日本のバイオベンチャー企業スパイバー Spiber(山形県鶴岡市)は、鋼鉄よりも強くナイロンよりも伸縮性のある繊維「QMONOS」(クモの巣)を量産する技術を世界で初めて確立したと2013年5月25日公開した。写真は、合成クモ糸繊維製のドレスを披露する関山和秀社長=東京都港区の六本木ヒルズ 紹介映像 YOUTUBE映像
世界の繊維産業界は、クモ糸繊維の製造にチャレンジしてきたが、常に経済的に引き合わなかった。しかしスパイバーはコストを抑え、短時間で「万能繊維」を量生産する技術開発に成功、高価で有害な化学物質を使用せずに、バクテリアにタンパク質を作る遺伝子を組み込み「クモの糸」を人工的に合成する手法を確立した。このような「奇跡の繊維」で作られた製品は、鋼鉄の4倍ほどの強度やナイロンよりも伸縮性などで優れているという。さらに耐熱性は300度超を誇り、炭素繊維にはない伸縮性、合成ゴムにはない硬さを兼ね備えているとされる。
スパイバー Spiberのサイト によれば、2013年中に小島プレス工業と共同で月産100kg以上のQMONOS
Fiberを生産可能な試作研究プラントを立ち上げ基礎検討を進め、2015年に月産10㌧まで生産できるパイロットプラントを竣工、稼働させる計画だそうです。右は試作されたドレス。参照記事 参照記事 *質量当たりの強度比較なら、クモの糸だけでなく、ナイロンなども鋼鉄より遥かに強い
また、クモノスは、タンパク質を粉にして溶かす段階で色素を混ぜて染めることができるのも大きな特徴です。できあがった糸や繊維を、後で染め直す必要はありません。炭素繊維などと混ぜて、さらに軽くて丈夫な飛行機の機体や自動車部品にしたり、軽くて柔らかく長持ちする素材として人工血管や手術用の糸などに加工することも考えられています。右下は、色素を混入されたクモの糸


日本を地獄から引っ張りあげてくれそう。