2015年06月
同国では今月、2013年の政変でシシ国防相(現大統領:アブデル・ファタハ・アル・シシAbdel-Fattah el-Sissi :Al-Sisi)に解任されたモルシ前大統領Mohammed Morsi:写真上右 に死刑判決が下されたばかり。地元メディアによると、事件後に前大統領支持者とみられる組織がインターネット上に犯行声明を出したが、その後、撤回されたとの報道もある。最近、仲間6人が絞首刑を執行されたIS系イスラム組織も、司法当局を襲撃すると叫んでいた。
エジプトで政権中枢の要人が狙われた事件としては、2013年9月の内相暗殺未遂事件以来。最近は治安当局者のほか、司法関係者が狙われる事件が続いていて、検事総長も幾度となく脅迫を受けていた。映像 映像 参照記事 英文記事 参照記事 過去ブログ:2015年1月シナイ半島でIS同盟組織が活発化 エジプト 2014年11月シナイ半島にISとの同盟組織が誕生 エジプト 2013年7月軍部が仕切るエジプト これがアラブ式統治か? 7月先が読めない国 エジプト
爆薬は、過去に内相暗殺テロで使用された特殊な強力なもので、装甲仕様の検事総長の車のほか、11台の車や周辺に大きな被害をもたらした。クーデターと暗殺が頻発するエジプトで、不謹慎ながら筆者も予想はしていた暗殺だが、そんなカイロ市内で車列を組んで自宅から出勤とは余りにもお粗末な治安体制だというしかない。相手は自爆攻撃もする過激派である。恐らく今後も暗殺は続くだろう。
エジプトの刑事裁判所は2015年5月16日、、2011年の反政府デモに際し、支持者らに刑務所を襲撃して囚人を脱獄させた被疑で、モルシおよびムスリム同胞団幹部・支持者ら105人(あわせて106人)を「死刑に値する」と表明し、6月16日、刑事裁判所は脱獄幇助の被疑について、モルシ前大統領に正式に死刑判決を下している。
2015年7月1日:上記の事件後、シシ大統領が国内治安の強化を宣告したばかりの1日、シナイ半島北部 Sheikh Zuweid周辺の政府軍の検問所など6か所がIS系過激派の自爆攻撃を含む一斉攻撃を受け、政府軍兵士60人ほどが死亡した。組織は「エルサレムの支援者(アンサル・ベイト・アルマクディス Ansar Bait al-Maqdis:ABM」と名乗る組織で、この付近で多くのテロを起こしている。過去彼らは、イスラエルや現エジプト政権にゲリラ戦を仕掛け、Gazaガザ地区では「 Islamic State in Gaza」の名前で活動し、2014年11月7日にはエジプト政権へ「終わりなき戦い」を宣告している。政府側は攻撃ヘリで攻撃し、過激派10数名を殺害したとされる。数日前には、政府軍が組織のアジトを攻撃し、11人を殺害している。参照記事 参照記事 過去ブログ:2015年1月シナイ半島でIS同盟組織が活発化 エジプト
2015年6月29日のクルド側の記事は、イラク首相Iraqi Prime Minister Haider Abadi がクルド政府へ、2014年に取り交わした原油売却の取り決めに沿って、イラクへ原油を売却するように要求したcalled onと報じている。取り決めでは、日産55万バレルのクルド産の原油をイラクへ売却し、クルドはその17%の収益を得ることになっている。イラク側の声明は、6月中旬に、クルド側がパイプラインでのイラクへの原油供給を止めたことで出された。
クルド側の言い分は、イラク側が取り決めに沿って支払いを行っていないことによるものだと強調し、クルド政府はすでにイラク政府に対し、クルドから原油を買うのか、2014年の取り決めを破棄するかの選択を迫ったと報じている。上の図は、緑色で原油とガスのパイプラインを示している。緑色の帯が油田地帯。上の地図の、緑はIS影響地域、茶色は、クルド人の居住分布を示している。
