1bd31b0c7bf2bd2c86c88aab9062341-s42013年3月28日:中国やロシア、インドなどの新興5カ国が、先進国の経済同盟G7の向こうを張って作ったBRICS(ブリックス:当初の4カ国に2011年から南アを含め5カ国になった Brazil, Russia, India, China and South Africa )の首脳会議が2013年3月26日、南アフリカ東部ダーバンDurbanで開幕した。27日までの日程で、発展途上国支援を目的 とする「BRICS開発銀行BRICS-led  development bank」の設立が焦点。中国の習近平国家主席は就任後、初の国際会議への出席となった。5カ国は、金融危機など緊急時に利用できる外貨準備の共同積み立ての実施に向け、検討を進めることでも合意し、当初段階で1千億ドル(約9兆4千億円)の積み立てが可能としている。参照記事 参照記事

5カ国は新銀行の設立などで、アフリカやアジア、南米向け国際通貨基金(IMF)や世界銀行を中心とする米欧主導の経済秩序に直接対抗するのが目的といわれるが、その先行きを疑問視しする声も多い。とくに問題なのは中国とロシアだろう。

中国は2011年までの5年間でアフリカへの直接投資額を約6倍に増やし31億7314万ドル(約2993億円)で、欧米の援助に比べ「中国は必要な投資を持ってきてくれる」(ルワンダのカガメ大統領)と評価する声がこれまで多かった。だが、援助や投融資の見返りに資源などを獲得する中国の手法に対し、最近は批判や警戒感も出始めた。ナイジェリ ア中央銀行のサヌシ総裁は今月、英紙に「アフリカ人は中国との『恋愛』の現実に目覚めるべき時だ。中国は1次産品を持って行き、工業製品を我々に売る。こ れは植民地主義の本質だ」「莫大な石油資源を輸出して、本来国内で生産すべき消費財を中国から輸入している」と、アジアの新しい型の帝国主義だと辛辣(しんらつ)に評し、アフリカのほぼ全土で資源外交を繰り広げ、インフラ建設にまい進する中国に対し、同氏は「自国から持ち込んだ機材と労働力で賄い、技術の移転をせず、現地 の雇用にも結びつかない」、「アフリカが工業化せずに、低開発にあえいでいるのはそのせいだ」と中国企業の進出で現地が恩恵を受けていないと批判した。過去ブログ:2008年11月ナイジェリアが買った中国製衛星が1年で電池切れお気の毒さま、選んだ相手がまずかった、。322億円のゴミ?

この意味は大きく、わずかな金を出し、自国企業と自国資材、労働力までも大量に送り込む中国。つまりは、中国の公共工事を海外で行っているのと等しく、経済が不安定な国に軽工業製品を大量に送り込むから、競争力の無いその国の軽工業が破たんし、失業者が増大する結果になっている。習近平・国家主席は、アフリカへの経済援助を約束しながら、「覇者にはならない」と平等な関係を築いていくことを繰り返して強調し、25日、訪問 先のタンザニアのダルエスサラームで重要演説を行った際には、今後2年間で計200億ドル(1兆9千億円)の融資を提供すると公言している。

これには日本も利用され、「日本政府からODAを吸い上げながら、アフリカ諸国に注ぎ込み、『中国のアフリカ』を築き、味方を増やし国連での発言力を強めている」と他人のフンドシで相撲を取っているとの見方も少なくない。参照記事

BRICS送り込まれるのは物だけでなく、汚職や贈収賄など中国、ロシアでは当たり前のシステムまで送り込まれる。実際BRICSを腐敗指数(順位の低いほど腐敗した国)でみれば、ブラジル=69位、3.7点 中国=78位、3.5点 インド=87位、3.3点 ロシア=154位、2.1点で、G7諸国の カナダ=6位、8.9点 ドイツ=15位7.9点 日本=17位、7.8点 米国=22位、7.1点 イギリス=20位、7.6点 フランス=25位、6.8点 イタリア=67位、3.9点 とは歴然とした差がある。

さらには、中国、ロシアからは犯罪組織が出張してくるオマケまである。中国の対アフリカ「新植民地主義」外交がターゲットにするのは、低開発で独裁政権、軍事政権で、スーダンなど武力弾圧や虐殺を起こし、国連が支援を禁止している国が多い。ここへ、治安を理由に
武器を送り込むから中国は「世界の武器商人=死の商人」の名をほしいままに獲得している。軍事政権は一部を横流しし、それらが国際テロ組織にまで流れているといわれている。

img_dfd7d35c6100b7ea919426e3b562cd79226268中国外務省の廬沙野(ろさや)アフリカ局長が、中国の対アフリカ外交が欧米諸国などで「新植民地主義」と批判されていることについて「中国とアフリカの協力が大きな成果をもたらしたため、国際的に関心を呼び、欧米諸国のメディアが嫉妬している」と発言したと26日報じられているが、参照記事 嫉妬など感情的なものではなく、すべては現実に中国が進行形で行っていることで、結局BRICSをとん挫、破たんさせるのは、モラルが低く、自ら弾圧を行い、人権に配慮しない中国自身だろうと予想する。すでに株価から見てもBRICSは低迷期を迎え、ブラジルはインフレと内需の低迷に直面。インドも政局不安、ルピー安等から2012年10~12月のGDPが約4年ぶりの低水準となり、ロシアのガス輸出もシェール革命の台頭で転換を迫られている。参照記事

さらに、多くのG7先進国は資源調達国だが、現在、金融危機や景気低迷で経済は減速し、このことは資源供給国BRICSの経済にも大きくブレーキを掛ける結果になるだろう。先進国の経済低迷に反し、BRICSは平均6%の経済成長といわれるが、これも先進国の需要が後押ししているものでしかない。数年前には予想しなかった米国のエネルギー大国への変身は、資源国ロシアの今後にも大きな影響を出すだろう。ナイジェリアが指摘するように、ブリックスの植民地主義に多くの諸国が気付いた時には、そこの国には破たんした経済しか残っていない有様になるのではないだろうか?その後始末をG7諸国がさせられるのは、リビア、シリアを見ればよくわかる。


nappi11 at 06:28│Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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