2021年12月

一帯一路は大きく北緯と南緯に分かれる。北緯は、中国からモンゴル、ロシアを横断してヨーロッパへ向かうルートだ。中国、カザフスタン、ポーランド、ドイツ、フランスへと、物流にかかる時間がこれまでの最長60日から18日までに短縮される。
一方の南緯は、中国からウズベキスタン、タジキスタン、イラン、イラク、トルコを結ぶ。こちらは石油や天然ガスといった重量の大き
な貨物の輸送ルートとなる予定だ。いわゆる「マラッカ・ジレンマ:The Malacca Dilemma」(中国のエネルギーや物流にとって死活的な意味を持つ南シナ海のマラッカ海峡Strait of Malaccaの安全航行がアメリカなどに事実上管理されている現状のこと)を回避でき、アメリカ海軍の影響が及ばないルートだと言える。参照記事
米CNNテレビは2021年12月23日、米情報機関の分析や衛星画像に基づく情報:左下 として、サウジアラビアが中国の技術支援を得て弾道ミサイルBallistic missileを製造していると報じた。
サウジが中国から弾道ミサイルを購入したことは知られているが、国産の製造作業が確認されたのは初めてという。敵対するイランに対抗する意図とみられるが、事実であればイランの反発は必至で、中東の軍拡競争につながるとの懸念が強まりそうだ。イラン核合意の再建に向けた米国とイランの間接協議に影響する可能性もある。参照記事 英文記事:US intel and satellite images show Saudi Arabia is now building its own ballistic missiles with help of China
、、、米国としては、石油絡みでイランともサウジとも関係を維持する中国が、中東情勢の中で実に厄介な存在なのは明確で、国名を挙げて中国を非難する意図もその辺にあると想像できる。この事は目新しい事では無く、トランプ政権時の2019年6月6日には、サウジアラビアが中国の支援で弾道ミサイル開発を大幅に加速しているとの諜報(ちょうほう)を米政府が入手したと報道していた。写真左は、当時2019年に米軍により公開されたサウジの
ミサイル製造施設で、今回公表した場所と同じなのが確認できる。参照記事 米国は旧知の事を今敢えて公表する事で、中国をこれまで以上に非難する意図なのか? イランとサウジが代理戦争をするイエメンでは、イラン支援のフーシ派が地上攻撃で政府軍を苦しめ、サウジ連合は連日の空爆でフーシ派に対抗している。英文記事
イラクのサダム・フセイン(
当時のフセイン大統領が「クウェートをイラクの19番目の州にする」と宣言して実行したクウェート侵攻は翌1991年、湾岸戦争Gulf Warに発展。
イラク軍に撤退を求める国連決議に基づいて、米軍主体の多国籍軍(米、英、仏、サウジ)がイラク側を陸海空から攻撃し、クウェートを解放した。イラクは敗戦後多国籍軍の監視下に置かれ、経済制裁を科せられることになった。英文記事 参照記事 映像:平成3年(1991)湾岸戦争 米軍・砂漠の嵐作戦: Operation Desert Storm
イラクのクウェート侵攻を機に2003年3月、ブッシュ政権の時イラク戦争が勃発した。結果は、同年5月にイラクの一方的な敗北で終結し、逃げ回った末にフセイン(
フランスでは2021年12月23日、8万8000人以上の新規感染者が確認された。これはパンデミック以降、過去最多の数となっている。保健相によると、感染者数はクリスマスにかけてさらに増加し、最終的には10万人に達する可能性が高いという。右図は、欧州での人口100万人当たりの7日間平均の新型コロナ感染者数の推移。英文記事 英文記事感染者数はイタリアでも増加を続けており、23日には4万4595人の感染が新たに確認された。これ以前の過去最多は4万900人で、2020年10月に確認されたものだった。
英国で22日、新型コロナウイルスの新規感染者数が10万6,122人となり、昨2020年春のパンデミック(世界的大流行)開始以降で最多を記録した。12月15日以降の8日間は1日当たりの感染者数が7万~9万人超の高水準で推移している。22日時点の入院患者数は8,008人と、11月22日以降で最多となった。一方、昨冬のピークだった1月18日の3万9,254人は大幅に下回っている。ジョンソン首相は先に、イングランドでクリスマス前に規制を厳格化しない方針を発表。ただ、引き続き新たな変異株「オミクロン株 Omicron variant」に関するデータを注視し、クリスマス後に新たな規制を導入する可能性は否定できないとしている。参照記事 参照記事
ドイツの南部ミュンヘンMünchenで22日夕方、新型コロナウイルスの規制に反対するデモが行われ、約5,000人が参加し、参加者の一部が暴徒化し、治安部隊と衝突。少なくとも1人の隊員が重傷を負ったほか、参加者11人が逮捕される事態に発展した。参照記事