どちらの言い分が正しいのかは別にして、資金不足と政治的混乱、さらに慢性的な汚職体質のイラクが正常な運営をするとも思えない。イラク南部に豊富な油田があるとはいえ、イラクはクルドを抑えるためにもクルド地域の原油を抑えたいはずだ。クルドがトルコ経由で輸出したとすれば、トルコ政府も協力したことになるだろう。その相手が、イラクを支援するシーア派国家イランの宿敵イスラエルなら問題はより複雑で、いずれは起きるだろうと想像したイラクとクルドの関係がすでにきな臭くなってきた。従来、イラク国内の油田はイラク中央政府が一元管理し、その売却価格の一部を各地の支配部族へ配分する方法を取っていたが、度々(たびたび)その分配比率や油田の権益を巡って、わだかまりを生じていたいきさつがある。特に、クルドが主張する「クルド管理地域’(ここには多民族が混住する)」内の権益については問題が多い。 過去ブログ:2015年2月クルド首相が語る近未来
政権崩壊後のイラクではアルカイダ系が内戦を引き起こし、その後の米軍撤退後のイラクには「イスラム国」がシリアから乗り込み、今も混乱の一途をたどっている。「多民族国家イラク」では現在、イラク・シーア派政権がイラン、欧米の空爆支援を受けながら、シーア派民兵、イラク治安軍、レバノンのヒズボラまで参加してIS撃退に一進一退を繰り返している。
イラク中央政府から迫害を受けていた国内最大勢力スンニ派部族の一部もISとの戦闘に参加し、実に複雑な状況を呈しているが、結論からいえば、この複雑な状況から、紛争が落ち着いても、イラクの政治的混乱は止むことはないだろうとされている。長く続いたスンニ派弾圧で、スンニ派ぬ族はシーア派イラク政権に恐れを抱いており、従順になることは無いと想像されている。
ロイターは「イスラム国は最近、イラクの要衝ラマディやシリアの世界遺産都市パルミラなど、注目度の高い場所を制圧した。「旧来の」アルカイダとは違い、領土を抑えることは彼らの存在理由の核となっている。、、イスラム国が自ら公言する目標の1つは、イラクとシリアの国境を解体し、新たな「国家」を築くことにある。しかし多くの専門家は、両国の崩壊は大きな混乱を招くため、ほぼ誰も望んでいないと指摘する。イラクのスンニ派とシーア派とクルド人は、お互いに忌み嫌っているかもしれないが、それぞれ別の国家になるのは無理がある。スンニ派とクルド人はシーア派の多いイラク南部の石油収入の恩恵を受けており、一方で小さなシーア派国家(イラク現政権)だけでその石油資源を守ることはできないはずだ。 」と書いている。このことは、各勢力がイラクからのIS撃退で協調はしても、イラクを一つの勢力が支配することはなく、イラクには、多民族国家としての存続しか方法が無いようだとの予測に至っている。将来の状況を少しでも良く変えるには、イラク政権が、スンニ派にとっても安全なイラクの未来図を作成することが肝心だと指摘されている。
シリアについては、西側などの当局者の多くは、米ロと地域大国の間などシリア以外の場所で、今後に向けた大枠が決まるとみている。それには、訴追免責などアサド政権側への譲歩が含まれるかもしれないと予想している。よく言われるのは、アサドを退陣させ、新政権のもとに新たな多民族国家としてシリアを再生させる案だが、個人的にはイラクより難しいのではと思っている。その時の、北部トルコ、南部イスラエル、西部レバノン、の出方が読めず、東のイランがどのように介入して来るか予想も付かないからだ。さらに、ロシアのプーチン大統領が、「シリアをリビアやイラク化させないためにアサド政権を擁護する」との発言を繰り返していることは、欧米と大きな対立を生むだろう。 参照記事 参照記事 参照記事
