
2014年の、米軍国際軍の完全撤退をにらんだ外交の一端だが、注目すべきは、上海閥でありながら北京閥胡錦涛と共産党改革を噂される習近平と対立しているといわれる彼(上海閥江沢民派)が活発に外遊を行っている事だ。
彼には、共産党内での江沢民派のポストを守るために、秋の十八大といわれる中国共産党大会開催を阻止する意向があるという噂さえ流れている。

彼は2007年秋から警察、検察、裁判所を統括する政法委書記に就任した。党内序列は9位ながら、司法部門を動かせることで大きな影響力を誇る。政治的スタンスは胡主席と距離を置き、保守派に近い江沢民派のボスと言われる。汚職で失脚した薄氏が重慶ではじめた暴力団一掃キャンペーンも全面的に支持し、気功団体の法輪功と民主化活動家らを厳しく弾圧した経緯がある。2012年9月15日からはじまった反日デモでは、デモ隊に毛沢東思想と薄氏支持のプラカード、スローガンが掲げられ、現 場で陣頭指揮するのは私服姿の警察幹部など周永康氏が率いる中央政法委(警察・公安、司法等を主管)が裏で糸を引いているとの証拠が多く集められている。
重慶市トップを解任された薄煕来氏と親密な関係にあり、今後の彼の出方を警戒視する見方がある。上海派江沢民派閥の重鎮である彼が2012年9月21日から5日間、シンガポール、アフガニスタン、トルクメニスタンの3カ国を訪問した(させられた)事について、この海外歴訪で、政治局常務委員である彼は党大会の日程を決定する会議に欠席する結果となったが、これは胡主席や温首相、習近平副主席らが「意見の統一」を図るために、意図的に彼を北京から離れさせたからではないかとの見方や、反日デモへの影響排除の策謀といわれている。周氏は現在、党の最高指導部・政治局常務委員9人のメンバーの1人で、今秋の党大会で引退する予定とも言われているが、いずれにしろ、北京閥からは相当警戒されている人物には間違いなく、習近平としても、もっとも気になる人物だろう。参照記事