日本政府は2021年12月24日、来年2月の北京冬季五輪について、閣僚など政府関係者の派遣を見送る方針を明らかにした。北京五輪には東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)の橋本聖子(Seiko Hashimoto)会長と日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕(Yasuhiro Yamashita)会長が出席する。
松野博一(Hirokazu Matsuno)官房長官は外交ボイコットという言葉を使わなかったが、北京五輪への政府代表団の派遣は「予定しておりません」と述べ、「わが国としては国際社会における普遍的価値である、自由、基本的人権の尊重、法の支配が、中国でも保障されることが重要だと考えており、こうしたわが国の立場については、さまざまなレベルで中国側に直接働き掛けている。五輪・パラリンピックは世界に勇気を与える平和・スポーツの祭典だ。北京冬季大会への日本政府の対応はこれらの点も総合的に勘案して自ら判断を行った」と説明した。
米、豪、英、カナダは今月、中国のイスラム系少数民族ウイグル人らに対する人権侵害などを理由に相次いで外交ボイコットを表明した。選手団も派遣しない完全ボイコットには至っていないが、中国政府は「(4か国は)代償を払うことになる」と反発した。中国政府はこれまで、日本の意向に「五輪憲章精神に反する」と非難している。参照記事 参照記事 参照記事
政府関係者を派遣しないことを岸田政権が決めたことについて、安倍晋三元首相は評価した。米国や英国なども派遣しないことを表明しており、朝日新聞の取材に対して「国際社会における同志国の戦列に加わることができた」と述べた。参照記事
2021年12月25日:絶滅した動物として有名なマンモスは約400万年前に登場し、1万年前頃に絶滅したと考えられてきが、マンモスの一種でありユーラシア大陸の広範囲や北海道、北米大陸に生息
していたとされるケナガマンモスWoolly mammothsのDNA(デオキシリボ核酸: Deoxyribo nucleic acid)から、マンモスが実際には5000年前まで生き延びていた可能性が示されている。
北米大陸で発見された「ケナガマンモスのDNAの断片が含まれる凍った土」が、過去10年間にわたり実験室の冷凍庫の中で保管され、このケナガマンモスのDNAを、オンタリオ州マクマスター大学人類学部の研究員であるタイラー・マーチーTyler Murchie氏ら研究チームが分析した結果、マンモスは現在のカナダ・ユーコン準州周辺 Yukon Territory in Canadaで約5000年前までバイソンやヘラジカとともに生存していた可能性が明らかになった。
マーチー氏によると、研究グループはユーコン準州中央部の永久凍土層から新手法で,殺菌したたがねを使って土壌サンプルを採取し,さらに小分けしてかき混ぜてから,「コールドスピン法」という方法で可能な限り多くのDNAを分離する。このDNAを既存の遺伝子ライブラリーと比較し,一致する生物種を見つけ出す。収集されたケナガマンモスのDNAの断片はひとつひとつは非常に小さなものですが、土壌中に大量の断片があったため、多くのDNA情報を集めることができた。DNAを分析することの利点について、マーチー氏は「化石化しない傾向のある生物を分析できること」を挙げています。
研究チームが3万年前から5000年前の土壌サンプルを分析したところ、更新世から完新世(1万4000~1万1000年前)あたりに絶滅したと考えられてきたマンモスが、これまでの想定よりもはるかに長く北極圏で生存していた可能性が明らかになり、マンモスは更新世から完新世への移行により急激に個体数を減らしたものの、このタイミングで完全に消えたわけではないことが示唆されている。しかし、北極圏の氷は急激な温暖化により溶け続けているため、「氷が溶けることで古代に関する貴重なデータを永久に失うこととなります」とマーチー氏は語った。参照記事 英文記事 英文記事 英文記事 参考:土のなかの古DNA
第207臨時国会が2021年12月21日、16日間の会期を終えて閉会した。文書通信交通滞在費(文通費)の問題を巡る法改正は見送られた。問題が浮上したきっかけは、衆院選で初当選した日本維新の会の小野泰輔衆院議員が投稿サイトに掲載した文章だった。10月は31日の1日しか任期がなかったのに、文通費は1カ月分の満額100万円が支給されたと明らかにした。それからSNSなどインターネット上で批判が相次ぎ、自民党の茂木敏充幹事長は11月16日の記者会見で「全額支給されることは違和感がある」と指摘した。しかし、変わらなかった。なぜか?
