右は8月18日、中国の報道撮影作品賞「金レンズ」の最高賞に選ばれた『遺体を人質に交渉』と題する写真。小船の船先の右に突き出ているのはすでに死んだ人の手で、紐で縛って引きずっている。
こういう職業のあるのは知っていたが、写真で見るのは初めてだ。「遺体屋」とでも言ったらいいのか、大きな川下には毎日数体の溺れ死んだり、自殺した溺死死体が流れ着く。それを集め、身元を調べて遺族から金を取る職業だ。相手の身分によってはかなりな金額を要求するようで、地方政府の認可の元でしていると言うが、恐らく役人の裏金になっているのだろう。
写真が撮られたのは、2009年10月24日。湖北省の古い都市荆州の長江沿いでの一幕。水遊びをしていた二人の少年が川に落ちたため、岸辺でパーティをしていた大学
生18人が助けに行った。少年は助かったが、3人の大学生が命を失った。写真に写った遺体は亡くなった大学生のうちの一人。大学生の遺体を川から引き上げた業者は、遺体を早く渡してくれるよう土下座してお願いしている学生らを無視し、遺体を人質にして大学生らが所属する学校側と交渉し、(3人分で)3万6千元(約50万円)の費用を取った。「生きている人は救わない。遺体だけを引き上げる」とこの業者は言う。遺体一つを引き上げる費用は1.2万元。キャッシュで受け取ってから作業をするという。写真の遺体は2番目の遺体で「まだ(一体目の)金をもらっていない」と船から交渉中の業者。日本なら当然警察や消防の公的な作業になる。商売とは言え、金を払わなければ遺体を渡さないと言う商売には中国内でも批判がある。左下は「金を数える業者」。

