遺伝子組換えした大腸菌から得られるシナモン類を光化学的手法で加工して、世界最高耐熱性のバイオプラスチックを作るのに、北陸先端科学技術大学院大学マテリアルサイエンス研究科の金子達雄准教授と筑波大学の高谷直樹教授らが成功した。自動車部品や電装部品などの金属やガラスの代替物質として利用を目指している。植物や動物などの生物から作られるバイオプラスチックは、二酸化炭素削減に役立つ次世代の材料として期待されているが、強度や耐熱性などに問題があり、用途は限られている。この限界を超えるため、金子准教授らは、香辛料の成分で、堅い構造を持つシナモン系分子に注目した。まず大腸菌の遺伝子組み換えで、シナモン系分子のアミノ桂皮酸を大量に生産できるようにした。さらに効率的な光反応などで高分子にして、ポリイミドのバイオプラスチックを世界で初めて作製した。
このバイオプラスチックは透明で、これまで最高耐熱と報告されている芳香族バイオポリエステルの摂氏305度を超える390~425度の耐熱性を備えてい た。剛性や難燃性なども確認した。熱によるサイズの変化率も金属並みに低く、金属代替材料(高強度プラスチック:力学強度145MPa、弾性率10GPa、耐熱温度390~425度のバイオポリエステル樹脂)になり、自動車のエンジンの周囲の部材に使えば、自動車の軽 量化の道も開ける。
原料のアミノ桂皮酸は、石油化学的に生産すれば高価だが、今回の遺伝子工学による製造コストは1キロ当たり2千~4千円と食品添加物並みになると予想さ れ、実用化の可能性は十分あるという。論文は2014年2月18日、アメリカ化学会誌「Macromolecules」オンライン版で発表された。
金子准教授は「どんな構造にすれば、有効なバイオプラスチックができるか、分子設計に5年間苦労した。この構造なら、バイオプラスチックの用途は飛躍的に拡大できる。透明性は思いもよらなかった。ガラスの代替材料としても活用できる」と話している。参照記事 参照記事 動画:金子研究室の紹介(4:56)


昔では考えられないことができるんですね。