それは、与党が日割り支給への変更を優先すべきだと主張したのに対し、野党は日割り支給だけではなく領収書添付による使途公開なども求め、最後まで折り合えなかったからだ。国会議員の待遇に関することは「全会一致」が原則との慣例があり、それが障壁となった。
電話代や郵便代、交通費などの名目で国会議員に支給されている毎月100万円の文通費は、税金がかからないし、何に使ったか公開する必要もない。つまり、国会議員にとって非常に使い勝手のいいお金だ。しかし、もとは国民の税金である。在職1日で満額100万円はやはりおかしい。臨時国会で法改正できなかった政治的責任は軽くない。、、、、都合のいい既得権は手放さない、国会議員の非常識さ、がめつさが表面化した事案だ。公務員たるもの、実直で正義心溢れる人物でなければならない。そのベースは、個人の常識や道徳心、そこの社会の通念、正義であり一般国民の声であるべきだ。故に、政界等と言う、特殊な世界が在ってはならないのだが、、。 参照記事
イギリスの通信衛星を搭載したH2Aロケットが、2021年12月23日午前0時半すぎに鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、通信衛星は予定した軌道に投入されて
打ち上げは成功した。H2Aロケットの45号機はイギリスの通信衛星会社「インマルサット」の通信衛星を載せて23日午前0時半すぎに鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。映像ロケットは、補助ロケットや1段目などを切り離しながら上昇を続け、打ち上げからおよそ26分後に通信衛星を予定した軌道で分離し、打ち上げは成功した。
H2Aロケットはこれで39機
連続の打ち上げ成功で、能力を増強したH2Bロケットも含めると48回連続の成功となり、成功率は98%と世界でも最高水準を維持した。参照記事45号機は直径4メートル、全長53メートル。衛星が重いため、ロケットの上昇を助ける固体ロケットブースターを4本に増やして能力をアップさせた。 三菱重工によると、H2Aの海外からの打ち上げ受注は5件目。英国のほか韓国やカナダ、アラブ首長国連邦(UAE)からも受注している。
三菱重工と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、本年度中(来年の記事もある)にH2Aの後継となるH3ロケットの1号機を打ち上げるとしている。運用開始から16年が経過したH2Aは人工衛星の大型化で能力不足になっており、打ち上げ費用も約100億円と高額で国際競争力が低下。このためH3はH2Aより大きく、打ち上げ費用が半額の1回50億円で、より大推力(LE-7Aの約1.4倍)を発生させるエンジンが必要です。 H3ロケットには、これまで日本が開発してきた液体ロケットエンジンに比べて大推力エンジンを、安価かつ信頼性高く実現するために、これまでLE-5エンジンシリーズの開発・運用で知見を得てきた日本独自の「エキスパンダブリードサイクル:Expander Bleed Cycle」方式のエンジンシステムで「LE-9エンジン」を採用した。
エキスパンダブリードサイクルでは、推進薬である液体水素を燃焼室やノズルの冷却に使うと同時にガス化させて温度を上げ、そのガスでエンジンの駆動源となるターボポンプを動かします。
この方式は、エンジン全体のパーツ数を減らすことができ、異常な燃焼状態になりにくいなどの特長があり、高信頼性と低価格を高いレベルで両立させるエンジンサイクルで、このエンジンは日本が世界で初めて実用化し、その後改良を重ね、現在もH-2Aロケットの第2段エンジンとして使用されている。実用エンジンとして使っているのは日本だけであり、他のエンジンと比べて、頑丈で壊れにくいため、低コスト化に加えて信頼性、安全性の向上も期待できる「日本独自のエンジン」でもある。 参照記事 参照記事 参照記事
ベラルーシBelarus政府は2021年11月29日、ウクライナとの国境付近でロシアと共同軍事演習を実施すると発表した。また、北大西洋条約機構(NATO)がベラルーシの国境付近で攻撃能力を強化していると非難した。
