ロイターなど外信の2012年10月24日報道で、米国際貿易委員会(ITC)のトーマス・フェンダー判事は「サムスンがアップルの特許のうち4件を特許侵害し、2件は侵害していないと判断する」と明らかにした。残りの1件は審査過程で棄却された。判事は、サムスンがスマートフォンの核心技術といえるタッチスクリーンとアップルのスクリーンイメージなどを借用したと判断した。
この日の判定は予備判定で、ITCは来年2月25日までサムスン電子がアップルの特許を侵害したかに対し最終判断を下す予定だ。韓国メディアによると、サムスン電子は、「今回の予備判決に対し即刻再審査を要請する計画だ。
これに先立ち、2012年09月07日の韓国紙によれば、2012年9月6日の業界情報では、アップルはiPhone5:写真 の発表に合わせて主なグローバル通信会社に 供給する初期物量を生産しながらサムスンに部品供給を注文しなかった。代わりにアップルはNANDフラッシュ モバイル、DRAMなどメモリーチップをSKハイニックスや日本エルピーダ、東芝などに注文した。LCDはLGディスプレイ、ジャパンディスプレイから供 給を受けた。バッテリーは中国のATL、日本の三洋電機から調達した。業界関係者は「サムスン電子はメモリー供給先に選ばれたが、数百万台から 最大1000万台と推定されるiPhone5初期物量用としては注文されず、サムスンSDIも協力会社として選ばれたがバッテリー注文を受注することがで きなかった」と報じられている。
アップルは昨年から着実にサムスン電子の部品使用を減らし、iPhone5製造を契機に部品供給先を大幅交替したとみられるが、 業界はアップルがサムスンとの取引を完全に断絶することは難しいとみている。アップルは
今年初め新型iPadのパネルをシャープとLGディスプレイから調達しようとしたが品質低下に苦しめられた。英国IT専門ファンドであるポリーキャピタル
のベンマネージャーは「部品の品質は製品性能と直結するのでアップルがサムスンと取り引きをやめることは容易ではないだろう」と見通した。
サムスンは今まで、iPhoneに40%(価格基準)ほどの部品を供給してきた。アップルが昨年サムスン電子から購入した半導体など部品の規模は10兆ウォン(約7250億円)で、これはサムスン電子の売り上げの約6%に相当する。
現在ディスプレイパネルに関してサムスンはアップルへの最大供給元で、2012年上期の6カ月間のアップルへの供給枚数は1500万枚。同じ期間には韓国LGディスプレイが1250万枚、シャープが280万枚をアップルに供給している。しかし、7~9月にアップル向けにサムスンが出荷したパネルは300万枚で、この10~12月期には150万台に減る見込みだといわれ、最終的には、来年には供給を止めるだろうとさえいわれている。
これはアップルのサムスン離れというより、アップルの値下げ要求でサムスンの収益が悪化しており、供給先をサムスン電子の携帯電話部門と米アマゾン・ドットコムにシフトし、両社のタブレット端末に部品を供給していくことで業績回復を図る計画だと言われている。
タブレット向けディスプレイパネルで韓国勢が80%を占める中で、大きく勢力が変わろうとしている。このチャンスに日本勢はどこまで食い込めるのか、日本勢の活躍を期待したい。 参照記事 過去ブログ:シャープの省エネ新型液晶