この事件で世界は中国を警戒し出した。
ワシントン・ポスト紙(電子版)は二十四日、中国側の強気一辺倒の対応に 「共産党指導部の力が弱まり、人民解放軍や国営企業などが勢力を増した結果」と分析。今後は特に対日や対米で関係がこじれることになると予測した。
NBCテレビ(電子版)は記者ブログで 「中国からの輸入に頼る米国も打撃を受けることになる」と警告した。
日本側が「圧力に屈した」との見方は強いが、英誌エコノミスト(同)は「最終的には中国が過剰な攻撃性を示して評判をおとしめた」と指摘。「成熟した国際プレーヤーとは思えない行動で、『平和的な発展』は形だけにすぎないと分かった」と批判した。(以上、東京新聞2010年9月25日の夕刊から抜粋)
いずれも中国の強硬姿勢に一層警戒感を強めたという内容だ。中国をよく知る英国の反応が気になる。独学の英語では英国エコノミスト紙の翻訳は荷が重いが、探すとどうやら次の部分の要約らしい。「Japan comes off looking weak, as it succumbs to an avalanche of pressure. But the ferocity of the Chinese response has harmed China ultimately, by undermining confidence in China as a responsible stakeholder in the region.」(圧倒的な中国の圧力に一見日本が弱腰の印象に見えるが、しかし、その凶暴な中国の反応は結局、(日本への対応で)信頼を損ない、その地域の責任ある当事者としての中国自身を傷つける事になった。。。)と言う風に読める。ferocity(獰猛、残忍)と言う単語を交え、夕刊の翻訳記事以上に相当に痛烈に強圧的な中国をこき下ろしているのが分かる。船長を釈放したらしたで今度は賠償しろと言う。まるで昼間に山賊に合い、帰り道で追いはぎに遭ったような状態の日本だが、戦後の日中関係の節目での日本の詰めの甘さが露呈したと言うことでは無いだろうか?時期的には最近の日本の政権の足元の弱さに付け込まれた様に見える。