命の値段
中国当局が公表した資料によると、中国で年間6千人以上(去年は公表されている数字で
6027人、実際はもっと多いだろう)の炭鉱労働者は炭鉱事故で死亡したという。米国VOAは、「その数字は、世界のほかの国家での炭鉱事故死亡者数の合
計の4倍に達する。採掘量百トン当たりの死亡率について、中国は日本の252倍、米国の100倍、インドの13倍。多くの中国専門家は、中国で炭鉱事故が
多発する原因は、天災ではなく、人災であると指摘している。中国の炭鉱業は、世界で最も危険な職業である」と報じた..
2007年8月17日からの異常な暴雨で山東 省の炭鉱に決壊した堤防から川の水が炭鉱に流入して181人が絶望的だ。(172人との報道もあるがすぐ近くの炭鉱でも9人が絶望視されているので181 人と記録する) 国営炭鉱での作業中の事故であるが、中国政府の発表は、、「自然災害で死亡した人について、現在、わが国は補償あるいはその他の資金援助を行わない」と説明すると同時に、「今回の事故は作業中に発生したため、死亡者はその他の自然災害の死亡者と異なる点もある。中国政府と企業は、遺族に扶助金を支給すると思う」と話した。中国メディアの報道によると、中国当局は181人の作業員の家族に一世帯あたり2000元(約3万3千円、ま ともに出ても国営で300万ほど、民間なら70万ほどとの推定がある)の扶助金を支給したという。働き手を失った1世帯への補償がお悔やみ料程度しか出な いという。いくら物価の安い中国でもあまりにもひどく、ましてこの状態をあくまでも天災だと強弁する人命軽視のこの国。当然遺族はいきり立ち、今日現在も 暴動が起きている状態だ。遺族の生活の困窮など全く意に介さず、天災だから責任はないと建前論を押し付ける典型的な官僚国家中国。年間4万件以上の紛争が 発生するこの国では、国民の生命などいちいち気にしていられないのだろうが、その人命軽視がアフリカのスーダン、ダルフールでの中国の虐殺容認や武器輸出 などに表れたのではないだろうか?他国のことであれ、やはり非難すべきことだと思う。今 回も抗議する民衆に武装警官で鎮圧している。
最近2007年の公表された事故だけ見ても以下のようになる。隠れた事故はこの数倍あるだろう。民間の炭鉱の場合、多く の官僚が株主として出資し利益を分配している(党規則では禁止だが無視されている)為遺族への補償はほとんどされない。世界中、役人というのは自分のこと しか考えないようだ。日本の天下り、経費乱用、無駄使いもしかりである。
◎8月19日に吉林省の舒蘭鉱業局の炭鉱の濾水事故で、16人が閉じ込められている。
◎月17日に山西省の石峪炭鉱で爆薬(違法な爆薬)の爆発で7人死亡。
◎8月7日に広東省興寧市の大興炭鉱で出水事故で123名が死亡。
◎8月2日に河南省禹州市の興発炭鉱でガス突出事故、19人死亡。
◎7月19日に西省銅川市の金鎖五鉱山のガス爆発事故、26名が死亡。
◎7月14日に広東省興寧市の福勝炭鉱で出水事故、16名が死亡。
◎7月11日に新疆で新疆最大のガス爆発事故が起きて83名が死亡。 きりがないので間を飛ばして、2月に遡ると、新中国建国以来最大の事故が起きている。
◎2月14日に遼寧省の孔家湾炭鉱でガス爆発が起きて214名が死亡。