Ci1205122357512012年5月13日:ゲームソフト「ケインアンドリンチ2 ドッグ・デイズ」が中国を侮辱しているとして、北京の劉[王林](リウ・リン)弁護士が発売元を提訴した。その背景にあるのは、侮辱を恐れてねじ曲がってしまった中国人のプライドだ。網易新聞が伝えた。

「侮辱」が拡大解釈されたのは、それが「日本製」だと誤解されたからだが、実際に制作したのはデンマークの企業で、発売元の日本のスクウェア・エニックスは内容 についての決定権は持っていなかった。しかも、ゲームは中国国内では販売されていない。販売される国でそれぞれ厳しい審査を経ているのだから、内容につい て責められる必要もない。、、。それがどんな内容かと言うと、ゲームはケインとリンチという2人の主人公が上海を舞台に暴れ回るという内容。武器を片手にさまざまな「暴力的任務」をこなしていく。任務の過程で上海警 察との激しい銃撃戦が繰り広げられる。また貧民窟が汚らしく描かれているほか、壁に書かれているスローガンが本来は「百年の大計、品質が第一」であるはず なのに、「百年の大計、進捗第一、品質第二、安全第三」と変えられているという。

弁護士は「中国人の人格をおとしめた」容疑で精神的賠償1万元(約12万8000円)を求めて提訴した。なお開発メーカーのIOインタラクティブはこの件 について謝罪声明を発表。「我々は中国文化と中国人民を尊重しており、誰をもおとしめるつもりはなかった」と釈明している。


今日の中国の国民感情は「屈辱の近代史」を背景としている。貧しく、挫折に満ちた近代は列強の侵略と陰謀がもたらしたものだと信じ、「中国は被害者だ」と する思いが染み付いていった。経済成長によって中華民族としてのアイデンティティーは強化された。だが、屈辱と自負の間でナショナリズムが燃え上がり、こ とあるごとに西側の「動機」を疑いの目で推し量り、「陰謀」に結びつけようとする。参照記事

日本製でもない、中国で売ってもいないゲームに、中国の弁護士が「日本大手企業のゲームが「中国人を侮辱」、人格をおとしめた」と噛みついたが、結局、デンマークの会社が謝罪したということのようだ。

445px-China_imperialism_cartoon欧米が中国だけでなく、アジア人一般を下に見るのは歴史的背景にある。アジアの多くは長く欧米列強の植民地支配に甘んじた歴史がある。漫画絵は1898年(明治31年伊藤博文内閣のころ)のフランスの物で、左から、英国女王、ドイツ(プロシア)、ロシア皇帝、フランス、そして当時の日本の明治天皇を意味するサムライが、これからどうやって清(中国)というパイを分けようかという漫画で、肝心の中国は列強の前では手も出せず、お手上げ状態なのが描かれている。
時代は植民地主義がまかり通っている時代で、当時近代化に乗り遅れた清、中国は以後、長く屈辱の歴史を経験する。日本はこうならないようにと、必死に近代化を行い、漫画では欧米と肩を並べているが、日本の近代化がもう少し遅れていれば日本もどこかの国の植民地になっていただろう。その後日本は韓国、中国へ進出するが、日本は当時、そうしなければアジア全てが植民地主義に覆われ、やがて日本も巻き込まれるという危機感をもったからという正当性を主張している。時代は全く今と違い、それが当時は政治的正論だった。
その頃からだろう、中国人の中に強烈な「被害者意識」が根付いたと記事は説明している。
しかしそれを時代の変わった今主張してどうなるのか?日本も敗戦と言う、大きな痛みを経験している。歴史は、昔の敵と肩を組まなければならない事も要求する。歴史の節目、節目で頭を切り替えていく必要もある。皮肉なことに、そのような「屈辱の歴史」を持っている今の中国が、近隣諸国への「屈辱」の脅威を最も感じさせている。自分の痛みは訴えても、人の痛みが分からない、ゆがんだ大国と言えるだろう。中国はとっくに、他国のナショナリズムに対し加害者になりつつある。



nappi11 at 02:08│Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加

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