中国に多い 学童を狙った無差別殺人
2010年5月15日:中国の泰州市中级人民法院は4月29日に幼稚園を襲った徐玉元(シュー・ユーユエン、47歳)に対し、死者は出ていないが犯行、計画が身勝手で残忍だとして死刑を求刑した。
2010年5月12日: 中国北部陝西省漢中で12日午前8時(日本時間同日午前9時)ごろ、南鄭県聖水鎮林場村にある個人経営の幼稚園に包丁のような凶器をもった48歳の男 呉煥明が 押し入り園児たちに切りつけ、園児7人と女性教師を含む大人2人(呉園長の母親と呉園長)の計9人が死亡、少なくとも20人が負傷した。襲撃された幼稚園 は、園長が、呉煥明容疑者が所有する不動産を借り受けて経営しており、金銭トラブルとも言われている。犯人は自宅へ向かう途中でで自殺したとあるが詳細不 明。国営新華社通信は同日朝速報を出したが、その後記事を削除した。左は犯行のあった幼稚園。
2010年4月30日午前7時40分 中国の小学校で児童5人がハンマーを持った男に襲われ、けがをする事件があり,男は犯行の後、焼身自殺した。事件があったのは中国・山東省の濰坊(いぼう)市にある尚莊小学校で、30日午前7時40分ごろ、市内に住む45歳の農民 王永來がバイクで学校内に侵入し、ハンマーで就学前クラスの児童を次々に襲った。その後、男は児童2人を抱きかかえたままガソリンをかぶって焼身自殺したが児童は教師に無事助け出された。同種の事件が連続し、全国の学校で警備が強化された。
2010年4月29日午前9時40分(日本時間同10時40分)ごろ、江蘇省泰州市泰興の幼稚園(右)で刃物を持った男が園児らを襲い、園児28人を含む計 32人が負傷した。男は現場で取り押さえられ現在取り調べを受けている。負傷者32人のうち、園児2人、幼稚園職員2人、警備員1人の計5人が重体。正午現在死者は出ていない。容疑者は同市在住の無職の男徐玉元(シュー・ユーユエン)47歳で、01年に保険会社を退職し、かつてマルチ商法に関わっていたこともあるという。犯行の動機などについて、現在取り調べを受けている。
2010年4月28日、中国広東省湛江市雷州市の雷城第一小学校で 刃物を持った男が校内に乱入。生徒・教師17人が負傷した。28日午後3時ごろ、男は服の下に長さ50cm前後の刃物を隠し持ち校舎内に侵入。教室4つを 次々と襲った。生徒15人が切りつけられ負傷したほか、生徒1人が逃げる途中に転び負傷した。また凶行を止めようとした男性教師1人が頭や手などに切り傷 を負った。男の名は陳康炳(チェン・カンビン、33歳)。別の小学校の教師だったが、2006年2月より病気のため長期療養を続けていた。供述は混乱しており動機は明らかになっていない。写真は逮捕の瞬間
2010年4月28日、福建省南平(ナンピン)市内の小学校で3月23日早朝に小学生13人を殺傷した男に対し銃殺による死刑が執行された。事件は同市南平実験小学校の校門前で
、包丁を持った男が登校してきた小学生に次々と襲いかかり、現場で3人が死亡、病院に運ばれた10人のうち5人が死亡し、計8人が死亡した もの。男は地元出身の鄭民生(ジョン・ミンション41歳 独身 馬駅団地診療所の医師だったが、昨年9月に辞職 写真右下)で、その場で近くにいた警備員に取り押さえられた。動機について、「仕事も恋愛(失恋)もうまくいかず、むしゃくしゃしていた」と話した。
2010年4月12日 広西チワン族自治区合浦県の小学校の校門前で年配の女性と8歳の児童2人が40歳前後の精神病で入院歴のある精神疾患の男性楊家欽に殺害される事件が起きた。事件は下校時間の16時半頃で、5名が負傷した。
3月23日の事件から僅か1ヶ月で被告の控訴を棄却し銃殺刑が執行された。この記事を調べて書いているうちに上の事件が次々に発生して書き足した。4月12日の事件、5月12日のも含めると同じような事件が約1ヶ月半で6件起きている。
異常なほど中国ではこのような学童を狙った無差別殺人が多い。ほとんどは精神異常者の犯行で片付けられるが、社会の 中に治療システムが確立していないのだろう。また急激な社会状況の変化や極端な貧富の差にも問題がある。以前雲南省の事件では、果物ナイフで通行人を殺傷 した犯人は出稼ぎから戻ったばかりで、出稼ぎで稼いだ貯金2600元(約3万9000円)を故郷の売春婦にニセ金に摩り替えられ、やけになった末の行動 だった。このことで「社会に復讐してやろう」となり、残りの所持金45円でナイフを買った。
道理の向うにある復讐という行動、中国人の中に潜む陰湿な部分で、中国の犯罪、違 法行動の多くにこれを起因にしているのが目立つ。殺人犯に対する即刻死刑の流れも、中国社会自体がそういう復讐を正当とみる社会通念を持っているとも言え るのではないか?それをよく知っているのも中共政府で、多くの社会矛盾、社会格差、劣悪な環境の犠牲になった中国民衆の復讐を一番恐れていると想像でき る。西側世界では、この復讐(民衆蜂起)が必ず起きると予言する学者が多い。上のような事件を狂気の行いと見るのはた易いが、狂気も集まれば勢力になる。 今中国が正当化する毛沢東の文化大革命も、当時その先端を走っていた集団は狂気の集団だった。でなければ、自国民に対しあれほどの無差別で残酷な殺戮など できるはずがない。犯罪越しにその国を見るのもその国や国民性を判断する一つの方法で、このブログにこの種の記事がたまにあるのもこういう理由からです。