メキシコ東部ベラクルス( Veracruz )州のボカデルリオBoca del Rio市で2011年9月20日の白昼、道路に放置された2台のトラックの荷台から35体の犯罪組織構成員の遺体が発見され、一部が高架下の路上に散乱した。その際、マスクをした軍や警官の制服を着た者が銃で威嚇して通行中の車を止めたが、目撃者は変装だと語っている。トラックから見つかった男性23人、女性12人(2名に未成年者含む)の遺体には拷問されたり切断されたものも見つかった。これまでに身元が判明した犠牲者のほとんどには、ゆすり、殺人、誘拐、麻薬取引、車両窃盗などの犯罪歴があったが、2名には無かった。現地新聞記事:遺体写真あるので注意
遺体が見つかる前日には、同州内にある3か所の刑務所から、少なくとも32人の受刑者が脱獄していた。当局によると、そのうち再逮捕されたのは14人にとどまっている。検察官は、発見された遺体は前日の脱獄囚のものではなく、全員が同じ犯罪組織に属していたと述べたが、一部報道には脱獄者が混じっているとも書かれている。検察官は犯行組織の名称などについては明かさなかったが、20日には容疑者が逮捕されていて、現場にセタスへの脅迫文があった事から被害者はセタスメンバーか地元ギャングで、自供から犯行は、ラ・ファミリアから分派したテンプル騎士団 the Knights Templarの可能性が言われているが、警察はギャング同士の報復殺人だと述べている。現場は交通量の多い、リゾート都市郊外で、麻薬密輸や南米からの密入国者の通り道。 参照記事 ほか メキシコ麻薬カルテル勢力分布図 2011~ Drug Cartel in MEXICO 犯罪告発ブロガー?殺害される メキシコ
2011年9月22日:この犯行の黒幕として、シナロアカルテルSinaloa cartel,の ホアキン・<エル・チャポ>グスマンJoaquin "El Chapo" Guzmanの名前が浮上してきた。彼が地域の若い集団を利用して犯行を行ったという推測だが確固たる証拠は上がっていない。
2011年9月22日:18日に教師3人が麻薬組織に殺害され、数人が負傷した事件で、全メキシコの教師数千人が太平洋岸の都市アカプルコに集結し、犯罪に無能な政府に対しデモを行った。これで影響を受けた生徒は6千人に上った。参照記事
早い時期に徹底した対組織犯罪対策を打たなかったメキシコはここまで病んでいる。一部貧困層には犯罪組織を容認する風潮さえあったが、それは組織間の抗争に住民を巻き込む結果になった。今ではギャングが警察も軍も手を焼く程の組織力と経済力を持ち、取りしまりの強化は弱小になった組織を他の組織が襲うと言う悪循環を生み出す。脅迫に負けて警官をやめ、組織に入る者も出る。刑務所は定員の何倍もの犯罪者であふれ、死刑の無いメキシコでは、若い犯罪者は如何に殺されないかではなく、如何に先に殺すかに腐心し、相手に身内を殺されたものは、更なる報復を恐れて銃を手にし、ある者は自分を守るために組織に加入する。全てが悪循環に陥っている。
これが、少しでも組織犯罪を野放しにする恐ろしさだが、日本には、典型的な組織犯罪集団のヤクザを必要悪だと声高に言うものさえ居る。それは想像力の欠如と言うしかなく、現実を知りたければメキシコを見るといい。
遺体が見つかる前日には、同州内にある3か所の刑務所から、少なくとも32人の受刑者が脱獄していた。当局によると、そのうち再逮捕されたのは14人にとどまっている。検察官は、発見された遺体は前日の脱獄囚のものではなく、全員が同じ犯罪組織に属していたと述べたが、一部報道には脱獄者が混じっているとも書かれている。検察官は犯行組織の名称などについては明かさなかったが、20日には容疑者が逮捕されていて、現場にセタスへの脅迫文があった事から被害者はセタスメンバーか地元ギャングで、自供から犯行は、ラ・ファミリアから分派したテンプル騎士団 the Knights Templarの可能性が言われているが、警察はギャング同士の報復殺人だと述べている。現場は交通量の多い、リゾート都市郊外で、麻薬密輸や南米からの密入国者の通り道。 参照記事 ほか メキシコ麻薬カルテル勢力分布図 2011~ Drug Cartel in MEXICO 犯罪告発ブロガー?殺害される メキシコ
2011年9月22日:この犯行の黒幕として、シナロアカルテルSinaloa cartel,の ホアキン・<エル・チャポ>グスマンJoaquin "El Chapo" Guzmanの名前が浮上してきた。彼が地域の若い集団を利用して犯行を行ったという推測だが確固たる証拠は上がっていない。
2011年9月22日:18日に教師3人が麻薬組織に殺害され、数人が負傷した事件で、全メキシコの教師数千人が太平洋岸の都市アカプルコに集結し、犯罪に無能な政府に対しデモを行った。これで影響を受けた生徒は6千人に上った。参照記事
早い時期に徹底した対組織犯罪対策を打たなかったメキシコはここまで病んでいる。一部貧困層には犯罪組織を容認する風潮さえあったが、それは組織間の抗争に住民を巻き込む結果になった。今ではギャングが警察も軍も手を焼く程の組織力と経済力を持ち、取りしまりの強化は弱小になった組織を他の組織が襲うと言う悪循環を生み出す。脅迫に負けて警官をやめ、組織に入る者も出る。刑務所は定員の何倍もの犯罪者であふれ、死刑の無いメキシコでは、若い犯罪者は如何に殺されないかではなく、如何に先に殺すかに腐心し、相手に身内を殺されたものは、更なる報復を恐れて銃を手にし、ある者は自分を守るために組織に加入する。全てが悪循環に陥っている。
これが、少しでも組織犯罪を野放しにする恐ろしさだが、日本には、典型的な組織犯罪集団のヤクザを必要悪だと声高に言うものさえ居る。それは想像力の欠如と言うしかなく、現実を知りたければメキシコを見るといい。