ウクライナのティモシェンコ(Yulia Tymoshenko)元首相は、2005年のユシチェンコ政権で首相になり、その後政治路線の対立で2010年に大統領選に出るがヤヌコビッチに敗北。選挙の無効を訴えるが、逆に2011年8月5日、ガス資源に関する汚職行為でウクライナ警察に逮捕される。欧米諸国から国策捜査と主張する主張も見られたが、裁判の過程で巨額の国家予算資金横領(2010年12月)を裏付けた証拠が露見したとされている。ヤヌコビッチ政権下の2011年10月1日、キエフの地区裁判所から職権乱用を認定され、禁錮7年と賠償を命ずる判決を受け、2013年1月18日には、ウクライナ最高検から、*殺人罪で起訴されている。2014年2月22日、政権の崩壊で約2年半ぶりに療養先の病院から釈放されたが、腰の治療でドイツへ行く予定が言われている。3年前に彼女とキエフで会った新潟県立大学の袴田茂樹教授(現代ロシア論)が こう言う。 「私的な利益のため、ロシアと不当に高いガス輸入の契約を結び、200億ドル (約2兆円)を超過払いしている疑惑ももたれています。 国民はそれを知っているため、10年前の民主化要求、オレンジ革命の時のような 熱狂的な支持はありません。ただ、投獄されていたという同情票があるため、 反政府リーダーが消去法で彼女を担いでいる状況です」 、、。参照記事
2月28日には、ウクライナのKharkovにある裁判所が、犯罪性がなかったとして元首相の告訴を取り下げたと報道されたが、詳細は不明。参照記事
ティモシェンコ元首相が再び表舞台に出てくるのか、復帰したとして、もともとプーチンとは良い関係だった彼女が、EU寄りの野党の中で、どんな政策を取るのかなど読めない部分が多い。東欧やロシアで政治家の汚職はあまりにも当たり前だが、殺人容疑まであったことを、ウクライナ国民はどうみているのか?さらに、ロシアとのつながりが強いウクライナ東部や南部クリミヤ半島では、EU寄りの政権移行へ反発が強まり、なかでも南部のクリミア半島では、ロシアへの編入を求める動きが強まっている。分裂の可能性さえいわれている。映像:クリミヤ半島ケルチで、野党議員へ卵を投げるロシア系住民
経済圏としてEUへ寄り添っても、安全保障の部分ではNATOに参加しない方向が想定でき、これは現在のフィンランドに近い。いずれにしても、デフォルト(債務不履行;ウクライナの債務残高は約600億米ドル(約6兆900億円)と言われたが、新政権は、2013年末現在、約14兆円と発表 に達したと発表参照記事)直前のウクライナにはそれほど選択肢は多くない。汚職の甚だしいこの国で、当然EUやIMFは多くの条件をつけるだろう。あとは、債権者であるロシアがガスを武器に横やりを入れないことや、内部分裂を煽らない事を願うしかない。まさか過去の、チェコやハンガリーのようにはならないと思うが、少数とはいえ、右翼組織が存在するのも今後の懸念材料だ。過去ブログ:2014年2月ウクライナの変化とEUへのロシア産天然ガス
*1996年に同国東部ドネツクの空港で実業家兼国会議員のシェルバニ氏が妻とともに 射殺された実業家射殺事件を首謀したとして殺人の罪で2013年1月18日ウクライナ最高検が起訴
2014年2月27日:ロシアはクリミヤ半島の治安悪化を憂慮し、黒海周辺に配備されている艦隊や施設保護のために軍事面での用意に入ったと報道された。クリミヤ半島南西部のセヴァストポリはロシアが2045年まで租借地としており、ロシアの海軍基地がある。具体的には、ウクライナだけでなく、西部バルト海、北部ロシア国境周辺での、陸海空の合同演習を実施する内容だ。ロシア国防省によると、この演習は26日から3月3日までの6日間にわたって2段階で実施される。 参照記事
27日の報道では、ウクライナのクリミヤ半島を占めるクリミア自治共和国の首都シンフェローポリ: Simferopol に近いクリミア議会が、正体不明の制服を着た人々に占拠されたという報道があり、付近はバリケードで封鎖され、ロシア国旗が掲げられている。26日には、シンフェローポリの議会近くで行われた集会で30名が負傷、2名が死亡している。EUよりの新政権とロシア系住民との衝突と大方は書いているが、この地域の民族の複雑さもあり、かつては迫害を受けたイスラム系ともい
われるクリミア・タタール人の民族主義的な動きもあり、ロシア系だがUE加盟は賛成で、ロシア支配には反発する動きもあるようだ。映像ウクライナ議会は27日、解放されたユリヤ・ティモシェンコ(Yulia Tymoshenko)元首相に近いアルセニー・ヤツェニュクArseny Yatsenyuk氏:右 を首相に任命した。これより先、解放されたティモシェンコ元首相は、首相には選任しないでほしいとの意向を示していた。5月に大統領選挙が予定されている。 参照記事 参照記事
