2006年03月26日  個人 旅、冒険、

今だから書けること 4

この話は、内容が結構汚いので、先に断っておきます.
北海道から出て、横浜の港から、当時はソビエトの、貨物船のような小さな船で出国しました.
春先で同室の日本人は九州出身の、確か学生さんと思います.もちろん、二人とも初の船旅.
静かだったのは東京湾を出るまでで、銚子沖に差し掛かった途端、上下左右に大揺れです.
安い部屋ですから、部屋の丸窓は波をかぶるような部屋で、窓も開けれません.
二人とも船酔いでグロッキーでしたが、九州の彼は比較的元気..
彼がトイレに出かけてから、もうかなりの時間が経っている.
迷って帰れないのではと、通路の壁にぶつかりながらトイレまでたどり着いてみると.
なんと、開きっぱなしの小さなトイレの中で、ズボンを下げて、顔中ゲロまみれの彼がひっくり返っているではないですか!.
シャワーで流して、ずぶ濡れの彼を部屋へ引きずり込む.話を聞けばこうである...
トイレに行くと、ステンレス製の洋式トイレがある.彼は洋式トイレを使うのが初めてで、どうしても
座るのに抵抗がある.どうしたか..その上に両足でまたがって乗ってしまった.
船は揺れる.用を足して立ち上がった瞬間に、その小さな、鉄板に囲まれた部屋で転がり落ち、
壁に頭を打ちつけ、意識が遠のいたらしい.
それでも「かっこ悪ー」との美意識はあったそうで、さりとて、立ち上がろうにも揺れで思うように行かない.
そのとき、別の部屋の日本人らしいのが口を押さえながらやってきて、挨拶も、断りもなしに、いきなりゲロを彼の上にぶちまけたらしいのである.
まったく、これ以上の災難があるだろうか.下半身丸出しの男を見て気が動転したのか、その、ぶちまけた奴はと言えば、小声で「ソーリー..ゲップ.」と言って、ドタドタ来た道を四つんばいで帰ったらしいのである.彼ははっきりとは誰なのか見ていないと言う.当然だろう.
見つけたとき、彼のメガネまで、ヨーグルトぶちまけ状態でしたから..
彼は、今風に言えば「チョー恥ずかしー!クサー!九州へ帰りテーよ!」とわめいていた.北海道へ帰りテーのもいれば、九州へ帰りたいのもいるのである.この九州男児.軟弱な奴である.
期待に胸躍らせた私の異国への旅が始まって、まだ6時間ほどしかたっていない、所はまだ日本海域であった.この実話には、何の教訓も無い.しいて言えば、船のトイレは気をつけて!
 
 


nappi11 at 14:45│Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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