パソコンは何でもこなすが、自分のイメージを数秒で絵にするにはやはり手描きになる.
最近はスケッチに寸法を入れた、独特なスケッチで仕事を完了してしまう.
素人の方には分かりやすいと好評だが、初めての職人さんは面食らうようだ.
「え!図面は無いんですか?」「無い!これで進めて下さい」
通常は、このスケッチを元に図面を起こす.
分業なので、仲間の図面描きに回すが、最低でも1日以上掛かる.
その時間がもったいない..当然金額も掛かる.
規模の小さな工事ならこれで十分、後は現場での指示である.当然自分で現場に立って指示をするので、いいアイデアがあればドンドン、アレンジ、変更する.
下請け泣かせだが、これもお客様のため.
悪い工事屋は、素人に図面で無理矢理了解を取り、出来たものに不満を言うと、「図面であれほど確認したのに変更ですか..それはお客さんの都合なので追加料金をいただきます」とくる.
オジから言えば、バカモン!である.
素人に図面で出来上がりを理解しろと言うほうが無茶な話で、これは一種の責任転嫁だろう..
へたでもいいから絵を描いて説明すべきだが、実はこの業界、モノツクリなのに絵を描ける人間がほとんどいない.建築や工事を理数科の仕事と思っ ている方が多いせいだが、色や形や周りとの調和を考える仕事である以上、立派に文科系の仕事なのです.その一部に構造計算や強度計算の理数系の仕事がある と思ったほうがいい..有名な建築家 安藤忠男..この方が有名なのは、この両方のバランスがいいからに他ならない.