大きな問題を残しスリランカ民族紛争は終結?

200951641541531734_3f27289b380e64b5939619bedffdc9cd5 スリランカ軍事政権は、世界や国連の非難をよそに反政府勢力LTTEに対して軍事決着を優先し、まだ戦闘地帯に5万人前後の残留難民がいると推定されるが、木曜日には48時間以内の難民開放を公表し、今日、土曜日朝には南北からの海岸沿いの部隊侵攻でLTTEの海上への退路を遮断した模様。17日朝までの完全制圧を公言している。いまだにLTTE指導者のベルピライ・プラバカラン (Velupillai Prabhakaran)議長の行方は分かっていない。

これでLTTEには「降伏か自決かの選択しか残っていない」といわれている。もともと、スリランカ政府には、少数派のタミル人に対して民族浄化の思惑があり、戦闘終結後も十分な保護がされるとは想像できず、国連の人権部門は両方の陣営に戦争犯罪の疑いがあると懸念している。

恐らく、21世紀最悪の残虐行為が行われたとおもわれ、今後ひどい事実が公表されるだろう。スリランカは国連通貨基金へ1800億円の融資を求めているが、国連の助言を聞かなかったいきさつから、復興資金の獲得には今までの十分な情報公開の確約が不可欠だろう。海岸沿いの帯状の約3平方キロ足らずの場所(上の拡大図ピンク色の地域)、まだ5万人近くの戦火を避ける難民がいるといわれ、スリランカ政府はここに無差別に砲撃を繰り返した。すでにLTTEの少年兵(多くは誘拐された少年たち)の多くが投降している。写真の黒煙の見えるのが地図の帯状の地域。5月15日付け。

現地では、報道規制するスリランカ側とマスコミが対立し、英国TV局(チャンネル4)が逮捕される騒ぎが起き、情報部を警戒するように各マスコミに通達されている。スリランカ情報部は、拉致や拷問で悪名が高い組織だ。今年1月20日から5月7日までで、すでに難民の死者は7000人以上、負傷者は1万6700人以上との国連からの報告がある。過去ブログ 過去ブログ その後のLTTE

現地での17日早朝時点で、政府軍の作戦はほぼ完了し、LTTEは壊滅し、LTTEも敗北を認めた。敗残兵からの散発的な銃撃がある程度だという。いかにひどい虐殺があったかはこれから暴かれるだろう。LTTEの最後は悲惨だった。残った小型船に分乗した約70名が戦闘地域から潟湖に繰り出し、政府軍に向けて自爆テロを敢行。全員が死亡した。一部には逃走を計ってと書いてあるが、敵陣正面に逃走は有り得ない。動けなくなったものや女性兵士は自決しただろう。それが彼らLTTEの掟だった。LTTEの一部はすでに、訓練基地のある南インドに避難している。

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nappi11 at 15:24│Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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