2012年09月30日  科学化学テクノロジー 
無題奈良県高取町の奈良県森林技術センターは、竹の粉を80%混ぜ込んだバイオマスプラスチックを、独立行政法人産業技術総合研究所、国立大学法人京都工芸繊維大学、シヤチハタ(株)と共同研究を実施して、実用化のための技術を確立した。試作された印肉ケースが売り出されて好評のほか、新たな引き合いもあるといい、担当者は「利用が拡大して、 プラスチックの原料・石油の節約に結びつけば」と話す。 写真は、試験販売を開始した竹バイオマスプラスチックの印肉ケース(写真提供:シヤチハタ(株))

無題低温炭化により竹粉は疎水化されて、80%の竹粉率であっても、①熱可塑性プラスチックとの相溶性が改善され、結果として成形時の流動性が良く、②成形品の強度性能が改善、③成形品の吸水性やそれに伴う寸法変化が著しく抑制、④耐久性が向上することなどを確かめ、産業技術総合研究所と共同で特許出願を行った。PDF参照記事(試験データ含む)

竹林は過疎化や住民の高齢化が進む山間部で手入れが行き届かなくなっており、センターは、県内で面積が この20年で約2~3倍に増えていると推計。このため、プラスチック原料として活用できないか検討していた。竹は硬くて粉砕しにくいうえ、栄養分が多いため腐りやすく、シロアリの被害に遭いやすいという難点があった。 しかし、センターが2007年から京都工芸繊維大(京都市)などと共同研究を続けて竹を約230度の高温で 蒸し焼きにする技術を開発し、課題を解消した。

無題この技術で製造した竹の粉は、従来の木の粉より丸くなるのが特徴。プラスチックに混ぜる際も、約50%が 限界だった木の粉より多い80%まで可能になった。細工もしやすくなり、複雑な立体を作ることも可能になったという。このプラスチックで、共同研究に加わる印鑑大手「シヤチハタ」(名古屋市)が高級印肉3種 (5250円~1万500円)のケースを製作し、1月からインターネット上のアンテナショップで販売。約40個が売れたという。自動車の車体メーカーからも内装への活用を打診されており、センターの伊藤貴文木材利用課長は「今後、家電製品などへも広がれば、さらに省資源につながる」と話している。参照記事に加筆、編集 写真下は、各種成型品
過去ブログ:カニの甲羅から高強度・低熱膨張プラスチック  とんでもない新素材 新プラスチック iPP
問題はコストだが、それについての説明はない。

nappi11 at 00:45│Comments(1)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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コメント

1. Posted by よりばば   2012年10月01日 14:08
竹は生長が早く、伐採しても又生えてくるので
プラスチックの原料として無限ですね。
 

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