LiveLeak-dot-com-c45dad3440be-1ll201091555221795734_20写真は現在アフリカリビアで米軍が使用する無人偵察攻撃機(一般総称でドロウンDroneと英語表記、元々はミツバチを意味するが、恐らくブーンという音から来たのだろう)だが、アフガン戦争ではここ現在も多用され、タリバン掃討にアフガン~パキスタンとの国境で爆撃を行っている。無人で小さく、静かなため、低空で確実に目標を把握しミサイル攻撃できる利点が在るが、その情報が不確かだと誤って民間人の家屋や集団を破壊してしまう事が多く、今までも多くの誤爆が報告されている。特に、パキスタンの北西部国境に潜伏するタリバンはその地域の部族民兵組織で、民間人と見分けが付きづらく、アジトも一般家屋だ。
20011年4月22日、パキスタン北部の北ワジリスタンでの無人機攻撃では25人が死亡したが、パキスタン側では誤爆だとして23日、ペシャワールで座り込みデモが起きているという。一般にこの地域の無人機攻撃は、パキスタン軍情報部に常駐する米軍情報員からの情報で行われるが、パキスタン軍も米国もこれを認めていない。今回の場所はHasan Khelというところだが、この名前の村はパキスタンのペシャワール近くやアフガンにも在る。ミランシャーMiranshahに近い場所という事で、右の地図のコーストの下の赤丸付近だと思われる。最近、アフガンから侵入したタリバンに、パキスタ兵10人が殺害された事があり、パキスタン側の報復要請の攻撃だろう。

この付近での無人機攻撃は、今年に入って20回を数え、2008年からだと250回の攻撃で、約1500人が爆撃で死亡していると公表されている。パキスタン北西部では、冬が終わりタリバンの活動が活発化する時期になった。去年は、自爆テロと同時にタリバンによる燃料トラックの爆破が目立ったが、今年はどうなるのか。アフガンでは、米軍撤退後に備え、アフガン政府とタリバン側との和平協議も進行していると言われているが、米軍側にその内情を流さない密約でもあるのだろう、細部については流れてこない。タリバンの完全制圧は困難で、恐らく地方タリバンを抱える部族に対し、ある程度の自治を認め、開発の名目で資金を提供するという線で進行するのではないかと想像している。
ほとんどの主力幹部が殺害されたタリバンとしても、今後の戦況で優勢になることは難しいだろうが、今までどおり散発的なテロは継続するだろう。それは、タリバンを支援してきた国際組織アルカイーダも同じで、最近の状況から、アルカイーダは、すでに米軍が撤退したイラク北部に覇権(支配)を計画しているように見える。過去ブログ:民衆を扇動するタリバン アフガン英雄?(2006年4月、最初に書いた中東関連ブログ記事)

nappi11 at 10:33│Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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