中国製建材から有害物質
中国製の衣食住を見たとき、衣料品にはアレルギーなどを起こす違法な染料使用が過去に問題になった。食の危険性は言うまでも無い。今度は残る住がアメリカで問題になっている。
米国環境保護庁(EPA)によると、中国製建築材料の石膏ボードに含まれる硫黄などの腐食性物質が基準値を超えていることがわかった。フロリダ州を中心に 13州で、有毒ガスによる欠陥住宅被害が出ているが、 EPAはその関連性の断定を避けている。米国現地の報道によると、04年から07年の住宅ブームや、ハリケーン「カトリーナ」の復興需要で中国製石膏ボー ドが大量に輸入され、約5万戸に使用され、これらの石膏ボードは、硫黄などの有毒ガスを発散していることから、健康に大きな脅威になっているほか、金属の 腐食などで住宅の安全性にも影響を及ぼしている。米国現地の別報道によると、04年から輸入され5万~10万戸に使われている可能性もあり、輸入販売業者に対する訴訟の動きがあるが被害件数が多いことから、欠陥住宅祖訴訟としては米国史上最大の規模になると見られる。
アメリカの住宅で石膏ボード(プラスターボード、PB ともいう)を使っていない住宅は無いだろう。これは日本でも 同じだが、幸い日本では検査がしっかりしているのか問題になっていない。一時、壁クロスの糊に含まれるホルムアルデヒドが問題になったが、今はほとんど含 まれていない。
どうして中国のPBからだけ硫黄分が発生するかを理解するのはさほど難しくない。
中国では発電所などでの燃料に、いまだに石炭を使用していて大気汚染の原因になっている。特に低質な石炭は硫黄分を 多く含み、公害対策で脱硫装置の設置が義務付けられている。この触媒(石灰)の使用済み水溶液から触媒が化学変化した大量の硫黄分を含んだ石膏が排出さ れ、これが資源の再利用で石膏ボードの生産に使用されているという事だろう。
同じ事は日本でも行われ製品に混入されているが、硫黄分を除去し製品に混入しない処理がされている。
研究機関のニュースに石膏ボードと硫化水素との関連や日本のメーカーの記述には「有機物(ボードの紙)が発酵してメタンガスが発生する環境では、硫酸還元細菌により、硫化水素が発生する可能性があります。」と記述もあるので、何か特殊な状況で硫化水素が発生したのだろうか?問 題が発生した家では、家の中が卵の腐ったようなニオイがして、金属の腐食などの影響が出る(表面が黒く変化など)。もちろん呼吸器系にいいわけが無く、人 によってはひどいアレルギー症状を引き起こしているそうだ。匂いの発生までにはいろんな要因が絡むようで、発見するのは容易では無いらしい。中国は自国の 公害物質を他国にまで輸出し、輸入したほうは有害な製品に支払いをしていることになる。
中国製建材でシックハウス問題 米国:個人的には高湿度や結露水などで紙部分に細菌やカビが発生したことと関係するのではないだろうかと思うのだが?発生地がいずれも気温が高く湿度の高い地域なのがそう思わせる。
2010年4月2日:米国消費者製品安全委員会 (CPSC) は、住宅所有者及び販売業者に対し、中国製石膏ボードを撤去するよう勧告した。テストの結果、中国製石膏ボードから放出される硫化水素が電線やガス管を腐 蝕させる可能性があるという。米住宅都市開発省とCSPCは「一部の中国製石膏ボードのサンプルから放出された硫化水素は、他国製品の100倍に達した」 との共同声明を発表。
「これまでの研究に基づき、我々は住宅からすべての問題石膏ボードを排除し、電気回路、ガス管、高圧スプリンクラー、火災 警報機を交換するべきだ」と勧告した。米国現地の報道によると、04年から07年の住宅ブームや、ハリケーン「カトリーナ」の復興需要で中国製石膏ボード が大量に輸入され、約5~10万戸に使用されている。EPAの報告によると、中国製の石膏ボードのサンプルには硫黄、ストロンチウムおよび2種類のアクリ ル酸類塗料の有機化合物が含まれていた。CPSCによると、中国製石膏ボードの品質問題に関する訴えは現時点で3000件以上。被害金額は数十億ド ルに達した。CPSCは中国サイドに被害賠償を求める方針を示した。