77647005-air-strikesもともとパキスタンは反米軍事国家で、今はイスラム過激組織タリバン掃討に作戦協力し、その見返りに米国からインフラ整備の名目で資金支援を受けている。
状況が不明だったが、事件は2011年11月26日の未明2時頃深夜、パキスタン北西部のアフガンから2.5キロの国境付近の モフマンド県バイザイ地区Baizai area of Mohmandの監視所付近で起きた。後日パキスタン軍は付近にはタリバンはいなかったと言っているが、深夜アフガン側から越境したNato/Isaf
国際支援軍ヘリがタリバン攻撃で誤爆Nato-copter-afp-543し、パキスタン兵士28人が死亡、11人が負傷するという惨事が起きた。誤爆は多いが、これほどの被害は記憶に無い。(左はイメージ写真、実際の攻撃は深夜2時頃)

オサマビン・ラディン殺害のときも米軍特殊部隊が越境襲撃し、パキスタン国内の保守層が主権侵害だと声を上げた。今回これを確認したパキスタン政府は、
安全上の理由で即時に国内を通過するアフガンNATO軍への生活物資補給車両の通行を禁止し、40数台の運搬車両がパキスタン国内で待機している。通常は、アフガン駐留NATO軍への49%の物資がパキスタン経由で輸送されている。この前日には、米、パキスタンの軍首脳が国境article-2066488-0EF36B5600000578-180_634x400警備の強化について協議したばかりだった。2010年9月30日に誤爆でパキスタン兵士2名が死亡したときは、パキスタンは物資輸送を10日間禁止した。恐らく今回も、相当の損害、賠償金を国際軍が払って決着するだろうが、成り行きが気になる事件だ。参照記事

右は、2011年11月26日、パキスタン・ラホール Lahore, Pakistan
での抗議デモの様子。パキスタンのムフタル国防相は、米国に対してパキスタン南西部バルチスタン(Baluchistan)州のシャムシ空軍基地から15日以内に退去、閉鎖するよう要請したと述べた。この基地は、米中央情報局(CIA)による無人機攻撃の秘密基地のようだ。米国はパキスタン内の職員の一部を本国に呼び戻し、米国人への危害を憂慮しながらも関係修復に動いている。

2011年11月29日:パキスタン側の怒りは収まらず、永久的に物資補給路を通行禁止にするとも言っている。当時の様子は、ヘリの攻撃は2時間以上に及び、パキスタン側からの攻撃中止の要請も無視されたと言われている。足止めされている車両は2500台と報道された。

article-2067490-0EF95A8000000578-443_634x4262011年11月30日:米軍側の説明では、国境が不明確なアフガン、パキスタン国境付近で、米軍、Nato 軍のパトロールがタリバンの攻撃を受け、出動した攻撃ヘリが間違って監視所付近で野営していたパキスタン部隊を爆撃したもので、タリバンの策略だった可能性があると非公式に関係者がコメントしている。米とパキスタンの関係悪化で、中国がすでにパキスタンとの関係強化に乗り出しているという情報もある。
2011年12月2日:パキスタン側の米国に対する怒りは収まらない。2日のパキスタン軍の声明では、攻撃は明らかな国境侵犯であり、パキスタン側は自国空軍でNato側に反撃すべきだったと強い調子で述べている。参照記事


nappi11 at 11:57│Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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