ある部分状況はよく似ている。当時日本への影響は少なかったが、学生運動でもソ連の進攻が非難される中、日本社会党だけがソ連を擁護し、党の衰退を招いたとされる。
コメント
しかも、反ソ地下組織のゲリラ活動は第二次大戦後も続いたほど根深い民族対立がある。
今のウクライナがロシアと正々堂々のまっとうな大喧嘩は無理です。カネが無い。
もちろん、EUもメリケンも同じです。w
くすぶり続け、もめ続ける事だけは確か。
日本にとってちょこっと好都合なことは、東部ウクライナとクリミヤは支那につながる武器製造地帯、最新の武器や武器技術の支那への流出がロシアの占有で止まりそうなこと。w
考え有るのですね艦隊基地 維持ですか
大国 上げた手 下ろせますか
足の悪い金太早く治り増す様に