米国、NATO、ウクライナUkraineによると、ロシアはウクライナとの国境付近に軍を集結させているが、ロシア側は攻撃の意図はないと主張。ベラルーシは難民流入を巡って欧州連合(EU)と対立し、ベラルーシのルカシェンコ大統領は11月29日、ウクライナ東部で紛争が勃発した場合やロシア国境で西側諸国との戦争が起きた場合、傍観することはないと表明し、ロシアに協力する方針を明確にした。
ベラルーシと国境を接するEU,NATO加盟国のリトアニアLithuaniaは11月28日、ベラルーシがロシア軍との関係を強化しており、ベラルーシに対するNATOのスタンスを変える必要があると訴えた。ウクライナは現在、EUにもNATOにも加盟しておらず、ロシアは米国に対しウクライナをNATOに加盟しない確約を求めている。参照記事 参照記事
リトアニア側からの新たな追加要請を受け、米国は341発のFGM-148ミサイル(ジャベリン:FGM-148 Javelin)、及び30基の発射装置を供給する取引を交わした。米国務省はこれらの兵器売却を総額1億2500万ドルで売却することを承認し、ペンタゴンは連邦議会に売却の可能性を報告した。米国はすでに、ウクライナに対戦車ミサイル「ジャベリン」を含む武器弾薬を引き渡し、軍事訓練も行っている。過去ブログ:2021年12月ロシアの軍事脅威とウクライナの失敗
2021年12月17日にEU,NATO加盟国チェコで、フィアラ首相Czech prime minister Petr Fiala率いる連立新政権が誕生したが、新政権はこれまでのゼマン大統領やバビシュ前首相による親中親ロ、反米反欧路線を転換して、米国やドイツとの関係強化に乗り出す構えで、外交では、EUや北大西洋条約機構(NATO)との関係を重視する方針を打ち出している。チェコは22年7月からEU議長国を務めるため、加盟国からの支持が欠かせない。
反移民などを訴えてきたバビシュ前政権は、EUと対立することが多かった。しかし、チェコにとって難しいのは近隣のポーランドとハンガリーとの向き合い方だ。中欧4カ国(ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー)は地域協力の枠組み「V4:ヴィシェグラード・グループ・Visegrád Group」を形成しているが、ポーランドとハンガリー両国は法の支配や人権問題でEUと対立している。チェコが接近し過ぎればEUからの批判の的になりかねないからだ。チェコは対中関係では反中国路線の第2のリトアニになるとも言われているが、連立政権であるため、前途多難に見える。左図青色は、EU加盟国の中のV4諸国。 参照記事 参照記事 英文記事
ロシアのプーチン大統領 Russian president Vladimir Putin は、2021年12月21日、モスクワの国防省で開かれた会合で演説し、ウクライナがNATO=北大西洋条約機構に加盟しないことを法的に保証する協定が必要だと一方的に主張し、アメリカとの交渉のなかで、要求していく姿勢を強調しました。このなかで、緊張が高まっているロシアと隣国ウクライナUkraineの情勢について「アメリカやNATOのミサイルが、ウクライナに配備されたら、モスクワには7分から10分で到達する。われわれにとって深刻な課題だ」と述べ、アメリカなどがロシアの国境周辺で緊張を高めていると批判し、「口約束ではなく、少なくとも法的な拘束力のある協定を結ぶべきだ」と一方的に主張し、さらに「欧米諸国が攻撃的な路線を続けるのであれば、われわれは軍事的、技術的な対応をとり、非友好的な措置に対して厳しい対応をとる」と述べ、軍事的な行動も辞さない強気の姿勢を示した。参照記事 過去ブログ:2021年12月緊張高まるNATO、ロシア間 互いに軍事圧力を非難
これより先、ロシア連邦外務省は12月17日、ロシアと米国、及び、ロシアと北大西洋条約機構(NATO)の間の合意文書案を公開した。同案には、ウクライナのNATO非加盟要求が含まれている。米国との合意案の第4条には、米国がNATOの更なる東方拡大を排除すること、過去にソ連構成国だった国家をNATOに受け入れることを断念することを義務として受け入れることが提案されている。また第4条には、米国に対して、旧ソ連構成国であり、NATO加盟国ではない国の領土に軍事基地を創設しないこと、これらの国のインフラを軍事活動に利用しないこと、それらの国と2国間での軍事協力を発展させないことが要求されている。
