フィンランドの銃乱射犯人を分析する
2008年9月23日に起きたフィンランドで10人が学校で射殺された事件だが、さっぱり原因らしいものが見えてこないと警察も困惑している。 右の写真が去年11月に8人を銃で殺して自分も自殺した18歳のPekka-Eric Auvinen.
(ペッカ・エリック・アウビネン)と左が今回10人を銃で殺したMtti
Saari(マッチ・サーリ)22歳。見た感じが驚くほど似ているが、フィンランドでは二人は互いに知り合っていたのではという噂まででている。それほど
犯行の内容がそっくりなのも事実。二人ともこれといった動機は無く、ある日突然、学校で銃を乱射している。
現地の新聞から、マッチ・サーリと犯行直後に電話で話した友人がいたという事実が分かっ た。友人によれば、マッチは「今10人殺した、さようなら」という会話のほかに、友人は彼の葬式に行く約束もしたそうで、彼は自分と同じように非常に内気 で照れ屋で物静かな男だったという。計画は2年前からで、その後見つかったメモには人嫌いだったと告白しているという。普通、22歳の若者ならガールフレ ンドがいて自然だが、まったく彼女の話題も出てこない。特別に乱暴だったという評判も無い。
こんな断片的な内容から想像できるのは、うまく若者として振るまえない内気で、人付き合 いが下手な劣等感を持った青年ではないだろうか。先に犯行を起こしたペッカは失恋が原因だったようだ。どうもマッチの場合も、人とうまく付き合えない、も てない、そんなところから疎外感を感じ、内向的な性格から引きこもってしまったのではと思う。それがどこかで被害者意識になり、うまくやっている周りすべ てが憎くなってくる。どこかで人生の落ちこぼれになってしまった自分。生きていてもつまらない。いっそ死ぬときは派手に死んでやる、、。
大体はこんな思考回路で犯行に至ったと想像する。最後の投稿ビデオで男くさく銃を撃って 自分をアピールしたのは、自分の存在感の無さへの反動だったのだろう。これといった将来の夢も無くダラダラ生きてきたことが彼を追い詰めてしまった。フィ ンランドでは若者が自立するのは早く、18歳くらいなら学生でもほとんど働いている。女性なら結婚する人も多い。活発な年代の中で取り残されてしまったと 感じたのだろう。同年代を同じ国ですごしたのでなんとなく分かるような気がするし、そんな悩みを持った男も見てきた。彼の中に、何かひとつでも自信の持て るものがあればこんなことはしなかっただろう。すべてが中途半端な、多感で感受性ばかりが強い内気な青年の犯行だったと分析する。過去ブログ:またフィンランドで銃乱射 あのフィンランドで !