シリアでは最近、ISによるラッカRaqqaからトルコ側へ、またコバーネKobaneへの攻撃は失敗したが、シリア政府軍のいるハサカHasakehへのISの攻撃が再燃している。シリア軍はデリゾールDeir ez-Zor近郊の飛行場も死守している。イラクでは、キルクークKirkuk南部、タル・アファールTall・Afarへの空爆で多数のIS兵士が殺害されているが、米軍は幾度か、空爆だけではISはせん滅できないと発言している。ISは、米軍が空爆を避ける民間居住区に多くが潜伏しているからだ。いい例がシリアのラッカRaqqaで、米国はラッカ中心部にあるISIS本部や作戦司令部があるとみられる複数の建物を確認したが、近辺に民間人が居住しているため空爆に踏み切れていないという。米情報機関によると、ISISはラッカ市の北部方面でクルド軍の接近を警戒し防御態勢を強化している。同組織がこれまでの防御戦術で見せてきた塹壕(ざんごう)や障害物の構築、仕掛け爆弾の設置などが目に付くという。イスラム国がカリフ領土を主張して攻撃を開始してから、6月29日で1年になる。参照記事 過去ブログ:2015年6月ISがトルコ側から侵入、シリア北部で反撃に出る シリア
現在イラク空軍は、フセイン時代の老朽化したソビエト製スホイ・ジェットを使用しており、また、フセイン政権崩壊時、多くのパイロットが暗殺されたりヨルダンなどに亡命したため、イラクは人材事態がかなり不足している。目前のラマディ攻略作戦の遅れもF-16戦闘機の引き渡し遅れが原因の一つとされている。英文記事では、渡米しているイラク人パイロットは今回練習中だったパイロットだけとの記述もあり、また彼がすでに米国で4年間訓練を受けていたという内容から、練習生というより、イラクでF-16の教官を務めるクラスの要員ではないかと想像できる。現在多くのイラク人パイロットはヨルダンの米軍空軍基地に待機中だが、今回の事故や訓練不足からさらにF-16配備が遅れるようなら、米国人パイロットのイラク内攻撃参加もあるのでは?公表はされないだろうが、、。現在米国機によるシリア、イラクでの空爆は米国人パイロットにより行われている。写真下は、トルコ空軍に配備されているF-16。参照記事英文 過去ブログ:2015年6月イラク側は資金、人材不足でラマディ攻撃に遅れか? 5月シリア、イラクの行方 2015年5月
昨日7時半位に、何気なく家の中の階段の小窓から外を見ると、一匹のキツネがエサ場に入って行った。姿からセイヤだと確信した。もしそうなら、会うのは2週間ぶりだ。
すぐに外に出ると、何と玄関の近くに座って待っていた。いつもなら、食べ終わるとまっすぐ帰るのに、まるで、こちらが出てくるのを察したかの様だった。
「久しぶりだな!元気だったか」と声をかけると、以前のように近くに寄ってきてこちらの目をのぞきこみ、周りを走り回る。何となく、会えて喜んでいるように見える。(写真は以前のもの)
エサは食べ終わっていたが、もう少し上げようと、追加のエサをとりにもどり、エサを置いて家に戻った。
気になって小窓から見ていると、エサ場にセイヤが行くと同時に、その後ろの道に別なキツネが現れた。
現れた方向は、セイヤの来る方向と反対側からで、ためらうことなくセイヤのほうへ走り寄り、エサ置き場の右に二匹並んだ。後から来たキツネはすぐに地面に横たわり、セイヤが顔をすり寄せている。暗くなりかけた中でも、二匹の仲の良さははっきり見て取れる。立ち上がった二匹は鼻と鼻をすりよせるように向かい合い、体系もほぼ同じな二匹が左右対称に向かい合ったシルエットは、きれいな上に長い二等辺三角形で、そのままの姿で二匹は長いこと動かなかった。左は拝借したイラストだが、二匹はもっと近ずき、顔と顔が重なるほど近づいていた。キツネには何かと三角が似合う。
やがて二匹は暗闇に消えたが、それからしばらく勝手なストーリーを考えてみた。
以前は早い時間に現れていたセイヤに仲のいいキツネができた。恋人といってもいいだろう。しかしこのキツネは警戒心が強く、暗くなってからしか行動しない。もっとも、それが普通の野生のキツネで、明るいうちに現れ、呼べば走り寄ってくるセイヤが特殊なのだ。ここで2匹が会いたくても、日没が遅くなった分、我が家の付近では人が作業し、最近は敷地内で倉庫を借りた人の出入りも多い。明るいうちは、セイヤと会いたいキツネは近寄れないだろう。セイヤは警戒心の強いキツネに合わせ、行動時間を遅くしたのではないだろうか?二匹の住んでいる中間点が我が家付近で、昨日はそこで偶然デートになったのではと想像した。
