「トリノ聖骸布(The Shroud of Turin)」 やっぱリ本物?
不思議大好きな人なら知っているかもしれない、イエス・キリストの埋葬時に遺体を包んでいたとされている「トリノ聖骸布(The Shroud of Turin)」は2010年に一般公開すると、ローマ教皇ベネディクト16世に2008年に公表されている。
この布は、縦4.36メートル、横1.1メートルほどの杉綾織の亜麻布で、イタリア・トリノのヨハネ大聖堂に保管されているため、そう呼ばれている。2000年に行われた前回の一般公開では、100万人以上が来場した。
布の組織は1980年代、世界中の研究機関に配られ調査が行われたが、1988年に行われた放射性炭素年代測定に よる計測では、13~14世紀に縫合されたものだという結論が出された。しかし、最近行われた修復作業時に布の後ろ側で新たな縫合跡が発見され、調査を進 めた結果、縫合方法は当時のものであるとされている。
また、布は火災で焼けたため継ぎ足しされた部分があり、当時の分析に用いたサンプルと新たに提供されたサンプルとの比較分析では、バニリンと呼ばれる物質の分析調査から、以前の計測結果が修復部分のものである可能性が高いということもわかっている。
今月になって、別な研究機関が、1988年当時のサンプルを再調査した結果、サンプルは中世に修復した部分で、布自 体はやはり紀元前キリスト時代のものである可能性があると発表した。詳細は最新の調査を待たねばならないが、一度はニセモノ扱いされたこの布が注目されて いる。しかし、いまだになぜ写真のネガでしかわからない痕跡が残ったのかは不明で、一説には遺体に塗った油の化学変化といわれている。英国紙より