その他の条項には、ロシアと米国の領土に到達し得る地点への中距離・短距離ミサイルの展開をしないこと、相手の領土の対象物を攻撃し得る距離の地域における軍艦・重爆撃機の展開を控えることなどが提案されている。
NATOとの間の合意案には、双方は、互いを敵としてみなさないこと(第3条)、*1997年5月27日時点でNATO加盟国だった国々は、自国軍と兵器をその他のNATO加盟国に配備しないこと(第4条)、互いの領土に到達し得る地点への中距離・短距離ミサイルの展開をしないこと(第5条)、ウクライナやその他の国の非加盟含む、NATOの不拡大(第6条)、NATO加盟国がウクライナやその他の東欧諸国、コーカサス地方、中央アジアの国での一切の軍事活動を断念すること(第7条)、などが提案されている。(*プーチン氏は1991年12月25日のソビエト崩壊後のエリツィン政権によって1999年8月9日に第一副首相に任命され、2000年から大統領。)
これに先立ち、2021年12月10日、ロシア外務省は、ウクライナとジョージアGeorgia(旧グルジア)が将来NATOに加盟するとする2008年のNATOの決定を無効化することを要求する声明を発出している。
この声明に対して、ストルテンベルグNATO事務総長Mr. Jens Stoltenberg, NATO Secretary Generalは、欧州の全ての国家が持つ、自らの道を決める権利について、譲歩することはない、とロシアの要求を拒否する姿勢を明確にしている。
ジョージア外務省は12月11日、同国はロシアによる北大西洋条約機構(NATO)拡大要求は受け入れられないと発表している。 ウクライナのゼレンシキー大統領Ukrainian President Volodymyr Zelenskyは、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)へ加盟しないことの保証をロシア連邦が求めていることに関して、ロシアが過去に自らが約束した保証を破っていることを喚起している。(ウクライナの独立はソ連崩壊時の1991年12月)
バイデン米大統領United States President Joe Bidenは2021年12月9日、ゼレンシキー・ウクライナ大統領との電話会談の際、ウクライナに関する全ての決定はウクライナ抜きで採択されることはないとする原則を確認している。
12月16日、北大西洋理事会(NAC)がウクライナ国内(被占領地)とその周辺の情勢に関する声明を発出し、同声明において、NATO加盟国は、全ての国が外部からの干渉を受けずに自らの将来を決める権利を支持するとし、「NATOのウクライナとの関係は、ウクライナとNATOの30の加盟国だけの問題である」と改めて表明している。参照記事
、、、ロシアの要求が、各国の内政や民族主義を刺激する結果を招き、解決をより複雑で遠のかせることになるのではと思うが、敢えてそれを承知での、過去の提案の厳格化を求めるプーチン発言なら、2022年1月にロシアが軍事攻勢をかける可能性が高いという米国の分析が現実味を帯びてくる。ロシアとしては、NATOの態度が曖昧で、それが地域紛争を助長しているという口実を掲げるのだろうか?
ロシアが欧州連合(EU)とウクライナ国境緊張などで対立を生じさせている中で、ロシアから欧州に向かう天然ガス供給量が急減したとロイター通信が2021年12月21日に報道した。ロシアの「エネルギー武器化」により冬季の欧州でエネルギー大乱が現実化するとの見通しが出ている。「ヤマル・ヨーロッパ:Yamal-Europe(YEP)」はロシア西部トルジョークからベラルーシのミンスク、ポーランドを経てドイツ東部フランクフルトに至る2000キロメートル以上のガスパイプラインだ。ロシア国営ガス会社ガスプロムGazpromが運営し欧州へ向かうロシア産ガスの20%を供給する。EUは天然ガス輸入量の40%以上をロシアに依存している。 パイプ図参照記事
