

20011年4月22日、パキスタン北部の北ワジリスタンでの無人機攻撃では25人が死亡したが、パキスタン側では誤爆だとして23日、ペシャワールで座り込みデモが起きているという。一般にこの地域の無人機攻撃は、パキスタン軍情報部に常駐する米軍情報員からの情報で行われるが、パキスタン軍も米国もこれを認めていない。今回の場所はHasan Khelというところだが、この名前の村はパキスタンのペシャワール近くやアフガンにも在る。ミランシャーMiranshahに近い場所という事で、右の地図のコーストの下の赤丸付近だと思われる。最近、アフガンから侵入したタリバンに、パキスタ兵10人が殺害された事があり、パキスタン側の報復要請の攻撃だろう。
この付近での無人機攻撃は、今年に入って20回を数え、2008年からだと250回の攻撃で、約1500人が爆撃で死亡していると公表されている。パキスタン北西部では、冬が終わりタリバンの活動が活発化する時期になった。去年は、自爆テロと同時にタリバンによる燃料トラックの爆破が目立ったが、今年はどうなるのか。アフガンでは、米軍撤退後に備え、アフガン政府とタリバン側との和平協議も進行していると言われているが、米軍側にその内情を流さない密約でもあるのだろう、細部については流れてこない。タリバンの完全制圧は困難で、恐らく地方タリバンを抱える部族に対し、ある程度の自治を認め、開発の名目で資金を提供するという線で進行するのではないかと想像している。ほとんどの主力幹部が殺害されたタリバンとしても、今後の戦況で優勢になることは難しいだろうが、今までどおり散発的なテロは継続するだろう。それは、タリバンを支援してきた国際組織アルカイーダも同じで、最近の状況から、アルカイーダは、すでに米軍が撤退したイラク北部に覇権(支配)を計画しているように見える。過去ブログ:民衆を扇動するタリバン アフガン:英雄?(2006年4月、最初に書いた中東関連ブログ記事)