とにかく、たまに別なキツネが来ている可能性もあるが、セイヤが元気で、エサを食べに来ていることが確認できたのでほっとした。そして昨日の行動から、セイヤは食べに来るだけでなく、会うのも楽しみにしているのを感じて幸せな気分になった。いろんなドラマを見せてくれるキツネたちに感謝である。セイヤの、ダニで毛抜けしていた尻尾もほとんど回復していた。セイヤが毎日来れないほど遠くに移り住んでも、思い出したらおいで。エサは毎日用意している。
2015年6月28日:27日の夜は雨でキツネは現れなかった。今日28日、夜10時にエサの食器を下げに行くと食べた形跡がある。周りの暗闇の中で、懐中電灯の光に反応して目が光った。うっすらと見える姿は、小柄なセイヤに似ているが寄ってこないのでセイヤではない。
すべてが理解できた。このキツネはおとといの夜に、セイヤと仲良くしていた、あのキツネだ。
セイヤはエサ場を譲り、自分はたまに来るのだろう。セイヤが食べたかどうかは、出している何種類かのエサの食べ方でわかる。今は気温も高くエサも豊富だろうから、セイヤは自分で狩猟し、恐らくこの若い未熟なキツネにエサ場を教えたのではないだろうか?こう考えれば、同じエサ場で二匹のキツネが喧嘩もしない状況が理解できる。セイヤが毎日通って約1年。セイヤも大人になったということだろう。一度明るいうちに、新米のキツネに会いたいものだ。
2015年6月26日:フランス南東部リヨンLyon近郊サンカンタンファラビエ(Saint-Quentin-Fallavier)で2015年6月26日午前10時ころ、イスラム過激派によるとみられる、配送車に偽装した車が米ガス会社敷地に侵入し、ガスコンテナを爆発させる事件が発生した。警察筋によると、1人が死亡(配送会社のマネージャーで配送業務中だった)し、負傷者も複数出ているという。仏メディアによると、現場で頭部を切断された遺体のほか、遺体近くでイスラム教に関連する文字が書かれた旗や遺体の頭部でアラビア語の書かれたメモが見つかったとされる。地元テレビはIS系組織のメンバーと思われる30代前後の男性容疑者1人が身柄を拘束されたと伝えたが、犯行が彼一人によるものかなど詳細は不明だが、犯行にはもう一人いたとも言われている。目撃証言では、容疑者はアラビア語の書かれた黒い旗を持っていた。工場付近の映像
事件があったのは米工業ガス大手エア・プロダクツ(Air Products:APD)の敷地内だという。フランスでは今年1月、パリにある週刊紙シャルリエブドの本社などが襲撃され、計17人が死亡している。フランスの首相Manuel Vallsは周辺の警備強化の指示を出し、大統領のFrançois Hollandeはブリュッセルでの会合を切り上げ帰国の途に就いた。サンカンタンファラビエ(Saint-
2015年6月27日;その後の情報で、首を切断された被害者 Herve Cornara氏:右 は、地方の配送会社に勤める容疑者ヤシン・サルヒ:Yassin Salhi(Yacine Sali)の上司(経営者:54歳)で、容疑者がエア・プロダクツ社の工場敷地へ車で突入する前に首を切られて殺害され、遺体は工場近くで発見され、首は工場のフェンスで発見されたとされる。容疑者の妻も身柄を拘束され、家宅捜索が行われている。黒い旗を振りながら、ガスボンベなどがあるガス施設へ車で突入した自爆攻撃とも見えるテロ行為で、1名が首を切られ死亡し、爆発で2名が負傷した。ヤシン・サルヒ容疑者のほかに、すでに拘束された、もう一人が同乗していた可能性もある。参照記事 切断された首は写真のように、工場のフェンスにぶら下げられており、アラビア語の書かれた旗も見える。首部分は筆者のほうでモザイクをかけてあります。容疑者は、爆発後、「アラー・アクバル(神は偉大なり)」と叫びながら、ガスタンクを続けて爆破しようとしたが、消防隊員に阻止されたといわれ、大参事になる可能性もあった。 参照記事
