国家海洋局が2010年3月11日発表した「2009年中国海洋環境質量公報」 で、中国の全海域で水質がきれいな状態でない海域面積が約14万7000平方キロメートルと、08年よりも7.3%増加し、近海の海洋生態系の悪化にいま だに歯止めがかかっていないことがわかった。観測を実施している海洋生態系のなかで、健康な状態の近海海洋生態系はわずか24%、亜健康(不健康予備軍) は52%、不健康は24%だった。昨年汚染が最もひどかった海域はそれぞれ遼東湾、渤海湾、莱州湾、長江河口、杭州湾、珠江河口と一部の大・中都市近海の水域で、海水中には無機窒素や活性リン酸塩、石油などの汚染物質が主に含まれていた。
少なくても2005年から毎年中国海洋環境質量公報が公表(左参考)されているが、一度としてその対策や警告が載った事が無い。相変わらず汚染がひどいと訴えるだけで、地域住民には健康被害が出ていると見ていいだろう。
WWF(世界自然保護基金)は2006年に黄海付近の世界的に重要な生き物の生息地23ヶ所(赤茶色)を示した地図(右上)を公表したが、図の赤茶色の 優先保全地区と先に発表された汚染地域(左図)はほぼ一致する。この汚染は東シナ海、日本海に流れ込んでいて、くらげの大発生の原因とも言われているが、中国政府から対策の言葉は全く出てこない。左下は、以前公表された渤海湾の汚染の広がり(ピンク色)とクラゲの発生状況。大陸からの河口から流れ出る汚染物質が海を汚している。対策は聞こえてこない。
具体的な汚染物質とは、無機窒素、可動性リン酸塩や重金属、石油類、貝類に残留する汚染物質は、鉛、カドミウム、DDT殺虫剤など、中でも鉛の残留量は基準値を50%も超えており、カドミウムとDDTの残留量も基準値を40%上回っており、18の生態観測区内の21か所の沿岸海域の生態環境の中で、76%が汚染基準を超えているという。
nappi10
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