
しかし注目すべきはその年代だ。中国でこれまで最古とされてきた現生人類(ホモ・サピエンス)の化石よりさらに6万年もさかのぼるという。研究共著者でアメリカ、ミズーリ州セントルイスにあるワシントン大学の人類学者エリック・トリンカウスErik Trinkaus氏は、「約10万年前の化石で、アフリカ以外で発見された最古の現生人類だ」とコメントしている。

加えて、解剖学的に「現生人類」に属する人類は、人間らしい活動を始めるかなり以前に中国へたどり着いていた可能性も示唆されている。参照記事 英文参照記事 参考記事* 一方で、アメリカにあるウィスコンシン大学マディソン校の人類学者ジョン・ホークス氏は次のような見解を示している。「中国の洞窟からはアゴの骨と3本の臼歯しか見つかっていない。 しかも現時点では、旧人ネアンデルタール人の骨である可能性も残されている。人類の移動の歴史に関する再考の必要性は、今後の展開次第だろう。個人的には研究チームの主張に賛成だが、もっと証拠が欲しい。化石からDNAを抽出できればいいのだが」。