上記のフランスのほか、26日にはチュニジアでの観光客38人殺害、クウェートでのモスクでの自爆テロで27人死亡、ソマリアでは平和維持部隊が「アルシャバブ」の襲撃を受け50人が死亡などで、4カ国で26日に相次いだイスラム系によるテロ・襲撃事件の死者は少なくとも計116人に達した。過激派組織「イスラム国」は27日までに、チュニジアとクウェートでのテロの犯行声明を発表した。過激派組織「イスラム国」(IS)が「カリフ制国家」樹立宣言から6月29日で1年となる。 参照記事 記録映像:チュニジアのビーチでの惨劇
2015年6月29日:現在パリに護送されたサルヒYassin Salhi(Yacine Sali)容疑者の自白から、勤務先経営者の頭部切断はガス会社敷地に侵入前に行い、フェンスにぶら下げた首と自分をスマートフォンで写真撮りし、カナダ経由でシリアへ送信していたとされている。犯行当日容疑者は午前7時に自宅を出て、配送会社で7時半にマネージャーと落合いガス工場へ同じ配送車で向かった。被害者の首には、絞殺の形跡もあるが、それが死亡原因かは不明。 写真下は容疑者 参照記事 参照記事
2015年6月30日:29日 ロイター記事によれば 、フランス南東部リヨン郊外で起きたガス工場襲撃事件で、拘束されたヤシン・サルヒ容疑者(35)が、宗教的な動機はないと供述していることが分かった。関係筋が29日明らかにした。関係筋によると、サルヒ容疑者は捜査当局に対し、ジハーディスト(イスラム聖戦士)ではないと主張。同容疑者は事件前日に妻と口論になり、その数日前には上司とも口論になったと話しているという。この事件では、容疑者の上司の切断された頭部が工場のフェンスにつり下げられた状態で見つかった。そのすぐ近くにはイスラム教の信仰を示す文言が書かれた旗もあった。参照記事
AFPはイスラム過激派組織「イスラム国IS」は25日、シリアのクルド系シリア人の町アインアルアラブ(Ain al-Arab、クルド名:コバーネ、コバニ、Kobane,Kobani)に再び侵攻した。非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が明らかにした。シリア人権監視団によると、ISの自爆攻撃で少なくとも5人が死亡。町の中心部で、ISとクルド人勢力の激しい戦闘が起きており、路上に倒れた人の姿も見られるという、、。と報じ、別記事は25日早朝5時ころ、コバーネ南部周辺3か所からISの攻撃が発生し、少なくても13人が死亡し、ISは周辺の村で住民を処刑していると言われる。同じころ、ハサカ県南部のハサカ市へもISが攻撃をかけ、市を制圧しているシリア政府軍と戦闘が継続中で、少なくても政府軍側30人、IS側20人の死者が出ているとされる。現地26日の報道では、コバーネKobaneとその周辺で、少なくても住民146人が、ISによる処刑などの犠牲になったとされる。参照記事
ISは物資や兵員をトルコ国境から得ており、また石油の密売はトルコ経由と言われていることから、クルド合同軍がトルコ国境沿いを制圧したことはかなりの打撃とされる。ISの反撃は予想されていたが、クルド軍には有志国軍、シリア政府軍にはシリア空軍がいることから、ISの攻撃継続は困難なのではと個人的に思う。ラッカRaqqa北部の国境の街テル・アビヤドTell Abyad( )は最近クルド側が解放し、住民が戻りつつあると言われ、コバーネにも住民が街の復興に着手している。シリア政府軍は、ISに包囲される中、ハサカ市Hsakkahとデリゾール市Deir ez-Zor 近郊の飛行場を死守している。写真下は、再びISの攻撃を受けるコバーネ。 参照記事 英文記事 英文記事 英文記事 過去ブログ:2015年6月悪化するばかりのシリア、イラク 無差別攻撃を繰り返すシリアは分断国家になるのか、、。 地獄の沙汰も金次第 イラク シリアのクルドはIS撃退