ロイター通信によると、欧州連合(EU)は、ウクライナへの資金供与を巡り、拠出国会議を開く可能性があり、ウクライナへの支援を調整するために米国、カナダ、トルコ、中国、日本と連絡を取ったという。日本は、チェルノブイリ原発事故の時から、ウクライナに大きな好意を抱いている。チェルノブイリ原発事故の処理作業に関する支援や資金援助、技術支援、医 療支援、人道プロジェクトなどに関する大規模な支援を行ったのは、まさに日本だった。原発に関する日本とウクライナの協力は、現在も続いている。特に福島 第一原子力発電所で事故が起こった後、両国の協力は特に重要になった。
ウクライナでは日本の影響が至るところでみられる。全土に日本製品が溢れ、大学では日本語教育が行われ、町では日本車が走っている。日本食レストランはたくさんあり、特にキエフに多い。またキエフなどの複数の都市には、伊藤忠、丸紅、三菱、ソニー、住友 などの日本の大手企業のオフィスもある。
中国も、ウクライナ情勢を懸念している。2013年12月、習金平国家主席はウクライナを訪問し、当時のヤヌコヴィチ大統
領と、ウクライナへの約80億ドルの援助について合意した。そのほか、ウクライナと中国には、クリミアに深水港を建設する共同プロジェクトもある。同港の
取扱貨物量は、年間1億4000万トン。日本は、同プロジェクトに大きな関心を示した。鉄道と海上輸送は、ウクライナの穀物を日本などの外国へ輸出するた
めの主な輸送手段となるだけでなく、シベリア鉄道の「ライバル」になる可能性もある。写真は、習近平国家主席と経済協約を交わす、すでに退陣に追い込まれ、ロシアに亡命したヤヌコビッチ元ウクライナ大統領 参照記事
別なブログに書いたが、ニカラグアの運河開発に投資すると表明した中国の王靖Wang Jing氏は2013年12月、クリミアのセヴァストポリSevastopolの北60キロの黒海に面した場所への、30億ドル$3 billion(約3千億円)規模の深水港建設計画を発表している。中国の積極的な開発支援と資金援助に乗ったものだが、果たして今後うまくいくのかは不透明だ。参照記事 過去ブログ:2014年2月中央アメリカを破壊しかねない運河計画と中国
2014年2月28日:ウクライナの政変で大統領の実権を失ったヤヌコビッチ氏をロシアが保護したことが2月27日、明らかに なった。ロシア通信によると、ロシア政府当局者は「同氏はロシア政府に保護を要請。これをロシア領土に おいて実現した」と語った。事実上の亡命とみられる。
2014年2月28日:【キエフ共同】ウクライナで新たに就任したアバコフ内相は28日、ロシア系住民が人口の60%以上を占める同国南部クリミア自治共和国のセバストポリ近くの軍用空港 Belbek military air baseが「ロシア軍部隊に封鎖された」と交流サイト、フェイスブックで明らかにし、「あらゆる国際合意や規範に反し、主権国家に対する挑発だ」と批判した。内相はクリミアの首都シンフェロポリの空港にも武装した100人以上のロシア軍部隊が入り込んだと指摘。親ロシアの住民が多いクリミアでロシア軍部隊が行動に踏み切ったことで、ウクライナ情勢に新たな緊張が生じた。写真は Simferopol近くの国際飛行場に現れたロシア兵 ロシアは警備のためと説明 映像:
亡命中のヤヌコビッチ氏はロシア南部のロストフ州で28日、ウクライナ暫定政権をネオ・ファシスト(新右翼の意味か?)と非難し、今後も政権復帰に向け戦うとインタビューに答えている。彼は、現在のウクライナのテロと混乱は西側の陰謀だと、従来と同じ主張を繰り返している。 参照記事 参照記事 参照記事 参照記事
2014年3月1日:ロシアのクリミアに対する見解は、ウクライナ政権下の自治共和国であることで、クリミヤ自治共和国には自決権があり、これに誰も圧力はかけれず、クリミヤの将来は国民投票に委ねるべきというもののようだ。ロシアはまた、クリミア閣僚会議のセルゲイ・アクショーノフ議長から、自治共和国領内での平和と安寧の保障に力を貸してほしいとの要請があったとも伝えている。
この地にはロシア系住民が60%いるとされ、ロシアが軍港として利用する2045年までの租借地もあり、すでにそれらの警備に入り、装甲車やヘリの活動が目撃されている。すでに2月27日報道では、クリミア自治共和国議会は、同自治共和国の今後を決める全クリミア住民投票を実施することを決めている。参照記事
5月25日の大統領選に出馬予定のウクライナ野党「UDAR」党のヴィタリー・クリチコ党首がによれば、ユーリヤ・ティモシェンコ元首相も大統領選に出馬の意向だという。参照記事
オバマ大統領は3月1日、ロシアのクリミヤでの動きに対し、ロシアが軍事進攻を行えば、その代償が降りかかるだろうと警告を発した。参照記事
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コメント
ありがとうございます
目が離せないですね、
ロシアが軍事介入をするのか?