ロイター通信はこの日ドイツのガス企業ガスケードの資料を引用し、ロシアからベラルーシとポーランドを経てドイツに向かうパイプライン「ヤマル・ヨーロッパ」のガス供給が12月18日から減少し、21日未明に停止。その後、ガスが流れる方向が逆転したことがドイツのパイプライン管理会社、ガスケードのデータで示された。ロシアからドイツに流れるガス供給は一時中断後にドイツからポーランドに供給方向が変わりドイツでガス供給難を引き起こしかねないと通信は伝えた。同パイプラインの流れが東向きに変わったことを受けて、欧州のガス価格が過去最高を記録した。参照記事 参照記事西側諸国の政治家や産業界の専門家の一部は、ウクライナを巡る政治的緊張やノルドストリーム2の承認の遅れを理由に、ロシアが欧州へのガス供給を抑えていると非難している。ロシアはその関連性を否定している。ロシアのペスコフ大統領報道官は21日の記者会見で、ヤマルの流れとノルドストリーム2との関連についての質問に「(ノルドストリーム2との)関連は全くなく、これは純粋に商業的な状況で起きている」と答えた。
11月にはヤマル経由のガス量と方向が、ポーランドへの東方向と西方向で交互に変わる状態が続いていた。ヤマルのパイプラインからガスを調達しているガスケードは21日、要望に応じてガスを輸送しているとして「状況に応じて、どちらかの方向により多く輸送するのか指示を受けている。それが方向を変更する理由だ」と述べた。
エナジー・アスペクツの欧州ガス部門責任者、ジェームズ・ワデル氏は「今冬、欧州には貯蔵の余裕がほとんどなく、例年に比べて輸入に大きく依存している」とし、「さらにガスプロムは従来、欧州への供給量の約20%をポーランド経由で出荷してきたが、今年はこの流れが安定せず、欧州が実際にロシアから受け取るガス量について不確実性が高まっている」と指摘した。天然ガス価格がLNG価格へ影響する事から、LNG輸入の多い日本にとっても注視すべき問題だ。 参照記事 過去ブログ:2021年11月中断相次ぐ「ノルド・ストリーム2」とガス価格高騰の要因 参考:欧州ガス高騰、アジアに波及 国内の電気代も高止まり
台湾は2021年12月21日、韓国が台湾の唐鳳(オードリー・タン、Audrey Tang)政務委員(閣僚)を会合に招待して講演を予定しながら、「両岸関係」を理由に講演直前に中止したことを受けて、台湾が韓国に抗議したと発表した。
「両岸」は、外交では台湾海峡(Taiwan Strait)を挟む中国と台湾を指すことが多い。台湾外交部報道官は、同部が駐台湾の韓国代表代理を呼び「この失礼な行為について強烈な不満を表明した」と述べた。韓国は台湾と国交を持ち、正式な外交関係がない。韓国外務省報道官は「台湾と非公式な交流を深めていきたいという政府の立場に変わりはない」と説明したが、土壇場で中国から横やりが入ったと見るのが妥当だろう。韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領は12月、米国などが表明した北京冬季五輪の外交ボイコットは検討していないと述べ、韓国は中国と円満な関係を築きたいとの考えを示し、朝鮮半島(Korean Peninsula)に平和をもたらすには、北朝鮮の最大の支援国である中国政府と協力する必要があると述べていた。参照記事
、、、、公式であれ非公式であれ、韓国が台湾へは近寄れば中国が激怒するのははっきりしており、まだ自国の立場を分かっていないのだろうか?CTTPP(環太平洋パートナーシップ協定)への参加申請もするという韓国だが、北朝鮮への瀬取り疑惑や、日本が要求する輸出管理手続きを杜撰に行った事にも、未だに輸出規制だと自国の放漫さを棚に上げる態度に対して、日本は台湾のCPTPP加盟を促進して、両国で韓国の加盟に拒否をするべきだ。日本が邪魔をしたと騒ぐだろうが、親中韓国の為にはそれがベターで、また、不買運動までされた日本には,
そうする十分な理由があると思うが、、。筆者は、韓国はこの事に先手を打とうと、台湾へ声をかけたと見ているが、台湾を激怒させるに終わったようだ。
中国経済の実質はマイナス成長とも言われ、内需の拡大でGDPを成長する方策を取りつつある。その結果は、特殊なものを除き、海外製品は締め出され、中国への経済依存度が高い韓国経済は大きな影響を受けるだろうが、韓国は中国の手のひらからは飛び出せない。もし韓国が、中国に対し面従腹背が可能だと思ったのなら、実に浅知恵と言うしか無い。その中国も、今後の経済、内政は決して安泰では無いと分析されている。参考:中国・中央経済工作会議の中身から「習近平体制転覆の可能性」が見えてきた