2015年6月27日:非政府組織(NGO)「シリア人権監視団」によると、ISが占拠したコバーネのいくつかの地区の支配を、クルド人民防衛部隊(Kurdish People's Protection Units、YPG)が奪還した。クルド人活動家のルディ・モハマド・アミン(Rudi Mohammad Amin)氏はAFPに対し「コバーネは再びYPGの支配下に置かれた。ISの戦闘員が多数、死亡または負傷した」と述べた。 シリア人権監視団によると、ISはコバーネで少なくとも174人の民間人を殺害したという。参照記事
北大西洋条約機構(NATO)の国防相会合を翌日に控えた同日、カーター氏はエストニアの首都タリン(Tallinn)でバルト3国の国防相と共同記者会見を開き、「米国は機甲旅団戦闘団(Armoured Brigade Combat Team、ABCTを)1部隊分の車両や装備を、中東欧諸国に暫定配備していく」と述べた上で、「欧州におけるこの事前配備活動の装備としては、戦車や歩兵戦闘車、自走榴弾砲などを予定している」と述べた。カーター氏は、エストニア、リトアニア、ラトビア、ブルガリア、ルーマニア、ポーランドが中・大隊規模の装備の配備に同意しており、配備された装 備は「訓練や演習のため域内を巡回する」とした上で、「ロシアとは熱戦はもとより冷戦も望んではいないが、同盟国の防衛は行っていく」と述べた。すでにスウェーデン、フィンランド、デンマークは2015年に入り、相互にロシアを意識した軍事協定で、独自の防衛体制を構築している。 写真下は2015年6月、ポーランドでの演習風景 参照記事 過去ブログ:2015年3月北欧間、バルト3国で軍事同盟強化
23日の映像は、ISの戦闘員ががれきの中から人間の遺体を運び出す場面から始まっている。その後、映像はスパイ容疑者たちと彼らの死を宣告する。容疑者は一人ずつ直接カメラに向かって、ISに対してスパイを働いたと告白する。容疑者たちは3つのグループに分けられて処刑される。
最初の映像では、男性3人が車1台に乗っている。すると、覆面をかぶった戦闘員が携行式ロケット弾を発射し、車が爆破される: Execution with RPG 。2番目の映像では、男性5人が入った大きなおりが水入ったプールに沈められた: Execution by drowning。3番目の映像では、男性7人がひざまずかされ、それぞれの首に爆発性のコードが巻かれているのが映る。その後、コードが爆発し、7人の頭部が切断される:Execution with booby trap。3番目はISがこれまでに公開した中で最も生々しい映像の1つだ。ISは宣伝活動の一環として、残忍な処刑映像を流すことで知られている。ISに対するスパイ行為を思いとどまらせたり、影響を受けやすい戦闘員候補を集めたりすることが目的だ。処刑された容疑者たちは、米国、有志国軍が空爆攻撃するイラク北部モースルMosulの標的の、正確な座標をパイロットに教えていたと映像のナレーターが語っている。参記照事 参照記事 英文記事 英文記事 ニュース映像からの処刑シーン
彼らの罪状はスパイである。言い換えれば米国の空爆に対する、直接は武器を手にしない、一種の「後方支援」である。後方支援とはいえ、兵士を戦場に送り込めば、このようなことも派遣国は覚悟しなければならないだろう。
その多くがシリア、イラクの北部最前線に送り込まれ、空爆やクルド軍の攻撃で命を散らしていると言われている。参照記事:クルドの戦果を伝える記事内の写真には遺体が多いので閲覧注意
いったんISに入れば、戦線離脱や撤退は背教者と見なされ処刑される場合もある。彼らの内部映像を見ると、互いに「死ぬまで戦う。絶対後退しない!」と互いに叫び合う姿が印象的だ。IS支配地域での宗教的締め付けは厳しく、22日にはシリアのデリゾール県Deir ez-Zor provinceで、18歳以下の少年二人が、断食期間中に食事をした罰として、十字架に終日磔(はりつけ)にされていたことが報告されている。イラクでは、ISが9歳から18歳までの少年兵500~800人に対して軍事教練を行っていると報告されている。 参照記事 参照記事 参照記事 過去ブログ:2015年6月ISが「水戦争」を仕掛ける イラク 6月無差別攻撃を繰り返すシリアは分断国家になるのか、、。
