過去ブログ:特使の無能に、多くの命が消えていく シリア からの引き継ぎ記事

628x4712013年1月31日:日時の特定はされていないが、シリア政府側の報道機関SANAによれば、ダマスカス県のレバノンの国境に近いJamraya地区にある、テロ対策や防衛に関するシリア軍の軍事研究施設military research centre in Jamraya, near Damascus.が、レーダーをかいくぐったイスラエルのジェット機の爆撃を受け、2名が死亡、5名が負傷と伝えている。ジェットは、イスラエルのMount Hermonの北から飛来し、同じ方向へ戻ったと言われ、別報道では、攻撃は2013年1月30日未明とある。参照記事 参照記事 この施設に対しては、最近まで反政府側が攻撃を仕掛けていて、反体制派は施設を攻撃したのは自分たちの兵士だとして、シリア国営報道に異を唱えている。参照記事

また1月30日、シリアのレバノン国境近くで、レバノンのヒズボラHezbollahに兵器を運搬中のシリア政府側トラックの一群が、イスラエル機の攻撃を受けたとの報告もある。シリア側が、化学兵器をレバノンに移動しようとしていたとの憶測もあるが、事実なら化学兵器の移動を禁じた国際法違反の疑いもある。イスラエルの警戒するのは、シリアが豊富に所有するミサイルで、これによるイスラエルへの攻撃が最重要懸念だろう。
レバノンに拠点を置hussain20121112001821570く政治組織ヒズボラは現在、シリアに戦闘員を送り込んでいることは否定しているが、不明確なシリア~レバノン国境沿いで「聖戦」の名の元、イスラムシーア派でアサド支持の立場からイスラムスンニ派反政府側と戦う指示を出し、すでに多数が戦死していると言われている。反イスラエルのパレスチナ人政治結社ヒズボラは、多くのシリア内のパレスチナ人難民を背景にシリアで活動しているが、最近はパレスチナ人キャンプの中にも反シリア抵抗集団が誕生している。参照記事 写真はイメージ イスラエルのF-16戦闘機 過去ブログ2012年12月18日シリア軍、パレスチナ人難民キャンプを初めて空爆
1月30日、国連はクウェートでシリア支援国会合を開催し、各国から人道支援のため、15億ドル(約1366億円)以上の資金援助が表明された。同会合にはシリア周辺国や欧米諸国、日本など60カ国が参加。潘基文(バン・キムン)国連事務総長によると、目標としていた15億ドルを超える援助が表明され、中でもクウェート、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)はそれぞれ3億ドルを申し出た。参照記事

2013年1月31日:
ロシアもイスラエルのシリア国内への攻撃が事実なら、憂慮すべき事態とのコメントを出しているので、事実、攻撃はあったのだろう。このイスラエルの空爆についての世界全体のニュースの扱いは、さほど大きくはない。多分、局地的な空爆なら今までもあった為だろう。もし、シリアの軍事研究所への攻撃があったとするなら、シリアのWMD(大量破壊兵器:英: Weapons of mass destruction 化学兵器、大型ミサイルなど)に絡む、ヒズボラの何らかの動きをイスラエルが感知したのではないかという記事もある。参照記事 参照記事
ニューヨークタイムス紙を引用し、イスラエルは前もって米国へ攻撃を予告していたとの記事もあるが、衛星からの情報を渡しているのが米国だから、それは当然のことだろう。国連の事務総長は遺憾の意を表明、ゴラン高原の国連軍は、悪天候のため、イスラエルのシリアへの攻撃は確認していないとしている。参照記事 参照記事
31日、シリアと同盟国イランは、イスラエルに対し報復措置をとると警告を発している。

2013年2月4日:米政府当局者は4日までに、シリアがイスラエル軍による 空爆を受けたとするダマスカス北西の軍研究所は「科学研究調査センター」(SSRC;Scientific Studies SSRC facility in Syria - Threat Matrixand Research Center )だと明らかにした。同センターは化学・生物兵器のほか、北朝鮮との協力で弾道ミサイルの開発を 行ってきている。米紙ワシントン・ポストなどが報じた。米政府当局者は、イスラエル軍の直接の攻撃目標は地対空ミサイルを積んだ 車列で、近くにあった同センターは間接的な被害を受けたとの認識を示したが、イスラエル軍が両方を同時に攻撃したとの見方も出ている。参照記事
写真は、2013年2月6日イスラエルが公表したSSRC施設の衛星写真。左が工事中で、右が工事完了後かと思う。参照記事


nappi11 at 16:27│Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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