フランスのカヤネズミと日本の状況
フランスのカメラマンJean-Louis Klein 、 Marie-Luce Hubert のお二人が1年の歳月をかけてフランスのアルサス地方で撮ったカヤネズミの写真をインターネットの記事から抜粋しました。
カヤネズミの紹介記事によれば、オレンジ色の毛並みと、長い尾が特徴の、世界最小クラスのネズミです。体の大きさは人間の大人の親指くらい(6cm)、体重は500円玉1枚分(7-8g)しかありません。河川敷や休耕田の「カヤ原(オギやススキなどの草むら)」の植物を利用して巣を作るので、「カヤネズミ」と呼ばれます。食べ物はエノコログサやメヒシバなどの草のタネが中心ですが、昆虫のバッタやイナゴなども食べます。茎を上り下りしたり、食事や毛繕いをする時には、長いシッポをしっかり葉に巻き付けて体を支えます。アカネズミやハタネズミなど、多くの野ネズミは暗く湿った土の中を「すみか」にしていますが、カヤネズミの「すみか」は草の上です。寝床はススキやオギの葉を細く裂き、それを上手に編んで、地上1.5mぐらいの高さに野球のボールくらいの丸い巣を作ります。草の上に巣を作る習性は、ネズミの仲間では非常に珍しく、日本ではカヤネズミだけです。調査によれば、2002年には35都府県218ヶ所で生息が確認されました。カヤネズミの本来の生息地である河川敷では、ダム建設や改修工事が予定されていて、遠からず生息地が消失してしまうというケースも少なくありません。そのため、カヤネズミは複数の都道府県のレッドデータブックで「絶滅危惧種」や「準絶滅危惧種」にランクされていて、近年、保護の重要性が高まっています。右下の図は 全国カヤネズミ・ネットワークのHPからの転載です。
個人的に、ネズミも含め小動物が大好きで、都会の片隅で遊ぶ子ネズミを時間を忘れて眺めていたりします。親指ほどのこんな小さな体で、ひっそりときびしい自然の中で生きていることに感動すら覚えます。人家に住み着くことは無いそうですので、野生を見るのは難しいようです。