2015年6月25日:右下の地図は、ロイターの地図をベースに筆者が独自に編集したもので、シリアのクルド合同軍が、ラッカ方面に南下し、ラッカ北部50キロに迫っている状況を表している。パルミラでは、ISが遺跡破壊を始めたとの報道がある。各地のISの拠点への空爆は続行されているが、ラマディへの攻撃は、イラク軍の体制再編のため停滞している。参考写真:パルミラの世界遺産
警察などによると、議事堂前に車で近づいた実行犯の一人が自爆した後、ロケット砲や手りゅう弾、銃で武装した7人(映像記事では自爆犯一人と6人)の戦闘員らが突入しようとし、政府の治安部隊との間で銃撃戦となり、約2時間の銃撃戦で戦闘員は全員射殺された。地元テレビは、議場に煙が充満し、議員らが外へ避難する様子を伝えた。国会ではこの日、国防相人事の承認手続きが予定されていたが、中止された。アフガンでは、昨年末に米軍が戦闘任務を終了した後もタリバンによるテロ活動が続いており、治安の悪化に歯止めがかからない状況となっている。頻発する中心部へのテロに対し、アフガン軍の治安能力が疑問視されている。 参照記事
被害は、地図の黄色で示したBabel, Karbala, Najaf and Qadisiyahの4県と2015年6月19日報道され、水の供給量は通常の半分以下となり、同時にハバニア湖 Lake Habbaniyahの水量も過去にないほど減少し、今後水不足は更に拡大するといわれる。アンバル県は乾燥地で、気温が上がりつつあるなか、ISが仕掛けた「水戦争"water war"」の問題はかなり深刻で、過去にISは、ディヤラ県Diyali provinceでも長期にわたりダムを閉じて、農作物などに大きな影響がでたと言われている。下の地図の左は、過去のイラクの人口密度分布
ISはまた、ラマディ北部サラーフッディーン県Salahuddin( Salah il-Din)にあるサルサール湖Lake Thartharのダム制圧もたくらんでいるようだと言われている。これは、チグリス川の水量を利用した長さ約100キロの主に灌漑用の貯水湖で、サマッラSamarraの調整装置と連動している。参照記事
この災害?に注目したのは、いまだにこのような事故が多発する中国の、他国への進出に懸念を感じるからだ。「一帯一路」を掲げて他国のインフラ整備に乗り出しているが、「短路」でさえも満足にできない技術レベルに不安はないのだろうか?同じくアジア圏での経済進出を目指す日本は「日本の建設コストは高いが、質の高さで長い目で見れば得になる」事を強調している。この付近を震源地として過去2013年2月には、震度4.8の地震が発生している。参照記事 日本 過去ブログ:2015年5月西へ延びる中国の経済戦略「一帯一路」をまとめる 2013年2月運搬中の爆竹が爆発 26人死亡 中国 2012年8月高架道路 1年で崩壊 中国 2011年12月完成を目指し、同時に破壊実験とは? 中国 2011年7月大型吊り橋落下 中国
カーター米国防長官は2015年6月17日、下院軍事委員会の公聴会で、イスラム過激派組織「イスラム国」掃討作戦に関連し、今秋までにイラク軍の兵士2万4000人を訓練する計画に対し、現時点では9000人にとどまっていることを明らかにした。現状では計画が大幅に遅れていることについて「イラクでは訓練を受ける人が不足している」と説明し、イラク政府に対し「さらなる取り組み」を要求した.。米軍はアンバル県Anbar provinceのタカドム基地Taqaddum military baseに拠点を設置し、スンニ派民兵を積極的に勧誘し、強化を進める方針だ。参照記事 英文記事 *タカドム基地Taqaddum military base(Al-Taqaddum Air Base)の位置は、以前にハバニヤー基地 Habbaniyah military baseと言われた、ハバニヤー湖東岸の場所と思われる。