プーチンはどう出るのか
ワクワクします
まず空港二つと租借したセバストポリ軍港の周囲を事実上占拠。⇐今ここ。w
今後は放送局、水道・電気・ガス等のライフラインを押さえ、チェコの時の様に銀行等の金融機関、官庁街を占拠するだろう・・・・。
その頃になると、戦車がデカイ顔で要所要所を警戒する。
その後は周辺国や関係国がどんなに騒いでも馬耳東風、既成事実をどんどん積み上げて居座り続ける。亡命したウクライナの大統領も使い道沢山あり。w
本質的に露助も支那もやるこたぁ同じ、骨の髄まで民主主義が根付かない専制主義なお国柄だわ。w
プーチン大帝のお手並み拝見・・・・上手くいくかな。w
小泉 悠 2014/3/1
前略
静かで素早い軍事介入
現在までに判明しているところによれば、ロシア軍は自国の軍事基地の警備を強化すると共に、前述の2つの空港、電話局、テレビ・ラジオ局、ウクライナ本土に通じる幹線道路などを抑えており、物理的な交通も通信も遮断されている模様だ(クリミアでは昨日から通信障害が発生し、電話やネットがつながりにくい状況が続いている)。
さらに28日にはベルベク空港上空でMi-24武装襲撃ヘリコプターが目撃されているほか、バラクラバ湾の出口にはロシア海軍のミサイル艇が出現し、同湾を封鎖している。
以下略
小浜改めオバカが口先介入で御託を並べている間に、プーチン大帝はやる事皆素早くやり終えてる。w
もうわが日本国もオバカに頼ることはあきらめた方が賢明。期待するとドツボに嵌るだけと見た。w
毎日新聞2014/3/1
前略
同共和国のアクショノフ首相は、領内のウクライナ軍や治安部隊を指揮下に置くと宣言、ロシアに治安維持の支援を要請し、ロシア大統領府も考慮すると表明。クリミアのロシア黒海艦隊報道官は、艦隊施設の共同防衛で同共和国と合意したと述べた。首相は、5月予定だった自治権拡大の住民投票の3月30日への前倒しも表明した。
以下略
毎度おなじみの手を使ってプーチン大帝絶好調。あとはもうウクライナが泣こうが喚こうが居座るだけか。w
次は、ウクライナの東半分をどの手を使ってロシア帝国ウクライナ自治共和国にするかスキー。w
で、この騒ぎで誰が一番得をするのか?漁夫の利があるのだろうか?


小泉 悠、2014/2/27
前略
ロシア国防省によると、この演習は26日から3月3日までの6日間にわたって2段階で実施される。
第1段階は西部軍管区の陸軍第6軍および第20軍に加えて、中央軍管区の第2軍、それに最高司令部直轄の戦略機動部隊である空挺軍が参加する。第2段階では海軍のバルト艦隊及び北方艦隊が参加し、空軍第1コマンドが前線飛行場への展開を行い、参加兵力は合計15万人、航空機90機、ヘリコプター120機、戦車870両、艦船80隻にも上るという。
以下略
抜き打ち即応体制の軍事演習とか言っちゃって・・・・・。プーチン大帝お得意の即応恫喝外交。w
クリミヤ半島のセヴァストポリ軍港はロシアが2045年まで租借。旧ソ連時代によくやらかした占領予定地区住民の要請による軍事介入方式をクリミヤで復活させるつもりか・・・・。
まぁ、ロシアの軍事介入反対を主張する、メリケンのウクライナ(とりあえず350億ドル必要とか)に対する経済援助が十億ドルの債務保証って、ケリー国務長官が発表したとか・・・・。もしもし、桁が一桁違うのでは・・・・。w