クハレさんと共に入賞し、同額の賞金を授与された米ルイジアナ州のヘンリー・リン君は、銀河団の研究を通じ、暗黒物質や暗黒エネルギーといった宇宙物理学のなぞの解明に寄与したと評価された。最優秀賞の「ゴードン・ムーア賞」は、ルーマニアの19歳の男性が受賞した。人工知能を使った低コストの自走車の実用モデル開発が評価され、賞金7万5000ドル(約760万円)を授与されている。
世界1600の高校が参加して日本が0はさみしいが、一つには教育環境の違いもあるだろう。たまにTVのクイズ番組に、記憶力抜群の高校生が出る。確かに難解な方程式を解き、細かな歴史の詳細まで記憶しているが、それを利用できるとしたら、いい大学に入って、研究室にでも入るか、高級な国家試験にでも受かることだろうか?
それが決して無駄な事ではなく、相当な努力のいるのもわかるが、その卓越した知力で何かを創造するとしたら、更に10年、20年はかかるだろう。方や、海外の一部とはいえ、10代でそんな研究に没頭できるのがうらやましい。日本では、柔軟な思考力のある時期を受験にだけ消費させられている。これが残念でならない。もっと若い人の進路や将来の選択肢は無数にあっていいだろう。猫も杓子も、まず、いい学校へ入ってと画一すぎる。何かに卓越した才能を、放課後にクラブ活動でもする様な気持で磨きをかけれる、そんな受け口があってもいいだろう。すでに記憶力や計算は、パソコンが補ってくれる時代に入っている。大事なのは、スキル(能力)や個性を駆使して、何かを創造することだろう。現実の教育の在り方が、時代の速さに取り残されたような気がする。
稀な閃きをもった天才や、不屈の努力で真実や記録を追求する人は存在する。そのひらめきや、たゆまぬ努力に手を貸す社会は、新しい創造や真実、人間のあたらな可能性という人類の財産を手に入れることになる。いまさら、アップルやマイクロソフト、ツイッター、三浦雄一郎氏の例を出すまでもないだろう。