すでにオバマ政権は6月10日、訓練要員として、ISが占拠するラマディから東へ約35キロ、バグダッドから西へ74キロのタカドム基地に米軍450人を追加派遣すると発表している。オバマ大統領が新たに承認したのは、イラク治安部隊支援のため、タカドム基地に450人規模の教育・訓練要員を派遣②同治安部隊などへの武器供与③ISから奪還した地域での住民保護のための支援など。すでにイラクに駐留する米軍3100人とあわせ、派遣規模は3550人となる。ホワイトハウスは声明で、追加派遣はイラクのアバディ首相の要請に基づき、「イラク治安部隊に対し訓練、助言、支援する」のが目的だとし、「戦闘任務にはつかない」とも強調。ローズ大統領副補佐官も同日の電話会見で「領地の奪還、維持は地域が解決すべき問題だ」と述べた。参照記事
以前は米国に対し、イラクを支援しないならイランに頼るぞと啖呵を切ったといわれるイラクのアバディ首相だが、イラク政府の財政状態は火の車のようだ。これも、フセイン政権崩壊後のイラク政府の長年にわたる政策の失敗の結果で、米国が突き放したい心境も理解できる。現在イラク軍のラマディへの攻撃は停滞状態にあり、この状態が、ISの体制立て直しに有利に働くのは素人でも判断できる。
イラク合軍の司令官は6月18日、最近行ったディヤラ県(地図のピンク色)-チグリス川作戦 Diyala – Tigris Operationsで、欧州、アジア出身の外国籍のIS兵士、約100人以上を殺害し、その他アラブ系IS兵士200人ほどを殺害したと公表し、同時に、ISはこの作戦中、40回以上の自爆テロで抵抗したが、いずれも失敗したと語っている。チグリス川沿いのISはユーフラテス川方面への南下を試みているが、イラク側の報道では失敗しているようだ。バイジBaiji方面のイラク治安部隊も18日、バイジ北部などでIS兵士20人を殺害する戦果を報告している。 18日の米軍、有志国軍のイラクでの空爆は、 Al Huwayjah, Baiji, Falluja, Makhmur and Sinjar付近とされている。参照記事 参照記事 参照記事
2015年6月21日:イラク軍の兵員不足解消のため、民兵組織al-Hashed al-Sha’bi militiaが20日、ディヤラ県の軍事キャンプでイラク全土から集めた約300人の若い新兵の訓練を始めたと報じている。近いうちに、ほかのキャンプでも訓練が開始される。すでに以前から、ISは14~15歳の少年兵を訓練しており、戦場で十代の兵士同士が戦うことになるかもしれない。参照記事
この民平組織もシーア派といわれる組織で、イラク内部からは、十分な兵器も手当ても支給されないまま、手弁当でISと戦うスンニ派部族から不満の声が上がりつつある。現イラク政府のシーア派偏重が、多くのスンニ派部族をIS支持に向かわせたことを思えば、国内の安定はより遠のいて行るのではないだろうか?参照記事
我が家の周りのキツネの縄張りに異変があったようで、毎日定刻に来ていたセイヤが姿を見せず、代わりに、赤毛と、セイヤほどの小柄な体格で、顔つきのよく似たもう一匹が毎日暗くなってから姿を見せる。この小柄なキツネが用意した餌を食べているが、来るのが夕方8時くらいと遅く、まだ写真は撮れていない。セイヤがどうしているか気になるが、餌の豊富な時期になったので、どこかで元気に生きていると信じている。またある日、家の横にちょこんと座っているの見る日が来るだろう。
近くに、毎年今頃やってくるカッコーがいるようで、その聞きなれたなき声を楽しませてくれている。家の周りは水鳥や野鳥が多く、きれいなキジバトの夫婦もよくやってくる。
最近、名前は分からないが、小鳥の大群が付近にやってきて、目の前の雑木林からはいろんな鳴き声が聞こえてくる。ついつい聞き惚れて、時間のたつのを忘れてしまうが、ふっと、少し前に見ていたシリアの映像で、爆音に驚いて鳥たちが逃げ回っていたのを思い出した。