内閣府の有識者検討会は2021年12月21日、太平洋の岩手県沖から北海道沖にかけて日本海溝・千島海溝沿いで起きるマグニチュード(M)9クラスの巨大地震について被害想定を公表した。沿岸部を震度6強~7の揺れが襲い、30メートル近い津波が押し寄せる。
最悪の場合、日本海溝モデルの死者は19万9000人、経済被害は31兆円に上ると推計している。千島海溝モデルは北海道の襟裳岬の東方沖を想定震源域とし、北海道厚岸町は震度7、えりも町は震度6強の揺れに襲われるとしている。
えりも町の津波は最大27.9メートルとなり、根室市や釧路市にも10~20メートル以上の津波が押し寄せる。早いところでは地震発生から20分前後で高さ1メートルの津波が到達するとされ、避難の時間は限られる。
別の組織である政府の地震調査委員会は21年1月1日時点の評価として、30年以内に日本海溝で東日本大震災のようなM9級の地震が起きる確率はほぼ0%としている。ただ、青森県や岩手県の沖合でM7.9の地震が起きる確率は最大30%と算定している。
千島海溝では300~400年の間隔でM9前後の地震が発生してきたことがわかっている。直近は江戸時代の1600年代に遡り、すでに400年以上たっている。
地震調査委によると、千島海溝でM8.8以上の地震が発生する確率は30年以内に最大40%。根室沖でM7.8~8.5の地震が起きる確率は80%程度とされる。参照記事
確定死刑囚3人の刑が2021年12月21日午前に執行されたことが、関係者への取材で分かった。死刑執行は2019年12月以来で、岸田政権で初めて。古川禎久法相が命令した。法務省によると、3人は兵庫県加古川市の7人刺殺事件の藤城康孝死刑囚(65)と、群馬県伊勢崎市のパチンコ店員殺害事件の高根沢智明(54)、小野川光紀(44)両死刑囚。 前回の執行は19年12月26日。福岡市で03年に一家4人を殺害し、強盗殺人などの罪で死刑が確定した中国人の元専門学生魏巍元死刑囚=執行時(40)=だった。2020年は日本の死刑執行は、9年ぶりにゼロだった。今回の執行で確定死刑囚は108人となり、このうち59人が再審を請求しているということです。過去ブログ:2019年12月福岡市一家4人殺害事件の中国人留学生に死刑執行 参考:藤城康孝と高根沢智明と小野川光紀の3死刑囚の死刑執行 加古川7人殺害事件 群馬パチンコ店員連続殺人事件
報告書によると、世界で2020年執行された死刑は483件だった(中国、北朝鮮、シリア、ヴェトナムを除く)。うち88%はイラン、エジプト、イラク、サウジアラビアの中東諸国で行われた。中国は毎年、数千人の死刑を執行しているとみられている。アムネスティは報告書で中国を死刑執行が最も多い国としているが、統計が公表されていないことから、実数は不明だ。参照記事
深刻な人道危機に陥っているアフガニスタンを支援しようと、イスラム諸国が緊急の会合を開き、食料の調達などに取り組む国際的な人道支援基金 a humanitarian trust fundを設立することが決まった。
foreign minister Amir Khan Muttaqi:左 のほか、米中ロ、中東やアジア、それにアフリカや国連、欧州連合(EU)の57の国や地域の外相などが出席し、2021年8月のタリバンの権力奪取後、アフガンに関する最大規模の国際会議となった。アフガニスタンでは経済の混乱から国民の6割が食料不足に直面し、公務員や教師への給与の未払いも続いている。パキスタンの
カーン首相Pakistan's Prime Minister Imran Khan, center,:右 中央 は「タリバンが復権して以降、外国の支援は止まり、海外資産は凍結されている。このような状況ではどんな国でも崩壊するだろう。世界が支援に動かなければ、人類が引き起こす最大の危機になる」と述べ、各国に支援を呼びかけた。参照記事 英文記事 参照記事
