Ci110726194348事故当初から大きな疑問になっている事がある。事故は落雷による電源トラブルで立ち往生していたD3115(温州着19:57)に後続車両のD301が追突したと鉄道省は言うが、中国の運行表(右)で行けば共に福州を終着にする列車で、追突したD301(温州着19:42)の方が本来は先行車輌であり、運行表から見れば、先行車輌が後続車両に追突すると言う実に不可解な事故なのだ。最近ダイヤの変更が在ったとも言われるが、それによって混乱が生じた可能性もあるだろう。

これを説明しようと思えば、何らかの原因でD301が遅れ、
先行していたD3115が25分も進行方向で停車しているとの情報が無いままに突っ込んだと想像できる。だとすれば、運行管理上の人災で、落雷による電源のトラブルはあったにしても、運行システムが無視され、ATC(自動列車制御装置)が異常(切った可能性もある)で、手動での指令通信もしなかった人為ミスという、あまりにも初歩的な、全くありえない事故と言える。131006045_11n

本来、この異常事態を携帯電話や無線を使ってでもD301に連絡すべきだが、中央指令所も通過駅もそれをしていなかった。普通、もし同じ軌道上に遅れている別な車輌があれば後続車は自動的に停車するか減速するが、D301は当時時速180キロだったと言われ、この、平均時速150キロのこの区間で、遅れていたために、むしろ加速走行していた可能性がある。つまり、D301の運転手には全く情報が入ってなく、同一軌道上に、それも本来居ないはずのD3115が25分間も停車しているなど想像もしていなかったようなのだ。中国側が説明しないので、あくまでもこちらの推測だが、、。鉄道省が隠したいのは何か? 人為ミスで停車車輌の情報が届かなかったとしても、信号システムが正常なら自動的に後続車は停止する(日本なら1キロ手前で自動停止)。鉄道省は、安全上もっとも大事なこのシステムの不良と人為ミスを隠したいのでは、、。そして、なぜD301は25分以上も遅れていたのか。運転士の経験不足、要員不測から来る運転士の過労も見逃せず、居眠りの可能性すらある。また、悪天候時には2名体制が義務だが、追突したD301ではなぜか、死亡した28歳の運転士が単独で運転していたと言われている。参照記事
さらに大胆に推測すれば、D3115の停車や悪天候、電気系の異常などもあり、本来
D301のATC(自動列車制御装置)が作動し減速、停車となるのを、運行の遅れなどもあり人為的に切って走行していたのではないかと思えるのだ、、。

これを裏付けるように、現地の専門家も、事故原因が雷ではなく、自動事故防止システムの故障や運転指令のミスではないかと主張している。新京報は「自動事故防止システムが雷で故 障した可能性は極めて低い」と指摘。同済大の孫章・鉄道都市軌道交通研究院教授は「技術、管理上の欠陥か人為的ミスが今回の事故の主因だ」と語っている。参照記事

2011年7月26日:香港紙リンゴ日報は26日、中国のメディア関係者の話として、共産党の宣伝部門が 国内メディアに対し、浙江省温州市で起きた高速鉄道事故について、独自取材で 「真相」を追究することを禁止する通達を出したと伝えた。


nappi11 at 08:50│Comments(4)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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コメント

1. Posted by かなじゃっぷ   2011年07月27日 23:29
中国人はこの件について一切話しをしない。
中国は、個人単位で隠蔽が大好き。
2. Posted by kako   2011年07月28日 00:55
 連日、マスコミ報道をみてますが、中国=人命軽視との印象が強まるばかりです。
3. Posted by よりばば   2011年07月28日 07:36
追突された運転士が、「止まれ、の指令があった・・・」と、事故直後つぶやいていた、との情報があるそうで、司令室が、本来の先頭車が後続しているのに、錯覚して追突を避ける指令を本来の後続車に出してしまったのでは?そのことが隠蔽したい事の一つでしょうか。
4. Posted by producedit   2011年11月29日 20:19
重要なのは「ブログ」ではなく、「双方向性」であり、キーワードは「読者。
命は取り留めたものと解釈しています。
ネゴシアンって何?

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