2011年2月7日:ホンダは、小型ジェット機「ホンダジェット」について、2012(平成24)年後半に初号機の引き渡しを行った後、最大で年間100機程度の生産を 行う方針だ。当面は、需要の多い欧米だけで受注販売し、中長期的にはブラジルやインド、中東などでの販売も視野に入れる。創業者の故・本田宗一郎氏の夢で、開発開始から約25年が経過したホンダの航空機事業がいよいよ具体化してきた。動画ホンダの航空機事業子会社「ホンダエアクラフトカンパニー」(本社・米ノースカロライナ州、従業員550人)の藤野道格社長は「現在、100機を超える受注があり、当面は年間80~100機の生産を行いたい」と語った。ホンダジェットは昨年12月20日、米国で量産型機の初飛行に成功。現在、販売に必要な米連邦航空局(FAA)の型式認定取得に向けて飛行試験などを続けている。今後、5機のテスト機で構造試験などを行う見通しで、来年後半に型式認定が行われた後、機体や生産施設が認可される。初号機引き渡し後の半年間で30機を納入する。価格は450万ドル(約3億7千
万円)。米国での本格生産に向け、ホンダエアクラフトの従業員を約300人増やすことも検討している。参照記事全文
開発から25年と記事にはありますが、”HONDA”が本田宗一郎氏(左)の指揮のもと、飛行機用「HONDA倒立空冷V型8シリンダーエンジン」を開発したのは昭和30年代で、まだバイクしか作っていなかった昭和37年(1962)1月には朝日新聞紙上に『ホンダエンジンを載せた軽飛行機の設計募集』を載せていますから、実に夢の実現に50年を掛けたといえるでしょう。当時公募に作品を出した方のブログがあります。【ホンダジェット】量産型4号機初飛行映像 参考資料:本田宗一郎氏のエピソード 本田技研工業社史とエピソード
2013年5月20日;ホンダの航空機事業子会社であるホンダ・エアクラフト・カンパニー(以下、HACI)は 20日(月)、スイスのジュネーブで開催されているビジネス航空ショー 「2013ヨーロピアン・ビジネス・アビエーション・コンベンション・アンド・ エキシビション」において、小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」の 試験用5号機が初飛行に成功したと発表した。 試験用5号機は、米国東部時間5月16日15時00分(日本時間5月17日4時00分)に HACI本社がある米国ノースカロライナ州グリーンズボロ市の ピードモントトライアッド国際空港を離陸し、高度1万2,000フィート(約3,660m)を 速度300ノット(時速約556km)で順調に飛行した。今回の60分におよぶ飛行試験では、低速時および高速時の操縦性チェックのほか、航法用電子システムであるアビオニクスや各種システムのチェックが行われた。

HACIでは、現在、計4機の機体を同時に用いて試験を継続中だが、GE・Hondaエアロエンジンズ社製ターボファンエンジンの米国連邦航空局(FAA)に よる型式認定取得は2013年10月~12月ごろと見込まれており、ホンダジェットの 型式認定取得は2014年後半になる見込みだ。また、HACI本社の敷地内に建設中のカスタマーサービスセンターは今秋にも完成し、年内に米国連邦航空局から整備工場としての認定を取得する予定となっている。
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2015年3月17日:Hondaの航空エンジン事業子会社であるホンダ エアロ
インク(以下HAI)は米国時間の3月17日に、米国ノースカロライナ州バーリントンの自社工場が米国連邦航空局(Federal Aviation
Administration、以下FAA)による連邦航空規則のPart 21が定める製造認定(Production
Certificate、PC)を取得したことを発表した。なお、FAAがジェットエンジン用に製造認定を授与するのは23年ぶりとなる。
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2015年4月23日:ホンダが発売を予定している小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」が23日、初めて羽田空港に着陸し、 報道陣にお披露目された。25日からは国内5カ所で一般公開する。 ホンダジェットは航空事業子会社のホンダエアクラフトカンパニーが開発し、昨年6月に量産1号機が米国で初飛行した。価格は450万ドル(約5億4千万円)。 ホンダによると、欧米で100件以上の受注があるという。米当局の認定を受けた後、富裕層や企業など受注客への納入を開始する計画だ。 25日からは、仙台空港、神戸空港、岡南飛行場(岡山県)、成田空港をまわって、一般公開する。 また、5月19日からスイスで開催される欧州最大のビジネス航空ショーに出展。イギリスやフランスなど欧州各国をまわり、速度や燃費性能をアピールする方針だ。
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内部設計など 映像6人乗りのホンダジェットは1986年に研究開発を開始し、2010年には量産型機が初飛行に成功した。2006年の受注開始以来、個人事業主を中心にオーダーを受けており、ホンダが自動車販売で培ったアフターサービスなどのノウハウを持ち込むことで、事業はサービス収入も含めて、納入開始後5年目には単年度黒字が見込めると語っていた。