、、、まだ具体的な基金が組まれてはいないが、自由主義国の多くがタリバン政権を承認しない中で、前アフガン政権の海外資産凍結は止むを得ないとも思える。個人的には、イスラム圏の支援はイスラム諸国が団結して行うべきだと思っている。過去にアフガンでの伝染病対策の接種でボランティアが宗教的な意味合いで妨害され、また、食糧援助と言っても、イスラム教では禁止されているものも多く、かといって資金援助では、支援体制が未発達な国では汚職で食いつぶされるのが落ちだ。人権や自由より宗教教義が優先し、部族問題も多いイスラム圏では、西側からの従来の支援は行き渡らず、実行力に疑問はあるが、このようなOIC主導の会議はもっと早い時期にされるべきだった思う。しかし、加盟国間の利害が一致せず,対応が大きく分かれる問題に関して、しばしばOICは有効に対処できないことが欠点と言われ、13億人のイスラム社会を代表する機関ではあるが、余り期待はできないのが現実だ。一方、写真だけ見ても、太りきったタリバンが飢餓救済を訴えるのは滑稽でしかなく、恐怖と厳罰で政権を維持するタリバンへの非難は止めてはならない。国連世界食糧計画(WFP)は2021年10月25日、アフガニスタンに緊急人道支援を直ちに届けなければ、この冬に数百万人が餓死すると警告した。今、次の会議の為の会議をしている様では、とっくに遅すぎるのだ。 参照記事 英文記事
中国が豪州を輸入禁止処分にした結果、「AUKUS:オーカス」(米英豪)という軍事同盟がつくられ、中国は致命的な打撃を受けることになった。この失敗を忘れて、また愚策に走っている。
台湾は2021年11月18日、リトアニアRepublic of Lithuaniaに事実上の大使館である代表機関を開設した。名称は欧州では初めて「台湾」の名称を用いた。 これに対し中国は、リトアニアと台湾との国交に露骨に反発し、リトアニアは、すでに駐中国大使館を一時閉鎖して、全員が本国へ引き揚げた。中国は、さらにリトアニアへ追い打ちを掛け、今、ドイツの自動車部品大手コンチネンタル(Continental AG )は中国から、リトアニア製部品の使用を中止するよう求められている。
『日本経済新聞 電子版』(12月18日付)「中国、独車部品大手に圧力 リトアニアとの外交問題波及」によれば、コンチネンタルはリトアニアで電子制御ユニット(ECU)などを生産しており、中国の要求を受け入れればリトアニアの工場から中国への供給ができなくなる。リトアニアで生産する部品を使う自動車部品の納入先は明らかにしていないが、コンチネンタルの顧客にはドイツの自動車メーカーのほか、トヨタ自動車やホンダなど世界の多くの自動車メーカーが含まれる。独メディアによると自動車部品世界最大手の独ボッシュもリトアニアで部品を生産している」、、、、中国は、リトアニアを「小国」と軽く見ているが、この背後にはEUが存在する。EUが黙って、中国の仕打ちを見ていると考えているとすれば「大甘」である。EUは、すでに結束してリトアニアを守る姿勢を見せている。EUは、台湾へかなり傾斜している。台湾の民主主義を擁護すると同時に、台湾の半導体企業のEU進出を希望しているからだ。こういう二つの面から、EUのリトアニア擁護は既定路線になっている。
リトアニアが直接、中国へ輸出しているのはリトアニア輸出全体の1%に過ぎない。これでは、中国が圧力を掛けても威力はない。そこで中国は、多国籍企業に対してリトアニア製の部品を使用した製品の販売・調達を認めないと新たな圧力をかけ始めた。
EUの欧州委員会は12月8日、EUと加盟国に経済的な手段を使って圧力をかける第三国に対して、「貿易関連の制裁を科せる制度案」を公表した。原則として加盟国に諮(はばか)らず、EUが独自に判断できるのが特徴。一方的な行動が目立つ国際社会で迅速に対応できる能力を備える目的だ。今回の制度案策定の念頭には、台湾との関係を深めるリトアニアに圧力を強める中国の存在を前提にしている。中国によるリトアニアへの圧力について、EUの外相に当たるボレル(Josep Borrel)外交安全保障上級代表とドムブロフスキス(Valdis Dombrovskis)上級副委員長(通商政策担当:ラトビアの元首相)は声明でリトアニアの貨物が中国の税関で止められているとの情報があるとして「EUはあらゆる政治的圧力や強制的な措置に立ち向かう用意がある」と訴えた。
ドムブロフスキス氏は、中国と欧州連合(EU)が2020年7月28日、第8回経済貿易ハイレベル対話をテレビ会議方式で中国・EU投資協定交渉など幅広く協議を行った際に、劉鶴(Liu He)中国共産党中央政治局委員・国務院副総理と共同議長を務めた人物だ。 参照記事 参照記事 英文記事 過去ブログ:2021年11月独メルケル首相 中国との関係で反省述べる 米国は?