ホンダジェットは主翼の上にエンジンを配置するデザインで2012年10月、米航空宇宙学会から「エアクラフト・デザイン・アワード」を受賞。主翼上面配置(OTWEM:Over the Wing Engine Mount方式)はホンダの特許取得技術であり、高速飛行時に発生する空気抵抗(衝撃波)、造波抵抗を抑える効果もあり、速度と低燃費を両立させる技術として認められた。このHondaJetの主翼上面配置では胴体後部のエンジン支持構造が不要で内部スペースを

最大限に利用できるため、HondaJetの広い客席と大きな荷物室が実現し、高速飛行時に発生する空気抵抗 (衝撃波) を抑える効果も生じさせる。これによって、同クラスの他機を上回る速度アップと低燃費も実現した。また主翼と機首部分に自然層流、つまりNFL(Natural Laminar Flow)技術を採用し、NFLを取り入れた機体は空気抵抗を大幅に低減させる先進的空力設計となっていると紹介している。
当時新型機開発のプロジェクトリーダーの藤野道格(現ホンダエアクラフトカンパニー

社長)は、仕事中はもちろん、自宅に帰ってもエンジンのことを考え続けた。そんなある夜、布団に入って寝ようとしたときだった。こういう形なら……と閃いた。
「初めて具体的に思いついたのです。忘れてしまわないうちに書き留めようと、周りを見回したが、近くに紙がなかった。かけてあるカレンダーに目が留まったので、前の月かなんかの紙を破って、その裏にボールペンでスケッチを描いたのです」と回想している。そのスケッチが左。
ホンダによると、ホンダジェットの燃費は競合他社に比べ15~17%向上したほか、速度が約10%アップし同クラスの小型ビジネスジェットのなかで最高の最高速度約782km/hを記録、客室空間は約20%広くなった。公表データでは、7人乗り、最大航続距離は2265km、また、最高高度4万3000フィートの記録を有し、他機に比べて2000フィート(約
600メートル)ほど高度を上げて飛行できることから、天候の影響を低減できるほか、空港付近での混雑を避けることも可能にした。販売面では、北米に7カ所、欧州に3カ所のディーラーを設け、どの地域であっても1時間半以内にサービスが受けられる体制を構築。部品の供給体制や本部での24時間サポート体制を整備している。参照記事 参考記事
2016年2月7日:2015年12月8日、午後2時。「実は、今日、『ホンダジェット』にFAA(米国連邦航空局)の型式証明がおりたんです。アトランタで証明書を受け取って、今、帰ってきたところです。ランチに同席できなくて、すみませんでした」米ノースカロライナ州グリーンズボロにあるホンダエアクラフトカンパニー本社の応接室に現れた、同社長兼CEOの藤野道格氏は、インタビューの冒頭、こう切り出した。この日、ホンダは、航空機研究開始から約30年を経て、ついに民間機市場に参入する正式な許可を得たのである。すべてがゼロからのスタートだった。ホンダジェットが搭載するエンジン「HF120」は、2013年にFAAの型式証明を取得し、ホンダジェットによって市場にデビューする新しいエンジンだ。しかも、従来、航空機産業は、機体メーカーとエンジンメーカーは別々だが、「HF120」は、ホンダとGEが50%ずつ出資する合弁企業、GEホ
ンダエアロエンジンズ製だ。機体とエンジンの両方を、一つの会社が手掛ける例も、これまた、世界にほぼ例がない。「HF120」の生産設備は、2015年に
FAAの型式証明を取得したが、生産設備が新しくFAAの型式証明を取得するのは、実に23年ぶりのことだった。
現在、北米、欧州、ブラジルの計11拠点で販売しており、受注数は100機を大きく超えるレベルとなっている。2015年12月下旬には1号機の引き渡しも済ませた。生産台数は月産3~4機で、2年目からは5~6機に増やしていき、その後については今後の受注状況を見ながら調整していく計画だ。工場の能力としては
年間100機ぐらいまでは大丈夫だそうだ。藤野社長は、セスナとエンブレアが小型ビジネスジェット機市場で幅をきかすなか、「その2社よりもさらに良いサポートネットワークで十分なブランドを築き上げて次のステップに入っていく」と意気込んでいる。参照記事 参照記事